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11-9.新興宗教

私とセレネは保管庫のエリアに来た。


今は管理者と兵士達が来ている。

食料や消耗品の確認をしているようだ。


一応彼らには幹部エリアへの立ち入りを禁止している。

今は素直に従ってくれているが、

破るようならまた島流しだ。



私の事を相変わらず神か何かのように崇めてくる。



「アルカ一体何したの?」


私を崇拝する彼らを見ていたセレネが質問してきた。



「いや~

よくわかんないんだけど、

無人島に放置してたらいつの間にか・・・」



「もっと詳しく!」


セレネは何故か興味津々だ。


私は憶えている限りで、

彼らにやったことを説明していく。




「なるほど。

極限状況下で力を示して放置・・恵みを・・・

でもサンプルが・・・」


私の話を聞いてセレネはなにかブツブツ呟いている。

なんか聖女じゃなくて、

教会のトップとしての顔してる。



「あの?・・セレネ?」


「あっ!気にしないで!

ありがとうアルカ!参考になったわ!」


何の?

あの純粋なセレネがなんか・・・

やりすぎないでね?



「彼らはアルカを信仰しているんじゃないかしら。

アルカのやった事はそれくらい常識外れだもの」


え!?

まさか本当に神だとでも思ってるの?


確かに、問答無用で島に放り込んで、

たまに空から食料を投げ込む姿はそう見えても不思議はない。




・・・あれ?

もしかして新しい宗教が誕生してる?

教主は領主?

私が神?



娯楽の無い無人島に私を崇拝する領主を放り込んだせいで蔓延したの?

あの領主は教主の才能があったの?



あかん・・・

手遅れになる前にリリースするべきかしら。

まだ元の生活に戻れると良いのだけど。


もう手遅れ?

そんなぁ~






気を取り直して、

下の階層でやっていたように、

隠し扉や魔道具を探していく。


途中で思い直して管理者達にも聞いてみる。


そんな物は無いはずだとの事だった。


ついでにいろいろ聞いてみた。

エレベーター以外の上下移動は縄梯子があるらしい。

エレベーターの脇にスペースがあるそうだ。




保管庫の転移装置の先は商会の倉庫にある一室だそうだ。

彼らは倉庫に併設された施設で寝泊まりしているようだ。



商会自体がこの町の始祖が始めたもので、

世界中に支店が存在している。


そして、その支店は組織の補給場所としても機能している。

ただし、支店を運営している者達はその事を知らない。


特殊な加工を施した金貨が身分証代わりのようだ。

提示した者を本部の人間として扱い、

従うように教育されているらしい。



商会の名前を聞いて驚愕する。

この世界でも一位二位を争う有名な商会だった。

まあ、国を跨いで活動できる程の商会はそう多くないのだけど。


当然、商会の大多数はこの町や組織と関係していることは知らない。

倉庫からは馬車等の一般的な手段で製品を運んでいるようだ。



幹部側の転移装置は本店の地下室に繋がっているそうだ。

本店はある国の王都にある。

その国の建国にもこの組織は関わっているらしい。

今なおかなりの発言力があるようだ。



こんなペラペラ喋って良いの?

私なら?

そうすか・・・


なら、もっと早く聞いておけば良かったよ。

その辺はギルドに丸投げするつもりだったもの・・・




というか、

今回の件はその国にも影響出ますよね・・・


既に一国敵に回してるのは確定なのかな?

え?もう知られてる?

向こうにも人がいるから転移装置の異変は知られているはず?

ですよね~


やっぱり、私は考えが甘すぎたようだ。


私は管理者達の中から女性を一人を連れて、

グリアの所に向かう。



そうして、同じ話をグリアにしてもらい、

グリアの質問に答えてもらっていく。



「アルカ君。彼女を暫く借りても良いかね?

安心したまえ。妙なことはさせ無いとも」



「でも・・・」



「アルカ大丈夫よ。

グリアさんは普通の人よりずっと強いの。

なにかあっても自分で身を守れるわ」



え!?

グリアが戦ってる所なんて見たことないよ?



「流石に魔王に立ち向かえる程ではないとも。

それでも自分の身を守れる程度の自信も無く

あんな戦いに同行するわけなかろう」



まあ、そうだけど・・・


結局、一応管理者の女性に念を押して、

グリアの補助をお願いする事にした。

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