表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1420/1442

45-14.修行の成果

「驚いたぜ! アリア!」


「ふふふ♪ クレアお姉ちゃんにだって負けないわ♪ この日の為にルーちゃんの地獄の猛特訓にだって耐え抜いてきたんだから♪」


 ルーちゃん? この日の為に?



「かもん、ルーシィ」


「は~い♪ おかーさん♪」


「説明」


「アーちゃんに頼まれたの♪」


「いつから?」


「う~ん。あはは~♪」


「誤魔化さないで」


「結構前だよ~♪」


 フロルの敗北は土壇場の思いつきじゃないのかしら? それとも単に張り切っていただけ?



「アリアは何か言ってた?」


「う~ん♪ とくには♪」


 まあそう言うわよね。どっちにしたって。



「素直に楽しみなよ♪ 折角なんだからさ♪」


 そうね。すぐ気にし出すのは私の悪い癖ね。誰も慌ててないんだから素直な気持ちで観戦していればいいのよね。本当に困ったら声だってかけてくれるでしょうし。私も皆の事は信頼しているのだ。今回は何もするなと散々言われてるんだから皆を信じて見守っていましょう。



「アリアも強くなりましたね」


「そうね。本当に」


 驚く程強くなった。今もクレアと真っ向から打ち合っているし、支給されたばかりのメタモルステッキも十分に使いこなしている。


 一応アリアの方が数カ月程早くルネルに弟子入したけど、初期の頃は深層修行や「ILis」だって無かったのだ。クレアのように十年以上の実戦経験があったわけでもない。フロルのようにあらゆる師をつけて強引に育て上げられたわけでもない。元々才能には溢れていたけれど、それでも年相応の未成熟さも持ち合わせていた。


 それが今では随分と見違えたものだ。セフィ姉に勝利したのも間違いなく実力によるものだった。クレアやフロルとも互角に戦えている。この調子ならノアちゃん達の領域に上がってくるのもすぐかもしれない。



「クレアもこれで少しは焦るかしら」


「どうでしょう。あまり気にしていないかもしれません。今のクレアさんは以前と比べてもとても楽しそうですから」


 そうね。ノアちゃんとも随分と離されてしまったのに落ち込んでいる様子もないものね。最近はあまりガツガツ鍛えてなかったし。なんならエリスまで巻き込んでのんびりする時間を増やしていたくらいだし。かと言って戦うのが嫌になってしまったわけでもないのだろう。


 今のクレアの方がずっと安定している。まるでルネルみたいだ。急がば回れというやつだろうか。着実に強くなっていく道を選んだのだろうか。だからこそ今もああして心底楽しそうにアリアと打ち合っているのだろうか。



「少し寂しいです」


「ママ」


「いえ、なんでもありません。リヴィ」


「リヴィ。つよくなる」


「ふふ。そうですね。リヴィと全力で戦える日も楽しみにしています」


「うん!」


 ふふ♪




 アリアとクレアの戦いは観客たちを大いに盛り上げた。神力で作り上げた身の丈の数倍はある大剣を振り回すクレアに対し、アリアもメタモルステッキを使って変幻自在に武器を生み出して迎え撃っている。剣だけでなく槍も弓も何でもござれの多才っぷりだ。中でも棍を使う事が多いようだ。変化による質量の増加を上手く利用して自身の軽い体重を補っている。見ていて面白い戦い方だ。次の手が尽く想像を超えてくる。一瞬たりとも目が話せない。クレアのシンプルかつ派手な動きをアリアの多彩な手数が彩っている。観客達もそんな二人に魅了されている。最早帝国の行く末なんかどうでもいいかのようだ。少なくとも今この場でそんな事を気にしている観客は一人もいないだろう。



「むぅ~。アーちゃん私の戦い方と被ってる」


「あら? パトラ? どうしてここに? あなたアムルと一緒に一般席にいた筈でしょ?」


 いつの間にフロルの玉座に座ってたの? 囮の役割はどうしたの? ジャンヌ達置いて一人で来たの? それからアーちゃんってどういうこと?



「あなたアリアにも手を出したの?」


「それ言うなら手を出したのはアーちゃんの方でしょ」


 そうだけどさ。なにせ未来のアリアはルビィにまで手を出しているくらいだ。いや。でもアリアの性格的には手を出したのって逆じゃないかしら。アリアは単にその気にさせるのが上手いだけだ。自分から手を出すタイプじゃない。結局大差は無いんだけども。迫られたらなんだかんだと甘えさせちゃうのがアリアだからね。生粋のお姉ちゃん気質だから。



「だからって見境なさすぎよね」


「それはどっちが?」


「二人ともよ。いつか本当にハーレム乗っ取られるんじゃないかしら」


「一番危険なのはノア姉じゃないかな」


「一理あるわね」


「どういう意味です?」


 ノアちゃんは惚れると本気になっちゃうもの。着実に愛人も増やし続けてるし。



「最近クロエとはどう?」


「質問に質問で返さないでください。それからリヴィの前でそんな事聞かないでください」


「ママ?」


「違います」


「また?」


「違いますってば」


 なんか言い訳し始めた。



「別に私は変な意味で聞いたわけじゃないわ。ほら。クロエ達は別の席だから。私まだお祭り始まってから会ってないのよ」


「クロエよりジゼルの方が気にしていそうですね」


 その口ぶりはノアちゃんも会ってないのね。



「会わないようにしてるんです。祭りが終わるまで用心すべきです。クロエ達もこの計画の中核メンバーなのですから」


「終わったら盛大に打ち上げしましょう」


「それは楽しみですね」


「ねえ。私の話はもういいの?」


 仕方ないわね。



「なんでパトラがここにいるの?」


「お花を摘んだ帰り♪」


「素直に席に戻りなさい」


 いらんわ。そんな報告。



「いいじゃん。そろそろクライマックスだしさ。最後くらいは一緒に過ごさせてよ」


 殆どずっと一緒にいたじゃない。ここ二日は放置しちゃってたけど。



「ジャンヌが寂しがるわ」


「寂しがらせとこうぜ♪」


 この子ったら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ