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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-26.新制度

「……あれ? ノエル?」


「おはようございます、アルカ」


「おはよ……。なんでノアちゃんの格好してるの?」


 普段ノエルの髪は金色だ。いつもは天使らしい格好だ。けど今は何故かノアちゃんとまったく同じ格好をしている。髪も真っ白だ。私の為かしら? ノアちゃんがどうしても外せない用事で居なくなるから代わりに残ってくれたのかしら?



「忘れたのですか? 私はノアでもあるのですよ?」


「もちろん忘れてないけど……えっと? つまりそういうことなの?」


「はい。そろそろ頃合いでしょう」


 なるほど。これも心配させちゃったせいかしら。



「そっか……うん。二人がそう決めたのなら受け入れるわ。皆もそれで良いわよね?」


『私は別に構わないわよ。前から決まっていた事だもの』


『おなじく』


『オナジク』


『私は反対です。あの時よりも人数が増えているのです。今一度側近制度の在り方について見直すべきかと』


 あらら。そうきたか。もちろんシーちゃんが反対する理由もわからないわけじゃないんだけども。


『とは言え前々から決めていた事だものね。ノアとノエルだってその為に準備してきたわけだし』


 そうね、イロハ。今更やっぱ無しって言うのもね。



『そうとわかっていながら増やし続けたのはマスターです』


 はい……さーせん……。



『もしかして私のせい?』


『ミユキのせいじゃないわ。もちろんナナミのせいでもね』


『フゥ……』


「ふふ。大丈夫よ、ナナミ。追い出したりなんてしないから」


 皆私にとって大切な存在だ。もちろんシーちゃんもだ。そのシーちゃんが警告してくれているのだ。真摯に受け止めたいとは思っている。



「少し会議をしましょう」


「体調は良くなったのですか?」


「ええ♪ お陰様ですっかり元気になったわ♪」


「それは何よりです」


 心配かけちゃったよね。私も覚悟を決めないとね。ルージュだって今も頑張っているんだもの。



「ところで誰かルージュの様子はわかる?」


『さあね。一旦あの子の事は忘れなさいな。どうせ暫く会えないんだから』


「それはちょっと……」


「すっかり骨抜きですね。そんなにあの子が可愛いですか?」


「そりゃそうでしょ。娘だもん」


「娘はいっぱいいるじゃないですか」


「特に目が離せないタイプよね」


「一応問題児とは理解しているのですね」


「そうね。けどあの子のせいじゃないわ」


「次は甘やかし過ぎてはダメですよ」


「私には難しいかもしれないわ。ノアちゃんとノエルもそう思ったからこちらに加わってくれるのでしょう?」


『余計な気遣いね。アルカには私達だっているじゃない』


「もう。そんな言い方しないで、イロハ。私はノエルと一緒に居られて嬉しいの」


「私も嬉しいです、アルカ。ですが私の事はノアとして扱ってください。あくまでノアの一部としてアルカと繋がるのです。ノアが常にアルカを見張る為に。どうかご理解を」


「それは無理だってば。心配しなくてもノエルとノアちゃんで差をつけたりしないから。ノアちゃんと同じ人物としても扱うわ。けどそれでも私はあなたをノエルと呼び続けるわ」


「酷いです、アルカ。私はノアとしてあなたに愛されたいのに」


「呼び方だけよ。悪いけど受け入れて。私はこうするって決めていたの」


「それで本当にノアとして見れるのですか? 私を通してノアを見るだけだなんて嫌ですよ?」


「ええもちろん。あなたの事は正真正銘ノアちゃんとして扱うわ。けれどあなたもノエルとしての自分を完全に捨て去ってしまってはダメよ。ニクスの娘はノアちゃんではなくノエルなの。あの綺麗な髪だってその証じゃない。捨ててしまうなんて勿体ないわ」


「……アルカは意地悪です」


「ごめんね、ノエル。けれどこれでもあなたの覚悟は理解しているつもりよ」


「わかりました。その条件を受け入れます」


「ありがとう、ノエル」




『話しが纏まったようですね。ならば次はこちらの話です』


「ええ。聞くわ。シーちゃん」


 現在の融合組は、ハルちゃん、イロハ、シーちゃん、ツクヨミの四人。ここにルージュが加わって五人になる予定だ。


 そして同化組が、未来お姉ちゃん、ナナミ、ヤチヨ、ヒサメの四人。新たにノエルが加わって五人だ。たまにアイリスが出たり入ったりもするけどだいたいそんな感じだ。


 合わせて側近組が十人になる。当初は五枠と定められていたのにだ。既にその倍だ。シーちゃんが止めるのも当然の話だ。約束を破ったのは私の方なんだから。



『ご理解頂けているようで何よりです。これでミヤコやチグサまで加えようと言うのだからマスターには困ったものですね。本当に』


 はい……ごめんなさい……。



『融合組は二度と減らせません。不可逆ですから当然です。そして融合組だけで既に五枠は埋まりました。これ以上側近を置くことは出来ません。それが最初の約束でした』


 そうね。けど。


『ミユキは仕方がありません。マスターの中で匿っているのですから外には出せません。特例として認めましょう。ですがそこまでです。残りの四人については認めません』


 お願い、シーちゃん。


『どうしてもと言うのならノエルだけは認めましょう。マスターにとってノアがどれ程重要な存在であるのかは理解しています。その代わりに残り三人を諦めてください。五枠から七枠に拡張して差し上げます。以前マスターがゴネていた通りに。これでも十分な譲歩だとは思いませんか?』


『待ってシイナ。私を一人としてカウントするのは違うんじゃないかしら?』


 お姉ちゃん?



『そうね。ミユキは居ない扱いですもの。七枠と言うならもう一人は入れるわよね』


『六枠でも構わないのですよ?』


『あなたが言ったんじゃない』


『わかりました。撤回はしません。ミユキを除いた七枠で最終決定です』


『そこを議論するのよ。シイナがアルカの為を思って忠言しているのは全員が理解しているわ。それでも議論を続けましょう。人数を減らすのではなく問題の方を解消すればより良い結果だって掴める筈よ』


『問題はいくつかあります。しかしそのどれもが致命的と言う程のものではありません。マスターには十分な器があります。ただ住まうだけならば何十人であっても耐え得るでしょう。技術的な問題に限るのならではありますが』


『一番の問題は意思決定権の分散よね。アルカは王よ。アルカには皆を導く責務がある。こうして私達の意見が分かれてしまったように、何かあった時に都度やりあっているようじゃ組織としてもおかしくなってしまう。傍から見たらアルカが優柔不断であるようにしか見えないんですもの。王がそんな調子では皆を不安にさせてしまうでしょうね』


『その通りです。マスターは心優しいお方です。必ず我々の言葉に耳を傾けてくださいます。だからこそ我々は自ら率先して引き締めるべきなのです』


『まるで側近が贅肉みたいな言い草ね』


『過剰に身に着けてしまえばそうもなりましょう』


『適量にすべきという意見には同意するわ』


『流石はイロハです』


『けれどその適量については議論の余地があると思うの』


『私はスレンダーが好みです』


『少しくらいのふくよかさなら愛嬌の内よ』


『王に愛嬌は不要です』


『そうかしら? どうせなら可愛い方が良いじゃない』


『緊急時に身動きが取れなくなるという話をしていた筈ですが?』


『その分筋力をつけておけば問題無いでしょ?』


『いずれにせよ小回りは利かなくなります』


『アルカは王だもの。貫禄の方が大切よ』


『可愛げとは程遠いものとなりますね。私は今のマスターが大好きです』


『結局はそこなのよ。私だってアルカを必要以上に変えてしまいたいわけじゃない』


『ならばわかっている筈です。このまま見過ごすわけにはいかないのだと』


『ええそうね。まだまだ余裕があるとはいえ、今の内から気を引き締めておくのも大切ね』


『贅肉はあっという間に身につきます。油断大敵です』


『なら制度に制限を設けましょう』


『制限とは?』


『先ずは決定権の割合を明文化しましょう』


『具体的には?』


『アルカが五。融合組がそれぞれ一。他はゼロよ』


『異論ありません』


『結構よ。後はシフト制の導入ね』


『融合組もですか? あまり意味があるようには思えませんが』


『先に上げた七枠とは別でよ。追加で二人ずつ参加を認めるわ』


『それでは九枠、いえ十枠になってしまいます。結局全員受け入れるという事ではありませんか』


『私、ハル、シイナ、ツクヨミ、ルージュ、ミユキ、ナナミ、ノエルは固定。これがシイナの提案だったわね。それは受け入れるわ。その上で二人ずつゲスト枠を設けましょう』


『させません。何がシフト制ですか。ただでさえゴネて八人をゴリ押したのに更に追加とは。話になりません』


『まあ聞きなさいな』


『だいたいヤチヨとヒサメとだって融合するつもりじゃないですか。その枠は早々に動かせなくなりますよ』


『融合組は別枠よ。それとは別にシフト制のゲスト枠も常に二枠設けましょうという提案よ。これにはもちろん意味があるわ』


『ダメです。無しです。却下です』


『ならば決を採りましょう♪ 決定権の割合については同意してくれたものね♪ すぐにでも答えが出せるわ♪』


『却下です。それはあんまりです』


『そう。つまりはアルカ次第なの』


『それを言い出すのは無しです。だからと言ってマスターの破滅を見逃すわけにはいかないのです』


『大袈裟とは言わないわ。いずれはシイナの懸念も形となるのでしょう』


『わかっているのならこれ以上バカな事を言わないでください』


『シイナも目を逸らさないで。ここで減らしたところでアルカはまた増やすわ』


『だからこそです。こうして小まめに刺していかねばならぬのです』


『そうね。あなたの献身は私もアルカの一部としてありがたく思うわ。けれどそれだけでは足りないの』


『まるで私と同じ志を持っているとでも言いたげですね』


『当然じゃない。アルカの為にならない事は言わないわ』


『甘やかす事は相手の為にならぬとわかっている筈です』


『そうね。ルージュには悪いことをしてしまったわね。私もアルカの一部として反省するわ』


『結局何が言いたいのです?』


『私達が領主を務めましょう。アルカが王だと言うなら、人が増えて困ると言うなら、分けて管理すればいいだけとは思わない?』


『シフト制は試験的に取り入れると言うのですか?』


『そうよ。アルカの中に住まう事は許すわ。けれど直接王に意見する事は認めないわ。先ずは私達を通してもらいましょう。最初は私とツクヨミがヤチヨとヒサメを預かるわ。チグサとミヤコはあなたが見てあげなさい。けれど最初から全員を参加させても収集がつかなくなるのは目に見えているわ。だから少しずつね。シフト制で様子を見ましょう。新制度に従えないようなら出禁にしましょう。全てに納得したのなら臣民となる事を許しましょう。秩序は私達で敷きましょう』


『……いずれ蜂起が起きそうです』


『融合組にはより一層の覚悟が求められるわね』


『ナナミ、ノエル、ミユキの三人にも従って頂きましょう』


『ハル』

『ナライイ』


『おけ』


「ならば私はルージュにつきましょう。傀儡政権の樹立を目指します」


『早速謀反を企ててる奴がいるわね』


『ノエルはならば心配は要りません。何かやらかしてもノアに突き返すだけですから』


『帰る場所がある子はマシよね』


『ミユキにもあるではないですか』


『今となっては向こうの方が居づらそうだわ』


『ナナミ』

『ナイ』

『ココダケ』


『じゅうぶん』

『ナナミ』

『うちのこ』

『ハル』

『せきにんもつ』

『いっしょう』


『ハル!』


『ナナミ!』


 仲良しね~。



「アルカは良いのですか?」


「う~ん。別に皆と直接話しちゃダメってわけでもないんでしょ? ただ方針への口出しには気を遣ってねってだけで」


『概ねそんな感じよ。領とは言っても物理的に離れているわけじゃないもの』


 私の中での話だからね。そりゃそうだ。



「なら良いよ。面白そうだし。それに何よりシーちゃんとイロハが私の為にいっぱい考えて決めてくれた事だもの。私も賛成するわ」


『徹底するには暫く時間もかかるわ。知れ渡れば入居希望者も殺到するでしょう。だから内密によ。少しずつ慎重に進めていきましょう』


「は~い」


 ふふ♪ ありがとう♪ 二人とも♪

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