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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-35.単身赴任と正式加入

「い・や・で・す!!」


 ミーシャはキッパリと拒否した。



「お願い、ミーシャ。私の代わりにあの子を見てあげてほしいの」


「ニクス様の頼みでもそれだけは聞けません!」


『そうよね。ミーシャってこういう奴よね』


『しつぼう』


『ドンビキ』


『いい度胸ですね』


『マスター。開発中の洗脳装置が神に通用するか実証実験を行いたく』


 どうどう。落ち着いて皆。



『ねえ、小春。私が行くのではダメかしら?』


 え? お姉ちゃんが? なんで?



『言ったでしょ。私にはトリウィアの力があるって。私もかつての恩を返したいの。あの子がその本人でないとわかっているけどね』


 そっか……。お姉ちゃんがそう言うなら行かせてあげたいけど……いや、やっぱやだなぁ……中々帰ってこれないだろうし……でもなぁ……そもそもお姉ちゃんが出歩いて良いのかとか、お姉ちゃんであっても力を貸しちゃうのはマズいんじゃないかって事とか色々問題もあるわけで……。


『ふふ♪ ミーシャの時より随分と悩んでくれるのね♪』


 ミーシャはね。ほら。もう少し頑張ってほしいからさ。もちろんミーシャの事も大切だけどね。何せ私の伴侶だもん。手放すつもりは毛頭ないんだけど、少しくらいお仕事させてもバチは当たらないかなって。いやまあ、最近のミーシャが前よりずっと頑張ってくれてるのもわかってるんだけどね。


『本当はミーシャも行かせたくないんじゃない』


 長く離れるかもってなれば不安にもなるでしょ。けどこれが必要だって事もわかるからさ。止めづらくはあるのよね。


『私については何の心配も要らないわ。そもそもこの時間軸との縁が薄すぎて因果も紐付かないもの。それに私が抜けた穴はもう一人の私が埋めてくれる。何も心配は要らないわ』


 う~ん……。やっぱ無しで。


『なんでよ』


 根拠が薄すぎるもの。お姉ちゃんを信じてないわけじゃないけどさ。けどお姉ちゃんの考えをニクス達に相談するわけにもいかないじゃん? また家族にナイショで勝手な事してより大きな問題に繋がったら困るもの。お姉ちゃんが関わってるんじゃ説明のしようも無いんだし。


『なるほどね。そうね。尤もな意見だわ。わかった。今回は諦めるわ。その代わりにあの子が修行する時にでも手伝わせてもらえるかしら?』


 それも難しくない? ニクスだってやりたがるだろうし。


『たしかに面倒な事になるわね』


 お姉ちゃんとトリウィアって仲良かったの?


『それなりにはね』


 これは結構縁の深い相手だったようだ。どうにかして機会を作ってあげたいものだ。


『楽しみにしているわ』


 うん。任せておいて。



「内緒話は終わったの?」


「内緒話? 何の話かしら?」


「惚けないでよ。私を怒らせたいの?」


 ニクスは私に秘密を持たれるのが嫌で嫌で堪らないらしい♪



「なんで嬉しそうなのさ? 私本気だよ?」


「なんでもないわ♪」


「そう。そういう態度を取るんだね」


 あかん。機嫌そこねちゃった。



「それよりほら。早く助っ人を送ってあげなきゃでしょ?」


「そうだったね。けど困ったなぁ……」


「お願い、ミーシャ」


「アルカ様まで!?」


「何時でも帰ってきていいから」


「それなら……けど……でもぉ……」


 ミーシャはサボり魔だけど流されやすい子でもある。そして自分より弱い者に手を差し伸べるだけの優しさも持ち合わせている。一度行きさえすればきっと力になってくれるだろう。トリウィア達の事を見守ってくれる筈だ。



「私の下になら何時でも飛んで来れるでしょう? 私も会いたくなったら呼び戻すから。その時はミーシャの為だけに時間を取るから。ちゃんとご褒美もあげる。やってくれる?」


「……う~……仕方ないですね」


「ありがとう♪」


「その代わ」


 何か言いかけた所で突如足下に空いた穴に落ちていった。イオスが焦れったくなったのだろう。いってらっしゃい、ミーシャ。頑張ってね。帰りを待ってるからね。ノルンにもよろしく言っておくからね。



「これで心配事は無くなったね。次行こうか」


 ニクスは早々に切り替える事にしたようだ。もう少しミーシャの事も気にしてあげて。どうぞ。




----------------------




「シア、リシュ、ユニ。おまたせ」


「おかえりなさい。アルカさん」


 よしよし。落ち着いてるわね。ノアちゃんが修行前に説明してくれたし、ルカもずっと側についていてくれたものね。



「ルカもありがとう♪」


「うん。皆良い子にしてた」


 あらあら♪ うふふ♪



「一先ず問題は解決したわ。次はあなた達の質問に答えるわね」


 悪いけど続報は無しだ。今はまだこの子達に話せるような内容じゃないし。



「その前に一つお願いがあるの」


「例の話ね」


「うん。二人も同意してくれたよ。ボク達を仲間に加えてください」


「「お願いします!!」」


「本当に良いのね? 私の仲間になるって事は家族になるって事よ? 魔女アルカの家族がどう見られるのかあなた達はよくわかっているわよね? 二度と普通の生活には戻れないのよ? 本当に全部理解しているのね?」


「「「はい!」」」


「わかった。なら先ずはそこを話し合いましょう。その後でまた秘密を明かしてあげるわ。一つずつ丁寧に進めていきましょう」


「ありがとう♪ アルカ♪」


「こちらこそ。うちって世間慣れした子は貴重なの。三人が加わってくれるなら心強いわ」


「アルカさん。私も先に話しておきたい事があります」


「私もよ。アルカさん」


「いいわ。シアとユニの話から聞きましょう」


 もちろん内容はわかっている。二人が話してくれたのは私の想像通りの内容だった。どうやら三人の中でも既に秘密を打ち明けあっていたようだ。



「本当に驚いたわ」


 たぶんそれはユニだけじゃないわね。



「アルカさんは全然驚いていないのね」


「まさか疑ってるの?」


「そんな筈無いでしょ。全て私の意思で決めた事だもの。だいたい私達にそんな価値は無いわ。自意識過剰も大概になさい。もう王女の立場なんてとっくに無いんだから」


「まだまだ認識が甘いね、ユニは」


「どういう意味よ?」


「この家には元王女なんていっぱい居るんだよ。特段ボク達は珍しくもなんともないのさ♪」


「……そもそも皇帝が伴侶なんだから今更じゃない」


 そうね。別にドヤ顔で言うこっちゃないわね。リシュは自分だけが聞かされていた事を自慢したかったのかしら?



「それでアルカさん。具体的な話をお聞かせ頂けますか?」


「ええ♪ もちろん♪」


 改めて歓迎するわ♪ 三人とも♪

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