表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

158/1353

10-19.ダンジョンボス?

良かった。あの町は大丈夫だ。



そういえば覚視を使えるようになってからダンジョンに入るのは始めてだった。


集中して視るとダンジョンは別物だった。

壁に、天井に力を纏っているのを感じる。


ダンジョンが通常の空間より丈夫な理由はこれなのだろう。


町のある地下空間にはこんなものは視えなかった。


あの町はダンジョンでは無いはずだ。



ならば、容赦なくボスを始末する事ができる。

可能であれば無力化して話を聞いておきたいけど。



私はノアちゃんをおぶって、

眼下の魔物達に爆撃魔法を放っていく。



魔物達は何の抵抗も見せない。

されるがまま倒されていく。


以前ダンジョンコアを奪った男の命令で町を襲撃した魔物達と同じだ。

あの時の魔物達も前進するだけで、何の反応も示さなかった。


ある程度魔物が減った所で、

ノアちゃんにも地上に降りてもらって、

手分けして魔物を倒していく。



残っている殆どが先程の爆撃魔法を無抵抗で受けても生き残っていた魔物達だ。

一体一体確実に始末していくしか無いだろう。


私は闇の矢を放って魔物を倒していく。

ノアちゃんも地上や魔物達の上を駆け回って的確に急所を突いて仕留めていく。



ボスが出てこない。


ここの魔物達もかなり数を減らしたはずだ。

何を考えている?

ここの魔物達は必要無かったの?






あれ?

倒れていた魔物の数が減ってる?。

気のせいか?


いや、違う!

倒れた魔物達は次々に消えていっている!



「ノアちゃん!」


私は慌てて、ノアちゃんの元に転移して回収する。




「今更気づいても手遅れだ!」


どこからかボスの声が聞こえてくる。

ダンジョンコアの機能だろう。


その直後、巨大な光が地面に浮かび上がる。



巨大な魔物が出現し残っていた魔物達を押しつぶす。



スライム?

なにか不定形の魔物だ。


普通のスライムのように液体ではない。

強いて言うなら柔らかい粘土の塊みたいだ。


こんな魔物は見たことも聞いたこともない。





私は魔物の中心部分を狙って空間魔法で握りつぶそうとする。


!?

発動しない!


なんだ?魔法が失敗した!

私の放った魔力が霧散したのが視えた!



あの魔物は魔力に干渉できるの?




魔物は私達に向かって体を伸ばしてくる。

瞬間転移で避けながら対応方法を考える。


幸いそう動きが速いわけではないが、

部屋に対して魔物が大きすぎる。

この部屋も十分に広いはずなのに。


しかも段々と大きくなっているように見える。

覚視で視ると、押しつぶした魔物達や周囲の魔力等を取り込んでいるようにも見える。


これじゃあ、下手に攻撃魔法も放てない。

全て吸収されてしまうだろう。


それに近い内に逃げ場もなくなりそうだ。




私は一旦体勢を整えるためダンジョン外に転移しようとする。

しかし、またしても失敗してしまう!

転移門も同じだ。


別の空間に繋げようとすると接続先が見つけられないように弾かれる。




転移の失敗は魔物が原因じゃない!?


この部屋の中での瞬間転移は発動している。

目的はダンジョン外への逃亡阻止だ!


なにこれ!

私対策!?




ボスはもう何も言ってこない。

前回のヒョロヒョロの男みたいにペラペラ説明してくれる気は無いようだ。



「ノアちゃん!

逃げられないみたい。

しかもあいつ魔法が効かないの!

多分ノアちゃんの神力が頼りよ!」


「任せて下さい!」



私は闇の矢を放って攻撃を加える。

これは物理的な存在として生み出しているものだ。


一応、敵を削る事には成功したが、

貫通しただけで、穴はすぐに塞がってしまった。

敵が巨体過ぎてこんな攻撃では意味がない。


一瞬で通り過ぎる矢ならともかく、

私の技量では剣や槍はまともに使う前に分解されるだろう。

先程通り抜けた矢も、既に分解されて敵に吸収されてしまった。


この手の魔物ならコアがあるはずだ。


けれど私の覚視では魔物の体内が視通せない。

この魔物は持っている力が強すぎて表層しか視えないようだ。



「ノアちゃん!敵の本体は視える?

どこか一際力の強い所とか!」


「ダメです!私も内部が視えません!」



ノアちゃんでもダメなの!?


どうにか敵の体を削り取って、

弱点を見つけるしかない。


私は爆撃魔法を放ち、

魔物に着弾する前に爆発させる。


爆風で魔物の表面が少し凹むが対した効果は無かった。

やはり、私の手札ではまともに削りきれそうにない。


転移門で削ろうにも、敵に触れれば瞬時に霧散してしまう。



やっぱり魔法じゃダメだ!


ノアちゃんの神力なら敵を削れる可能性はある。

けど、今のままじゃノアちゃんも近づけない。

下手に近づけば、魔物達のように敵に飲み込まれてしまうかもしれない。



一体どうすれば!



「10-18」の誤字報告を下さった方、ありがとうございます。

いつも読んで頂き、とても嬉しく思っています!

これからも更新頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ