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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-23.才能の使い方

 暫くお風呂とベットを行き来するだけの生活が続いた。もう随分と長いこと服を着ていない。食事やその他の人間らしい生活も皆無だ。これも一種の修行と呼べるのだろうか。忍耐力を高める的な何かそんな感じの。


『益体もないわね』


 どっちが?


『勿論その思考がよ。身体を動かさなくたって出来る修行はいくらでもあるじゃない』


 私向いてないのよ。根本的に。


『ハルカに丸投げしたくらいだものね』


 そうそう。


『若い頃はもう少し勤勉だったと思うのだけど』


 人を若くないみたいに言うのやめてくれるかしら? 平均したら赤ちゃんよ?


『中央値って知っているかしら?』


 そんな事よりもよ。


『ルージュの寝顔にも飽きてきた?』


 そもそも見えないじゃない。


『息苦しくないのかしら?』


 モニタリングしてないの?


『その子嫌がるのよ。私が意識を向けると気付いちゃうの』


 あら。もうそこまで。


『まあ、ログは追っかけてるからほぼリアルタイムで把握してるけど』


 なら今の会話はなんだったのよ。


『勿論ルージュたんの成長を伝える為よ♪ この子ったら反撃までしてくるんだから♪』


 全然気付かなかった。


『だから言ったでしょ。身体を動かさなくたって出来る事はあるって』


 高度すぎるわ。覚視って見るだけじゃなかったのね。


『そりゃそうよ。本質的には同じ事ですもの』


 全然わからん。というかどうして「ILis」内でそんな事が出来るの? 機能が実装されてないんじゃなかったの?


『あるものを利用しているだけよ。別にシステムを書き換えたりしているわけじゃないわ』


 全然わからん。


『私も状況証拠から推察しているだけよ』


 つまりよくわからんと。


『わかるのはマグナの力とはまるで違うって事くらいね。グラマス視点からならやってる事が同じに見えるかもだけど』


 どう違うの?


『どう説明したものかしら。先ず一番違うのはマグナは点でルージュは線って所かしらね』


 もうちょいわかりやすく。


『マグナの力は何の脈絡も無く作用する、ように見えるの。それに対してルージュがやっている事はあくまで延長線上に過ぎないわ。自分から伸びた線に働きかけているだけよ。やっぱり下層レイヤーへのアクセス権限はマグナの方が上位みたい。どちらが凄いかという点では正直わからないわ』


 つまりマグナの力はその過程そのものが観測出来ない下層で行われているけど、ルージュの方はあくまで表層を書き換えているだけだから観測出来るって事?


『ええ。そうよ。その通り。ルージュがどうして書き換えられるのかはわからないけどね』


 なるほど。けどそれってあくまで「ILis」の中だからって事だよね?


『外の世界でだって似たような事は出来るわ。グラマス達が覚視でその過程を観測すればいいのよ。それでも同じ結果になる筈よ。どうして書き換わっているかまでは観測できないけど、書き換わったという結果だけは観測出来るの』


 ならやっぱりルージュは更に下の階層に手を加えているんじゃないの?


『そうね。だから線なのよ』


 そういう意味か。ルージュはマグナと違って意識的に段階を踏む必要があるのね。


『ええ。本質的には同じだけどね。マグナはそれを外部に委託しているの。メインフレームに命令だけ送れば結果が出力されるわ。それが私達視点では突然湧いたように見えるの』


 とんでもないインチキだわ。


『いつかメインフレームにもアクセスしてみたいものね♪』


 ルージュならそれが叶うかも?


『ワンチャンあるわね♪ この先の成長次第ではマグナの力を追跡させるなんて事も夢じゃないわ♪』


 下手にハッキングなんかしたら防衛システムかなんかに引っかからないかしら?


『そこはルージュの腕次第ね。いずれにせよまだ当分は先の話だと思うわよ。ルージュはあくまでハッキングの才能があるだけで技術や権限を持っているわけじゃないんだもの』


 そうよね。覚視って要するにそういうものなのよね。下手に手を出さないようしっかり言い含めておかないとだわ。


『私が教えておくわ♪』


 もしかしてずっとやってたの?


『ええ。書き換える手段がわからないからって対策が打てないわけじゃないの。繋がりを辿る事しか出来ないなら接続先を変えてやればいい。ルージュには確かに才能はあるけど経験はまっさらだもの。翻弄する事くらいわけないわ♪』


 そうやって経験を積ませてくれていたのね。


『ふふ♪ そうよ♪ 私も随分楽しませてもらってるわ♪』


 ありがとう。引き続きお願いね。


『こちらこそ♪ こんな面白い子を連れて来てくれて感謝したいくらいだわ♪』


 アイリスはすっかりルージュがお気に入りね。




----------------------




「~♪」


『もう教える事は何も無いわ』


 何かに決着がついたようだ。ルージュが満面の笑みで燥いでいる。



「お疲れ様。ルージュは何を勝ち取ったの?」


「♪」


 ルージュがいつものように私の胸に顔を埋めると、私の胸がどんどんどんどん大きくなっていき、遂にはルージュの全身が包みこまれてしまった。



「やわやわ♪」


「えぇ……」


『あはは♪ ほんとくっだらないわよね♪』


 いや笑い事じゃないし……戻してよこれ……。


『無理よ♪ 私にはどうにも出来ないわ♪ 完全に奪われちゃったもの♪ グラマスの全権限が♪』


 ルージュが長い月日を費やしてやりたかった事がこれ?


『それくらい可愛いもんじゃない♪ その子今ならなんだって出来るのよ♪ グラマスに関してはだけど♪』


「ログアウト……あれ?」


『だから無理だってば♪ 全部盗られちゃったもの♪』


 えぇ……。



「ルージュ。そういう悪ふざけはダメよ」


「~♪」


 ダメだ。聞いてない。



『せっかく頑張ったんだから少しくらい付き合ってあげなさいな♪』


「そのうち感情のパラメータとか弄られかねないじゃん」


『大丈夫よ♪ 現実の肉体にまでは影響も及ばないわ♪』


「一時の恥なら甘んじて受け入れろと?」


『傷付けたりなんかしないわよ♪ ルージュはあなたの事が大好きなんだから♪』


「……もう。少しだけよ」


 やっぱり先に常識を教えるべきだったかしら……。

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