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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-18.成長の機会

『ねえ、小春。少しだけヒントを出してもいいかしら』


 お姉ちゃんが? これも未来案件だったの?


『そうとも言えるし、そうでないとも言えるわね』


 いいわ。話して頂戴。


『あの魔神達がトリウィアと認識したのは私の力なの』


 知っていたのね。


『詳しくは話さないわ。ただ私が彼女の力を持っている事だけ知っておいて』


 ありがとう。助かったわ。その知識はお姉ちゃんから教えてもらわない事には知りようもなかったし。


『巻き込んで悪かったわね』


 ううん。どのみちでしょ。


『そうね』



 ヘカテーにトリウィアか。きっと彼女の痕跡はお姉ちゃんの力だけではない筈だ。


『そうよ。彼女は魔術と月の神。そしてトリウィアには十字路という意味もある。この場合の十字路とは交通の要所というだけでなく人の集まる場所という意味も含まれているわ』


 絶対近くにいるわね、それ。


『イオスが自分で解決しろと言った意味もわかるわね』


 これも良い勉強になるってわけか。ヘカテーはトリウィアとしての側面を強調して力を悟られないようにしているって事よね。


『それでも気付いている者達はいるわ。特別な覚視を持つアンジュや邪神との戦いで様々な力に触れたミユキなんかがそうね。それから未来ミユキやルーシィ達から記憶を抜き取ったシイナも当然知っている筈よ』


 シーちゃんには聞かないよ。未来の情報は極力知らないようにする方針は変えるつもり無いし。今のお姉ちゃんに聞くのもなんだかインチキっぽい。イオスが自分でやってみろと言ったんだからそんなカンニングしたらダメだよね。


『ならアンジュに聞いてみる?』


 それも無しで。コツくらいなら聞いてみても良いかもだけど。


『やめておきなさい。あの子は感覚で視ているんだもの。参考にはならないわ』


 凄まじい才能だよね。改めて考えてみても。


『そうね。だからアルカが目指すべきはルネルの方よ』


 ルネルも知っていたのかも。久々につきっきりで修行付けてもらおっか。


『覚視を育て上げれば痕跡を認識する事は出来る筈よ。隠蔽を解く事も不可能ではないわ』


 けど相手は魔術の神なんだもんね。生半可じゃ見破れないんだろうなぁ。


『そうよ。なにせニクスが見抜けない程だもの。別系統の力を使っているとはいえ、相当な腕を持っているのも間違いないわ』


 とにかくやってみましょう。けどその前にもう少しだけ状況を落ち着かせておきましょう。気になって修行に集中出来ないだろうし。




 一旦魔神達にも部屋を用意して待機をお願いし、ニクス世界に戻ってシア達の様子を見る事にした。



「おかえりなさい、アルカ」


「ただいま。こっちはどう?」


「一先ず落ち着いてくださいました」


「ごめんなさい、アルカさん」


「ううん。誤解が解けたのなら何よりよ。けどごめんね。私達にもまだ状況がよくわかっていないの。それにわかったとしても全てを説明出来るとは限らない。私達にも秘密はあるから」


「なによ。結局やましい事はあるんじゃない」


「ユニ!」


「よく言えるよね。自分だってボク達にすら内緒にしてる事があるくせに」


「……ごめんなさい。失言だったわ」


 ふふ♪ 良い子ね、三人とも。





 さて。次はセレネ達の所か。



「来たわね、アルカ」


「今回は私、ニクス、ミーシャの三人に関係するお客様よ」


「そう。順調に調査が進んでいるようで何よりね」


「ごめんなさい。危うく計画を台無しにする所だった」


「アルカ一人の責任じゃないわ。私達にも問題があった。けれど反省会は後よ。今そんな事をしている余裕は無いの」


「深層使う?」


「いいえ。人は追い詰められる程成長するものよ。失敗も経験の内。この程度ズル無しで乗り越えてみせるわ」


 流石セレネ。耳が痛い。


『アルカはすぐ頼りすぎだものね。いくらでも時間があると油断しているのは確かに悪癖よね』


 だね~。



「こちらは任せてアルカも好きにやりなさい」


「うん。わかった。ありがとう、セレネ。カノン達にもよろしく言っておいて」


「ええ。あなたも頑張りなさい」


 セレネと別れて一度自宅に転移し、ルネルを呼び寄せて深層へと潜ってきた。


『結局使うのね』


 仕方ないじゃない。私の覚視が次の段階まで到達するのにあと何年かかるかもわからないんだもの。そんな事をしている内にトリウィアの守護世界が滅んでしまったら意味がないんだから。


『隠れているだけなら誘い出す作戦を考える。なんて手もあると思うのだけど』


 隠蔽を自分から解かせるって? そう上手くいくかしら?


『アルカの悪い癖よ。自分一人でなんでも済まそうとするのは』


 一人じゃないし。ルネルに頼ってるし。というかイロハが言い出したんじゃない。


『私は一つの案を出したに過ぎないわ』


「お主ら。話しが纏まっとらんのにわしを呼び出しおったのじゃな」


「ごめんなさい。少し焦っていたわ」


「ふむ。そんな時は取り敢えず始めてしまえ。策なんぞ後から付いてくるじゃろう。それに修行は必要じゃ。どこまでいってもな」


「そうね。身体を動かしながら考えるわ」


「そうじゃ。それでいいのじゃ。いついかなる時も思考を途切れさせるな。当然集中力も切らすな。わしはこれまでそう教えてきたじゃろう」


「ええ。またお願いします。師匠」


「よかろう。特別訓練じゃ。習得するまで決して逃がしはせん。覚悟せよ」


 本気だ。ルネルは先ず最初に私を追い詰める所から始めるのだ。初めから心構えが出来ているノアちゃんに稽古付ける時なんかは違うんだけども。ちゃんと弟子の一人一人を見てくれている。だから個々に応じた修行方法を選んでくれる。


 けど今の私はずっと強くなった。一方的にボコボコにされる筈が無い。どれだけ覚視で差をつけられても出力では圧倒的に勝っているんだから。体捌きだってハルカが鍛え上げてくれた。その修行期間は既にルネルの生きてきた年月を遥かに超えている筈だ。


『どうしてわざわざフラグ立てるのよ』


 何故だかルネルに相対すると負けん気が発動するのよね。


『ルネルは本当に良い師匠だわ。弟子のモチベーション管理も完璧よね』


『アルカ様が単純過ぎるだけでは?』


『マスターは素直なのです』


『のせられすぎ』


『セキズイハンシャ』


『小春先輩ですから』

『てのひらころころ~』


『それだと別の意味になっちゃわない?』


 皆も集中して。始めるわよ。


『『『『『『『『がってん!』』』』』』』』

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