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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-4.アフターフォロー

「かっこよかったわ! 二人とも!」


 帰ってきたヤチヨとヒサメを抱きしめる。今回はヒサメの勝利に終わったが、二人とも本当にギリギリ限界まで実力を出し切って見せてくれた。互いをよく知る二人だからこその試合だったとも言えるだろう。


「「えへへ~♪」」


 可愛い♪



「あれ? ノアさん棄権しちゃうんですか?」


 え? あれ? ほんとだ。なんかアナウンスしてる。



「おかしいわね。ノアちゃん朝から張り切ってたのに」


 朝どころか「ILis」で過ごしていた間も。少なくとも本人はやる気満々だった。けどどうやら直前でストップがかかったらしい。たぶんセレネかカノン辺りの判断だろう。今のノアちゃんでは計画に支障をきたしかねないと考えたようだ。これは荒れそうだなぁ……。



「取り敢えず帰ろっか」


「クレアさんの試合は良いんですか?」


「ええ。いつも通りだから。それより今はノアちゃんが気になるの」


「わかりました」


 その前にカティの両親も送り届けなくちゃね。流石にこんなところで転移するわけにもいかないし、先ずは事情を説明して観客席から移動しないと。二人もそろそろ帰らなきゃって言ってたから問題ないだろう。けど少しばかり時間がかかりそうね。こればっかりは他の子に任せるわけにもいかないし。というか今回私の周り小さい子ばっかだし。お姉ちゃんもお仕事任せちゃったからこの場にはいないしね。そもそも今のお姉ちゃんも子供姿がデフォなんだけども。とにかく動く前に一旦念話でもいれておこう。この後の動きはノアちゃんの反応次第なところもあるもんね。



『はろ~。ノアちゃん。ご機嫌いかが?』


『……』


 あっら~。悪そうね~。



『家で合流しましょう。私も用事を済ませたらすぐに戻るから』


『……はい』


 それから諸々済ませて一人で自室に戻ると、私のベットの上にこんもり小さなお山が出来ていた。



「……ノア、ちゃん?」


 小山はぴくりとも動かない。どうやら丸まって不貞腐れているらしい。


 取り敢えず横に腰掛けてゆっくりと背中を撫でてみる。



「っ!」


 ノアちゃんの丸まった背中がビクッと動いた。どうやら驚かせてしまったらしい。まさか寝ていたのかしら? そんなわけないか。考え事でもしていたのだろう。



「ノアちゃん。一緒にお祭りデート行かない?」


 いかないらしい。ふるふると首を横に振ったような気配が返ってきた。



「もう一度『ILis』に籠もる?」


 ……今度は沈黙だ。悩んでいるのかもしれない。



 はてさて。これはどうしたものかしら。ノアちゃんの気持ちもわからなくはないのだけど、元々フロルに勝つわけにもいかない事だってわかりきっていた事だ。それが強制的な棄権であろうとも致し方なしだ。ハルカとのあの激闘の後では誤魔化しようもなかったのだろう。運営の判断が間違っているとは思わない。ノアちゃん自身もきっとそれは同じだ。だからこそこうして一人でイジケているのだろう。



「ノアちゃ~ん」


「ふふ♪ やってるわね♪」


 セレネが現れた。ルビィを抱いたまま。



「っ!?」


 ノアちゃんがぱっと布団から飛び出した。幼いルビィの前でみっともない姿を見せたくはないもんね。セレネはえげつない手を使うものだ。



「今日は家族デートにしましょう。リヴィにも声を掛けてあるわ。少し時間を空けるように言ってあるけどもう直来る筈だから。今のうちに支度を済ませなさいな」


 流石のセレネでもそこは手心を加えてくれたのね。ノアちゃんはリヴィの前では他の子達以上に気を遣うものね。何せ自分の娘だもの。カッコ悪い所なんて見せたくないのだ。



「……」


 ノアちゃんはセレネにジト目を向けつつも、結局ルビィの手前なので何も言わずに身支度を始めた。



「ママ!」


 暫くするとリヴィが転移で飛び込んできた。



「はい、リヴィ。お待たせしました」


「うん♪ えへへ♪」


 嬉しそう。可愛い♪ 尻尾がブンブンだ♪ セレネに誘われて楽しみにしていたのだろう。



「あまり相手をしてあげられなくてすみません」


「ううん♪ いーの♪」


 仲良しね~♪



「あ、そうそうアルカ。あなたももう少し家族サービスしてあげなさいな。ルカやセーレ達も順番待ちしてたわよ」


 行って良いなら勿論行くともさ。セレネがこう言うって事は監視網の件もどうとでもなるのだろう。なら遅くなっちゃったけど皆ともたっぷりデートしちゃいましょう♪



 それから早速五人、もとい、六人で帝都に繰り出した。どこから聞きつけたのかアルルが突然現れたのだ。



「エリスは?」


「くれあ!」


 そっか。応援飽きちゃったかぁ。アルルだけ抜け出してきたのだろう。エリスは律儀だから。とすると今回はたまたまかな。或いは何か楽しそうな気配でも察したのかも。



「今日も食べ歩きですか?」


「小さい子達もいるし大道芸でも観に行かない?」


「サーカスなんてのもあるわよ。ルビィが観たがっているから付き合いなさい」


「?」


 本当に? 本人首傾げてるよ?



「セレネがそういうのに興味を示すなんて意外ですね」


「ルビィがって言ってるじゃない」


「みたいな~」


 空気を呼んでおねだりするルビィたん。めっちゃ可愛い。



「何か変わり種とかあったかな?」


 一回見に行ったけど普通のサーカスって感じだったと思うんだけど。それとも違うやつかな? 或いは日によって演目が変わるとか?



「ネタバレ厳禁よ」


 やっぱ自分が楽しみなんじゃん。



「取り敢えず行きましょう。アルルもいいよね?」


「うん!」


「リヴィはどうですか?」


「たのしみ!」


 よしよし♪ 満場一致ね♪



「それじゃあ♪ 出発しんこ~!」


「「「お~!」」」

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