表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

167/1353

11-5.町の管理

私はノアちゃんとリヴィを連れて、

再び森の拠点に戻ってきた。



結局、拠点は動かさない事にしたのだ。

私とセレネも夜には戻って来る。

地下では時間の経過が分かりづらいから気をつける事にしよう。



「じゃあ、二人共気をつけてね。

絶対危険な事はしちゃだめよリヴィ!

ノアちゃんは何かあったらすぐにセレネに伝えてね」


「任せて下さい!」


「キュ~」



ノアちゃんとのわかれを名残惜しみながら、

なんとかセレネの所に戻る。


今日の所はギルドの人もいないし、

私達も拠点で過ごしてもいいのだが、

グリアと爺さんを放置しておくわけにもいかない。

まあ、もう半日は過ぎてるのだけど。


町の人達と話し合って、

食料もどうにかしなきゃいけない。


今あるもので転移装置の復旧まで持つのだろうか。

足りないなら最悪私が仕入れてくるしかないだろう。


今まではどうやって配っていたのだろう。

その辺りは幹部側の管轄かもしれない。


諸々ギルドには早急に頑張ってもらうしか無いだろう。



爺さんは設備等を見て回ってくれている。

この町の光量が少ないのもどうにか出来るらしい。


この町の人達にもいろいろ迷惑をかけているし、

出来るならお願いしてしまおう。

私もいれば高所作業も捗るだろう。


ドワーフ爺さんが町を訪れると、

私達の時とは違って、

誰もが驚き、敬った。


一人に話しを聞いてみると、

この町を作ったドワーフは神様のように崇められている事がわかった。

流石に実際に見たことがある人はいなかったが、

どの家でもこの町の成り立ちは語り継がれているそうだ。


これには流石の爺さんも複雑そうだったが、

これは幸いとそのまま町の人達にも話しを聞いて回る事になった。



この町の多くの人が三パターンに分かれていた。

一つ目が採掘を行う人達。

二つ目が鍛冶師達。

三つ目がそれ以外だ。商いを行う者やその他町の維持に必要な事をする人達が含まれる。


採掘された鉱石を鍛冶師達が加工して、

それを町の管理者達に渡して、

それぞれが働きに応じて金銭を受け取る。



商いを行う者達は儲けるためというより、

管理者達の補助が主な役目だ。

鍛冶師達が作成した物を集めたり、

町の人々が欲しがっている物を取りまとめて、

管理者達に伝えることでそれらを商品として販売する。


仮に利益を独占しようとしても、

管理者達がそれを許さないらしい。

大本の販路を独占されているので彼らも逆らうことはできない。


そもそも殆ど悪意を持って行動するような人はいないと言う。

こんな狭い世界でそんな事をすればあっという間に居場所が無くなってしまうそうだ。





管理者とは幹部達の事だ。


幹部達は完全に町の人々とは別枠だ。

彼らは町の人々の中から一部の人達だけが町を離れて活動する。


町の管理を行う上で、公平性を保つためか、

基本的に幹部側になった人は町には戻らないそうだ。


おそらく転移装置の先に居住施設もあるのだろう。



よくこんなシステムで六百年も保ったものだ。

管理者達が私欲に走ればあっという間に崩壊しただろうに。

町の人々が現状に不満を抱いたって同じだ。


ギルドが関わった事で崩壊が始まる可能性も十分にありそうだ。


この組織のやったことを考えれば

放置する事なんて出来るはずもないけれど、

この町の人々の生活はどうにかして守りきらねばならないだろう。


ここの人たちが関係なかろうと、

トップが魔道具を使って暗躍していた以上、

現状は仕方ないことではあるが。




一先ずドワーフ爺さんは問題無さそうだ。

町の人達とも上手くやってくれるだろう。



私はルスケア領主達の無人島に転移門を繋ぐ。



「送った人の中で優秀そうで悪人じゃなさそうな人、五人くらい見繕ってくれる?

あと、あなた達の中から十人程手を貸して欲しいんだけどお願いできる?」



「「「「「御意!」」」」」



直ぐ様、計十五人が選定されて、

転移門を潜ってこの地にやってきた。


ちょっと危険だけど試しにお願いしてみよう。

何かあっても十人程度ならすぐに制圧できるはずだ。


そもそもここからは逃げられない。

今は転移装置も使えないのだし。



管理者の中から戻ってきて貰った人達も何故か私に服従してくれた。


なんで?




もう考えるのは止めよう。

なんか数日で染まってしまったのだろう。


そんな事ある?




管理者達に食料の件を任せる事にする。

ギルドの人達にも紹介して情報共有してもらおう。


そして、兵達の中から五人を補助と見張りに回す。



兵士達は相変わらず従順だ。

しかもなんかドワーフの国で見た頃よりずっと逞しい体つきだ。

流石無人島で強制ブートキャンプしていた人達だ。

面構えが違う。



残りの五人は爺さんの補助をお願いした。

いろいろ作業するなら人手も必要だろう。



次はグリアの様子を見に行こう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ