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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-11.三人娘

『マスター。三人の身元についてなのですが』


 あら。シーちゃんたらついでに調べてくれたのね。


『三人共がそれぞれ別の小国の姫君でして』


 あらやっぱり?


『互いにその秘密を隠しています』


 え? 打ち明け合ってないの?


『はい。出会いも偶然でした』


 本当に物語の主人公みたいな子達ね。


『一応出身は帝国内の小国と限られてはおりますが、それでも不自然な偶然と言わざるを得ないでしょう』


 私が原因?


『いいえ。そうではないから不自然なのです』


 なるほど。


『導いた者が存在する可能性は大いにあり得ます。或いはこれこそが彼女達の運命であったのやも』


 そっか。別の時間軸でって事ね。そのキッカケは無くなっても結果は変わらないものね。


『こうして不自然な結果だけが示されると違和感を禁じえませんね』


 そうね。偽神がやったのか他の誰かの仕業かはわからないけど、何らかの作為が関わっているのは間違いないものね。


『都合の良い設定です。まるでこの複層世界と時間軸という仕組み自体が何者かの意思で生み出されたかのようです』


 それ自体はおかしな事も無いんじゃない? そもそも一つの複層世界はカオス本体の細胞みたいなものなんだからさ。そういう意味でも別の細胞の影響を受ける事自体は不自然でもないのかも。


『それではまるでがん細胞の転移です』


 過去改変って本当にそういうものなのかも。あまりにもかけ離れ過ぎてしまえば切除されてしまうのかも。


『備えねばなりません』


 備えられるかしら。理不尽に結果だけが差し込まれてしまうのに。


『諦める理由にはなりません』


 そうね。許可するわ。徹底的に調べ上げちゃって。


『イエス! マスター!』




 さて。この後はどうしたものかしら。



「「「……」」」


「取り敢えず今日はもうこのまま休みましょうか。この部屋は好きに使って構わないわ。それともお祭りに戻りたければ送るけど……いえ。やっぱりここで休みなさい。今のあなた達を放り出したり出来ないわ。それじゃあまた明日ね」


「「「……はい」」」


 あらら。すっかり沈み込んじゃった。



「後はお願いね、ルカ」


「うん。任せて」


 私は退散するとしましょう。私が側に居ても気は休まらないだろうし。




----------------------




「新しい女の気配」


「私達はもう過去の女なのかしら」


「お邪魔しています。アルカ様」


 パトラ、ジャンヌ、キッシュが何故か私のベットの上で寛いでいる。いや、これに限ってはそう思ってしまう私の方がおかしいのよね。三人的には別に離れる理由も無いんだし。昨日今日放っておいたくらいで切り替えられても悲しいし。



「シア達よ。パトラは知ってるでしょ」


「ああ。三人もこのタイミングだっけ」


「三人も連れ込んだのね」


「私もパトラもあまり接点の無い子達でしたね」


 反応が薄い。一人を除いて。



「そう言うって事は家族には加わるのね」


「ありゃ? 聞いちゃってよかったの?」


「うっかりしていたわ。パトラとキッシュもこれ以上話してはダメよ」


「はいよ~」


「承知いたしました」


「私は聞きたいわ」


「ジャンヌもダメ。未来知識は取り扱い注意よ」


「注意はするわ」


「厳禁」


「厳しいわ」


「真面目に聞いて頂戴」


「わかった。余計な詮索はしないと誓うわ」


「よろしい」


「その代わり今わかっていることを教えなさい。アルカが新しい女を引っ掛けてきたのよ。私はアルカの伴侶の一人として知る権利がある筈よ」


「ちょっとアルカ~」


「いやいや。認めてないし。ジャンヌはまだ家族に加わっただけだし。私の伴侶じゃないし」


「なんですって?」


「ふふ♪ ジャン姉の勇み足~♪」


 何その煽り。



「ジャンヌ。おこがましいですよ。アルカ様の伴侶に加わるには段階を踏む必要があるのです。あなたはまだ出会い編を消化したにすぎません」


 メタいメタい。



「何よ出会い編って。ケチケチしてないで加えなさいよ」


 雑だなぁ~。



「ジャン姉はもう少し私のだって自覚を持つべきだと思う」


「私はパトラと違って成人済みだもの。欲求を抑えるにも限界があるわ」


「うらぎりもの~」


 まあ確かにジャンヌの言う事にも一理ある。数カ月やそこらならともかく、あと七年も待てと言うのは無茶が過ぎるだろう。性欲だって三大欲求の一つだ。我慢させすぎてパトラが襲われてしまったら意味がない。



「その辺は近い内に二人で話しましょう」


「了解よ♪」


「あ! ズルい! なら私も!」


「良いわけ無いでしょ」


「私にだってそういう欲求あるんだからね!」


「おこちゃまが何言ってるのよ」


「仕方ないでしょ! 記憶あるんだから!」


 まあそうなんだけどさ。パトラもパトラで苦労しそうね。



「キッシュ姉もそうでしょ! 何か言ってやってよ!」


「私は……正直そこまで欲が強いわけではないので……」


 パトラはガツガツしすぎよね。



「とぼけたって無駄だよ! 私知ってるんだからね!」


「何の話でしょう? まさか未来の話をしようとでも? それはアルカ様に禁じられている筈では?」


「ずるい!」


 はいはい。喧嘩しない。



「それよりパトラ。カティとラーラはどうしたの?」


「今日はもう帰ったよ。仕事手伝うんだって」


 あら。カティまで。ふふ♪ それは良い変化ね♪



「ならパトラも帰りなさい。両親をあまり放っておいてはダメよ」


「え~。昨日帰ったよ~」


「毎日帰りなさい」


「そうやって私を邪魔者扱いするんだ~」


「してないわ。心配してるだけ」


「ジャン姉とキッシュ姉に先に手を出したらアルカだって許さないよ」


「何言ってるのよ。二人は先に私の伴侶に加わるのよ。パトラとの関係を認めるのはその前提があってのものよ」


「だから先にって言ってるじゃん。最初は一緒にだよ」


「そこまで待たせるのは可哀想じゃない」


「一蓮托生だよ。私が我慢するんだから二人も我慢するの。それがパトちゃんズの掟だもん」


 とんだブラック組織だ。



「そんな独裁敷いてたら反逆されちゃうわよ?」


「反逆者は徹底的に叩きのめしてわからせるもん」


 これはひどい。



「パトラがわからされる方に一票」


「任せなさい♪」


「造作もありません」


「ちょっと! 扇動しないでよ!」


 なんにせよ程々にね。

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