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10-10.白猫少女の変化

私が収納空間を開くと、

リヴィは直ぐ様飛び込んだ。


慌てて引っ張り出すと、

キョトンとするリヴィ。


良かった。無事なようだ。

実験済みとはいえ、

何かあったらどうしようかと思った。



「本当になんとも無いんですよね!」


リヴィを抱き上げて不安げに観察するノアちゃん。



「キュ~イ?」


まあ、収納空間の中は時間が止まっているようだし、

リヴィ本人にも自覚はないか。


ノアちゃんが手を離すと、

再度収納空間に飛び込んでいった。


ありがとう。リヴィ。

リヴィにとっては一瞬で事が済むからね。



私はノアちゃんを連れて地下空洞のあった場所の地上に転移する。



「また転移門を開くから、

なにかあったら直ぐに言ってね。

魔物だけに影響があるとも限らないんだから」


「わかりました」


私はノアちゃんの手を握ってから、

地下空洞に繋がる転移門を開く


相変わらず私達には異変は無いようだ。

魔物にだけ効く何かが出ているのだろうか。



私はノアちゃんの手を引いて

転移門をくぐり、地下空洞を進んでいく。


空洞というか廊下だ。

周囲は全て謎の素材で覆われている。


ドワーフの国の入口通路にそっくりだ。


どちらの方向も先が見えない。

かなり長いようだ。



「ノアちゃん。どっちの方が気になる?」


「私もどちらも先が知覚できません。

風は向こうから来ているようです」


ノアちゃんの方が私より覚視の知覚範囲が広い。

そのノアちゃんですら先は見通せないようだ。


風か・・・

どっちに進むのが良いんだろう。

入口側から入ってくるのかな?

それとも居住区?


前と同じなら

入口は閉鎖されている可能性が高いだろう。

なら居住区から空気が流れているのかな?


だめだよくわからない。


とりあえず、風が来る方向に歩いてみよう。

そっちなら空気が入ってきてるのだから、

酸欠になる可能性も低いだろう。



私はノアちゃんの手を握ったまま歩き出す。

緊急時の動きやすさを考えたら放しておくべきかもしないが、

瞬間転移するには触れていないといけない。



こんな時だけど、

こうして手を握って歩くだけでも結構嬉しい。


最近はなかなか手を繋いで歩く事は無かった。

ノアちゃんもそろそろ思春期だ。

日本と同じかは知らないけど。


少なくともノアちゃんは、

たまに家で甘えてくれる時以外、

あまり外ではベタベタしてくれなくなった。


セレネはそうでも無かったけど。



ルネルとの修行で強くなって自信がついたことで、

自立しつつあるのかもしれない。

まあ、元々かなりしっかりしていたけど。


最近はリヴィもいるから顕著な気がする。

思えば本当の二人きりも久しぶりだ。


浮かれている場合じゃないけど、

やっぱり嬉しくなってしまう。



「こうして歩くのは久しぶりですね」


「ノアちゃんもそう思った?

私は何時までもこうしていたいくらいよ」


「それは・・・まあ悪くはないんですが・・・

こんな時じゃなければ・・・」


「それもそうね。

でもこんな時でも嬉しくなっちゃうくらい、

私はノアちゃんの事が大好きよ」


「うぐ・・・」


「きっと成長するにつれて、

こんな時間は減ってしまうもの。

少しでも多くノアちゃんと一緒にいられると良いなぁ」


「どこにもいかないと約束しましたよ?」


「そうなんだけどね。

でもやっぱりノアちゃんにもやりたい事や、

やらなきゃいけない事はあるのだから。

私はノアちゃんの邪魔がしたいわけじゃないもの」


「そんな事!・・・」


「大丈夫。ノアちゃんが離れていっちゃうと思っているわけじゃない。

何時までも一緒にいてくれるって信じてる。

ただ少し寂しいなって思っちゃうだけなの」


「・・・アルカが寂しく思わないようにしてみせます」


「ありがとう」


「私もアルカの事が大好きなんです」


「知ってるわ」


「・・・」


私が笑いかけると、

ノアちゃんは俯いてしまった。

どうしたのだろう。

今のやり取りに照れているのかな?

ノアちゃん可愛い。



ノアちゃんが繋いだ手に力を込めるのを感じながら前に進んでいく。

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