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10-11.地下組織

暫く歩くと通路の先に光が見えてきた。


まだ覚視では届かないが、

この先に何かがあるのは間違いない。


前にドワーフの国でも同じ光景を見た。

あの時は、通路の先に国があったが、

今回は何が出てくるのだだろう。


今の私にはあの時のような警戒心は無い。

決して怠っているわけではないけど、

あの時はもっと気が張っていた。



私もノアちゃんも強くなった。

何が出てきても危険だとは思わない。


これは油断じゃない。自信だ。


きっと大丈夫。



「人がいます。

ドワーフじゃありません。

人間と・・・獣人です!」


光に近づいてきたところで、

ノアちゃんが小声でささやく。


私にはまだ感じ取れないけど、

ノアちゃんは覚視の知覚範囲に入ったようだ。

ノアちゃん凄い。



まあ、今更引き返すわけにもいかないだろう。

少し話しを聞かせてもらおう。



私達が通路を抜けると、

広大な空間が広がっていた。

以前と同じように、

入口が高台になっており、

下に町のようなものが見える。


更に奥の広い場所では沢山の人が労働しているようだ。

穴を掘ったり、何かを運んだり。


これダメなやつじゃない?




光量はドワーフの国程じゃない。

町の上だけ謎の光る天井だけど、

少しだけ薄暗く感じる。


町の建物も様々だ。

あの国のように統一されてはいない。

まるでスラム街のような雰囲気だ。

あっちこっちの建物から煙が上がっている。






「何だお前達!?

どこから入ってきた!」


突然入ってきた私達に入口から少し離れた所で

見張りをしていた男達が槍を向ける。

どうやら、入ってくる者を見張るのではなく、

出ていくものを見張っているように見える。


強制収容所か何かなの?




「勝手に入ってしまってすみません。

このあたりを探索していた冒険者です。

たまたまこの通路を見つけて

遺跡か何かかと思って、

入ってきてしまいました」


ノアちゃんが応答する。

まあ、ギリギリ嘘じゃない。たぶんきっと。


咄嗟に理由を考えるとは流石相棒頼りになるぜ!



「何だと!?そんなわけが!」


「待て!」


なにやら見張り同士で会話を始める。

私達の処遇を相談している。

こんなところまで来れる冒険者が手に負えるはずは無いとかそんな事を話しているようだ。



「ここはお前たちが来るような場所ではない。

見逃してやるから直ぐに立ち去れ!」


「すみません。

魔物に追われて逃げ込んだので、

少しの間だけでも置いてもらえないでしょうか。

荷物も投げ出してしまったので、

あちらの町で補給をさせてもらえると助かります」


流石ノアちゃん!

よくそんな話し咄嗟に思いつくわね!



「良いから黙って立ち去れ!

こんなところに無傷で来ておいてそんな嘘が通用するか!」


相手も意外と冷静だった。

まあ、魔物から命からがら逃げたにしては身ぎれい過ぎたか。



「本当なんです!信じて下さい!

証拠にこの通り荷物は何も持っていません!

運良くここに逃げ込めたから良かったものの、

今戻れば魔物の餌になってしまいます!」


ノアちゃんは感情を込めて助けを求めだした。

迫真の演技だ。



「お前はともかく、もう一人はそう思っていないようだぞ!」



げ!

私か!

こんな時にコミュ障モード発揮して、

無表情で棒立ちしてたら不自然よね!


やばいどうしよう。

ノアちゃんの足を引っ張ってる!



「この人は喋れないんです!

昔いろいろあったんです!」


いきなり説明が雑になった。

いろいろって何?

流石のノアちゃんも誤魔化すのは限界なのかもしれない。

私のせいで。



「良い加減にしろ!何時までもふざけた事を言っていないで出ていけ!」



見張りの一人がプッツンきて

私達に槍を突き出そうとする。


ノアちゃんが反撃しそうになった瞬間、

何かの装置を付けた男が飛んできた。



「何事だ!」


その男が現れると、

見張り達は私達になど構わず、

男に向き直って敬礼する。



「パタラ様!侵入者です!

冒険者を名乗る女の二人組みです!」



「お前たち何者だ?

女冒険者の二人組で片割れは獣人の少女だと!?

貴様らまさか!!!

今直ぐそいつらを取り押さえろ!!!」



バレた?


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