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10-12.解決?

「ほら、言った通り敵からノコノコ現れたじゃないですか」


「今回は私達が現れた方じゃないかな?」


「どうせ同じことです。

やる事は決まってるんですから」




当然ながら、見張りの男達は一瞬で制圧した。


ついでに飛行男も捕まえて尋問してみた所、

なんとびっくり、例の組織の首領だった。



え?

・・・え?


そんな事ある?

いきなりボス捕まえちゃったの?


え?これで解決?


いくらなんでも雑すぎない?

というか何でいきなり前に出てきたの?

奥の方でふんぞり返ってるもんじゃないの?



私はドワーフ爺さんに作ってもらった杖を取り出す。

爺さんの言っていた追加機能の出番だ。

覚視を使った杖の研究は済ませてある。



私は杖の力を使い、

周囲の魔石に干渉していく。


干渉された魔石は力を失い濁っていく。

飛行男の持っていた飛行用魔道具も完全に機能を停止した。


やっぱあの爺さんとんでもねえな。




その光景を見た飛行男は、

遂に堪えきれずに喚き出した。



「なんだその杖は!その力は!

意味がわからん!

一体何をしたんだ!

貴様は一体何なんだ!

何度も何度も邪魔をした挙げ句、

こんな所まで現れて!

一体どうやって見つけ出したというのだ!

六百年だぞ!

六百年かけて作り上げてきたものを何だと思っているんだ!

爺様の想いを踏みにじるのも良い加減にしろ!

貴様は~」



しらんがな。

私だって予想外すぎてまだ混乱してるわ!


延々と喚き散らす飛行男を尋問の専門家に渡すことにする。


なんか真面目に話しを聞いていると

こっちが悪人みたいに聞こえてくる。




「例の組織のボス捕まえちゃったんだけど。

後頼んで良い?」


私はギルド長さんの方に小型転移門を繋ぐ。

私達の町のギルド長と悩んだけど、

こっち関係はギルド長さんに振ることにしよう。



「は!?何を言っているんだお前は?

もっとちゃんと説明しろ!」


「ごめん。私もよくわかってないの。

これから調査するからその後にね」



私はギルド長さんのいる部屋に元飛行男を転移する。


最後まで何か喚き続けていたけど、

続きはギルド長さんに聞いてもらおう。



「強引すぎませんか?

後でちゃんと謝るんですよ」


ノアちゃんからお叱りを受けてしまった。

ギルド長さん、ごめんね・・・




さて、ここからどうしようかしら。

いくらなんでも敵の規模が大きすぎるわ。


やっぱり応援を呼ぶべきだけど、

そのためにも最低限の安全は確保しておかなくちゃ。


流石にここから全ての魔道具を停止させるのは無理だろう。


少しずつやっていくしかない。


それに魔物が苦しむ何かの件もある。

まあ、そっちも魔道具さえ止めてしまえば良いのだろうけど。




一先ずこの見張り達はどうしようか。


縛って放置でも良いけど、

この地下空洞の広さを考えたら、

下手すると数日は放置する事になる。


流石にそれはちょっと忍びない。


まだこの人たちが悪人と決まったわけじゃない。

六百年かけて地下に一つの町を作り上げた程の組織だ。

ここで生まれ育った者もいるのだろう。


全員しょっ引けば済む話じゃない。


いつかのルスケア領兵士とすら違うのだ。

彼らは命令とは言え魔王の一味に加担したのだから。






そう言えばあの人達無事なのかな?

最近全然様子見てなかった。

領主も兵士達の方に放り込んでそれっきりだ。

たまには差し入れでもあげようかな。

いろいろ苦労してるんだろうし。


いっそここの調査に駆り出そうかしら。

今更私に刃向かえる人もいないだろう。


人手が全然足りていないのだから良いかもしれない。




まあ、それももう少し状況を把握してからか。

無駄死にさせるつもりは無いのだし。




私はルスケア領兵達を放り込んだ無人島に転移門を繋ぐ。



「ちょっと頼みがあるんだけど良い?」



「「「「「はは!何なりと!」」」」」



!?

何これ?

なんか領主を先頭に兵士達が集まりだした!?

え?あなたそんな影響力あったの!?

絶対人望無いと思ってたのに!!


ルスケア領主は途中から私を崇めていたが、

兵士達はそんな事無かったはずだ。

まあ、そもそも放り込んでから禄に話しかけた事もないのだけど。


それが今や全員が転移門越しに見える私に向かって跪いている。

一年以上放っておいたのに何でそんな動き速いの!

この事態を想定して練習でもしてたの!?


わけがわからない!



内心パニックになりながら、辛うじて続ける。



「今から何人か送り込むから適当に保護してくれる?

今のところは別に悪人でもなんでもないから乱暴にはしないでね。

抵抗されたら捕縛して構わないから」



「「「「「御意!」」」」」



私は制圧した見張り達を無人島に転移する。



「ノアちゃんどう思う?」


「ドン引きです」


え?

私が引かれてるの?

私もなんでこうなったのか知らないよ!?

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