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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
45.白猫少女と(仮)

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45-2.仲良し家族

「手も足も出なかったわ!」


 私達の下へ戻ってきたカティの第一声は意外と元気そうなものだった。けれど少しだけ目尻が赤くなっている。そして後ろに寄り添うラーラが心配そうだ。



「そんなことあるもんかい! あんたはよくやったよ!」


「お母さん!? それにお父さんまで!?」


 ふふ♪ 驚いてる驚いてる♪ サプライズ成功ね♪



「もう! アルカさん! 呼ぶなら呼ぶって言ってよ!」


 ばれてーら♪



「ありがとうございます。アルカさん」


 両親と抱き合うカティを見て一瞬で嬉しそうな表情に変わったラーラが近づいてきた。



「ごめんね、ラーラの時は呼んであげられなくて」


「いえ。わかってますから」


 ラーラの家はどうしても都合がつかなかったのよね。先日のカティとラーラの試合の映像でも届けてあげようかしら。



「次はマグナさんとセフィさんの試合ですね」


 カティ達に気を遣ったのか、ラーラはカティ達一家と離れて私の隣に腰を下ろした。



「そうね♪ ラーラはどっちが勝つと思う?」


 ラーラの手を握りながら問いかけてみる。



「えへへ♪ やっぱりマグナさんでしょうか?」


「さ~て♪ それはどうかな~♪」


 ラーラはマグナの方しか見ていないものね。それにマグナのインチキっぷりも知っている。対してセフィ姉の事は殆ど何も知らされていない。一度会って自己紹介を交わした程度の接点しかないのだ。ちょっと意地悪な質問だったかも♪



「あのマグナさんに勝てちゃうんですか?」


「ふふふ♪ 見てのお楽しみにしておきましょう♪」


「えへへ♪ アルカさん意地悪です♪」


 イチャイチャ♪



「あ! また! ラーラ姉は私のだってば!」


「ダメよパトラ。今は人前よ」


 ジャンヌがパトラの耳元で囁いた。



「何言ってんのさ。子供の可愛い嫉妬じゃない」


 自分で言うな。



「ジャン姉こそあんまり大げさにしてると怪しまれるよ? 言っとくけどカティママ達とうちの親は仲良しだからね? 二人が見た事はすぐ伝わっちゃうよ? ジャン姉は要注意人物として目を付けられちゃうかもね♪」


 などとジャンヌの耳元で囁きつつ、その頬にキスして離れるパトラ。ジャンヌはわかりやすく頬を赤らめて後ろを確認している。幸いイレーニアさん達は気付いていないようだ。



「うわ! うわ! パトラちゃん大胆!」


 ラーラの反応でバレるかもしれない。



「すっかり翻弄されていますね、ゼーレ」


「今の私はジャンヌよ、キッシュ」


「ジャンヌはそちらを選ぶのですね」


「あなたこそこんな所でノンびりしていて良いの?」


「はい。計画に支障はありません。祭りが終わるまでは居られませんが、もう数日は共にありましょう」


「そう。キッシュも悩みが晴れたようで何よりだわ。私は一度もあなたにそんな顔をさせてあげられなかったのに」


「そんな事はありません。ジャンヌ達との日々も決して悪いものではありませんでした」


「私に対する罪悪感さえなければ良かったとでも?」


「その通りです。やはりジャンヌは頼りになりますね。それでこそ我らがリーダーです」


「今のリーダーはパトラよ」


「違うよ? 私は雇用主。リーダーはキッシュ姉だよ」


 雇用主は私じゃないかしら? パトラは中間管理職辺りじゃない?



「ねえねえ、パトラちゃん。それって私は?」


「う~ん。ラーラ姉は~……」


 やばい。パトラが割と真剣に悩み始めちゃった。ラーラは不器用だからなぁ。やる気や根気は十分にあるんだけども。



「私の……」


「私の?」


「う~ん、やっぱカティ姉の……」


「カーちゃんの?」


 投げたわね。



「カティ姉のサポーターかな?」


「シイナさんやアイリスさんみたいな? 私に務まるかなぁ?」


 流石に無茶よ。そこまでは。目標を高く持つって意味では良い事だけども。それ以前にラーラって自分の不器用さに無頓着なのよね。それもこれも実はカティが気付かれないようにフォローしていたからだ。私も最初はラーラがフォロー役なのかと思っていた。実際一方通行なわけじゃない。互いにフォローしあっているのだ。ただカティの方がずっと器用だっただけで。やっぱり二人って良いコンビよね。



「安心して♪ ラーラ姉はカティ姉と一緒だから♪」


「うん♪ ありがとう♪ パトラちゃん♪」


 上手く纏めたものね。単に自分で扱いきれないだけでしょうに。なんて意地悪な事は勿論言わないとも。



「アルカ。私にだって考えてる事わかるんだよ」


 やるわね。



「お互い様じゃないかしら?」


「ふふ♪ そうだね♪」


 油断ならない子ね。



「次の試合始まるわよ」


 ほんとだ。マグナとセフィ姉が入場してきた。



「セフィ姉もすっごい人気だね」


 主にこの国の兵士達ね。随分野太い歓声だ。少し女性の声も混じってるかも? あれかな? 女騎士団長様的な? セフィ姉にもファンがついてる? なんか今日は珍しくそれっぽい鎧まで着けてるし。セフィ姉もキメッキメだ。普段のお調子者っぷりは鳴りを潜めてクールな女騎士っぽい雰囲気だ。流し目で周囲の歓声に応えている。それでまた大きな歓声が上がっている。後でからかっちゃろ♪


『やめなさい。あれも仕事よ。イメージ戦略よ』


 そうかな? そうかも?

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