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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-5.報告会

「まあまあだったわね」


「ママ」


「……ごめんなさい」


 ルビィの咎めるような呼びかけでセレネがバツの悪そうな顔をしている。これじゃあどっちが母親かわからないわね。セレネの母親である私が他人事みたいに言うこっちゃないけども。さーせん。私も似たような事言ってました……。



「「たのしかった~!」」


 子供達は皆素直に楽しんでくれた。良い子。



「まぁま!」


 今度はアルルが行きたい場所を見つけたようだ。あれはお花屋さんかしら? アルルはお花が大好きだもんね♪



 ノアちゃんはデートを続ける内にすっかり立ち直ってくれた。セレネの作戦は完璧ね♪ ルビィ、リヴィ、アルルとも楽しい時間を過ごす事が出来て大満足だ♪ 明日からは他の皆とも回るとしよう♪ 計画を立てないとね♪ それぞれそんなに時間は取れないだろうから。



『その前にお話したい事が』


 じゃあ今晩はシーちゃんとの時間って事で。


『イエス! マスター!』




----------------------




「マスターと私だけの時間であった筈です」


「そんな事言ってたかしら?」


 もう。イロハったら。



「私も気になるわ」


「共有は済んでいます」


「そんな冷たい事言わないで。シイナの口から聞かせてほしいの」


 シーちゃんの顎を持ち上げて怪しく囁くイロハちゃん。


「……仕方ありませんね」


「ありがと♪」


 そのまま熱烈な口づけを交わし始めた。私を放って。



「おいこら」


「ふふ♪ また後でね♪」


「……はい」


 はいじゃないが。



「それで、シーちゃん」


「講習会を始めます」


 ここはシーちゃん船の会議室だ。講師役のシーちゃんがホワイトボードの前に立ち、私とイロハだけが席についてこの講習会に参加している。



「マグナの力についてご説明致します」


 シーちゃん達はマグナの扱う奇跡を解析し、応用する事に成功した。



「先ずはおさらいです。マスター達もよくご存知の魔力と神力、二つの力についてです」


 その二つは殆ど同じものなのよね。神力は魔力を通しづらいという特徴があるけど、使い方はだいたい似通っている。



「これがテクスチャの違いです。実は神威も原理は似たようなものなのですが、こちらは少々特殊な事情がありますので今回は説明を省かせて頂きます」


 神威とは神だけが扱える神力の上位互換みたいな力だ。基本的に魔力や神力でこれを貫く事は不可能だ。その代わりに扱いがとても難しい。私も身体に纏う以上の事は出来ていない。そもそもまともに扱えるのはイオスやラフマ、ニクスくらいだろう。マキナも力自体は持っているがその扱いには苦労している様子だ。


『本体の私も使えるわよ』


 そっか。そうだよね。でないと世界の外で戦ったりできないもんね。お姉ちゃんは邪神と戦ったあの時に習得していたのね。



「神力と魔力。これらはテクスチャを剥がしてしまえば形を失います。これがマグナの力の正体です。当然マグナだけでそんな事が出来たわけではありません」


 そこがシーちゃん達の研究成果ってわけね。



「『ILis』の侵食とは世界の張替えです。ポリゴンはそのままにテクスチャだけを差し替えているのです。仮に物体を空気に差し替えてしまえばその物は自然と消滅することでしょう。逆に空気を張り替えれば望むままに物質を生み出す事すら可能なのです」


 つまり本当に無から生み出せるわけじゃないんだね。



「これは誰にでも出来ることではありません。実は再現性の無い技術なのです」


 あら。それは勿体ないわね。対偽神用にだって使えるかもしれないのに。



「特別な権限が必要です。私達にはテクスチャに干渉する権限が与えられていません。ニクスですら同等のものは持ち合わせていないでしょう」


「イオスなら?」


「当然持っています。私達の中で最も下位の階層に手を加える権限を所有しています。ですがそれを他者に付与できるのかについては不明瞭です。少なくとも当人は回答を拒否しました」


 一応聞いてみたんだ。もし出来るんだったらもっと早く教えてくれそうだものね。



「ルネルやノルンの力も同じなのかしら?」


 ルネルは一瞬とは言え私の時間を戻して見せた。ノルンは未来の時間軸で起こった出来事を私に観せてくれた。


「あれらはいうなればバグの一種です。或いはハッキングとでも言うべきでしょうか。それぞれ全く別の技術ですが、二人が本来保有している権限以上の事象を引き起こしたのは間違いありません。そしてこれはマスター達も日常的に扱っている技術でもあるのです」


「覚視のこと?」


「そうです。これは本来アクセス権限の存在しない下層レイヤーを認識する技術です。つまりは四つ目、或いは五つ目の次元を知覚しているのです」


 それで未来視なんてことまで出来ちゃうのね。アンジュに至っては世界の壁とかもなんのそのだ。



「ルネルとマスター達では視えている光景が全くの別物なのです。私達は以前ルネルの記憶を抜き出して解析しました。しかしその記憶からは大した情報を得ることが出来ませんでした。これも当然です。私達は未だルネルと同じ領域には至っていないのですから。より深い階層の情報は認識することすら出来はしないのです」


 記憶は所詮映像データみたいなものだもんね。監視カメラの映像に紫外線や赤外線が写っていたって、それを可視化する術が無いなら視える筈もないし、そもそも映像機器がそれらを情報として残せないなら減衰してしまうのだろう。



「つまりマグナはその貴重な権限を保有しているのね」


「はい。間違いなく。そしておそらく下層域にはメインフレームが隠されています。これが高度な演算能力を実現しているのでしょう」


「それも例の神が作ったの?」


「或いは流用しているのかもしれません。神エーテルとはニクスの子世代にあたる神です。ニクス以上の権限を持っているとするなら何かしら理由がある筈です。少なくとも自身の権能だけでマグナを生み出したとは思えません」


 よっぽど別系統として上位の存在なのかしら? 確か他の系統とも混ざってるんだよね。けどニクスの子世代って時点で相当な上澄みだと思うんだけどなぁ。なにせ原初神の孫なんだし。それこそ上なんて原初神や最高神くらいしかいないんじゃないかしら?



「エーテルさんって技術屋っぽいのよね。いったいどこの系統と混ざっているのかしら?」


「おそらく一つや二つではないでしょう。マグナにはそれだけ多くの技術が用いられています」


「増々謎が深まっちゃったわけね」


「はい。未だ解明しきれないブラックボックスは数多と残されています。私達はこれからも解析を続けましょう。そしていつの日にかその全てを解き明かしてご覧に入れます」


「がんばって♪」


「イエス! マスター!」

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