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11-16.自分勝手な魔法

私はノアちゃんを探して彷徨っていた。


ノアちゃんは本気で逃げているようで、

転移でも追いつけなかった。


一応直前までノアちゃんがいた所には転移できるのだが、

ノアちゃんの速度で逃げられると

転移しても捕まえる前にその場からいなくなってしまうのだ。



やりおる・・・




ここまでして逃げるなら暫くそっとしておいてあげるべきだろうか。

けど、なんとなく探し出すのが正解な気がしている。


なんかその方がノアちゃんは喜んでくれる気がするのだ。

ノアちゃんは照れ屋さんだけど寂しがり屋さんだから。


私は本気でノアちゃんを探す方法を考える。


正直あまりいい方法は思いつかない。

それくらいノアちゃんは強くなった。



どうしようかな・・・


ここでセレネに頼るのがダメなことは流石にわかる。



転移門では発動前に感づかれるし、

落とし穴のようには出来ないだろう。


流石に町ごと探知の霧で包むわけにもいかない。


というか、町中で逃げられると捕まえるの無理じゃない?

いくらなんでも場所が悪すぎる。


追いかけ続けたらいつかは止まるかもしれない。

けど、出来れば私から捕まえてあげたい。

なんかそっちの方が喜びそうな気がする。




追いつけないのなら、

ノアちゃんを誘い出すべきだろうか。


ノアちゃんが思わず出てこざるを得ないなにか。

それでいてノアちゃんを怒らせない手段だ。


町全域に届くような大声で何かを伝えるなんて手段は怒られること請け合いだ。


ダメか・・・


あと何があるかな・・・

誘い出すのもなんだか上手くいく気がしないな・・・




一回、考え直してみよう。


私の得意技は転移だ。

それ以外でノアちゃんに追いつける手段は無い。





・・・いや、違う!

私の得意なことはもう一つあった!


私はイメージした魔法が使える。

こんな時こそ、

そんな魔法を生み出すべきだ!


イメージしろ!

私がしたいこと!


・・・ノアちゃんを見つけたい!


違う!もっと具体的に!

・・・ノアちゃんを捕まえたい!


もっと!

・・・これだ!




私はイメージした魔法を発動する。



「!?」


私の腕の中にはノアちゃんがいた。


私が抱きしめたい相手を

どこにいても抱きしめられる魔法


自分の腕の中に好きな人を呼び込む魔法



「もう逃さない!」


私はノアちゃんを抱いたまま空に転移する。


二人きりで話したいから。

空ならノアちゃんでも簡単には逃げなられないから。




私はノアちゃんを抱いたまま雲の上にいた。



「・・・何をしたんですか?」


「新しい魔法を作ってみたわ。

もう二度とノアちゃんは私から逃げられないのよ?」


「デタラメです・・・」


「せっかくなら持ってるものは使わなくちゃ」


「・・・」


「何も聞かないから。

せめて私の腕の中にいてくれない?

ノアちゃんに逃げられたら生きてはいけないの」


「・・・ひどいです」


「そうね。とっても」


「私にだって一人になりたい時くらいあります」


「そうね。私の我儘よ」


「かってすぎます・・・」


「そうね。こんな自分勝手な魔法生み出すくらいだもの」


「そこまで私を求めてくれても!

それでもアルカは!」


「私は?」


「私はアルカが大好きです」


「そうね。知ってる。

私もノアちゃんが大好き」


「・・・違います」


「何が?」


「・・・」


「ノアちゃん?」


「・・・足りません」


「何が?」


「アルカの好きじゃ足りないんです!」


「そんなはず無いわ!

私がどれだけノアちゃんの事を好きかわかってくれないの?」


「だから違うんです!

私の好きとアルカの好きは違うんです!

アルカの好きじゃ足りないんです!」


「・・・え?」

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