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1-14.忍者の里

ノアちゃんの一族は山奥に隠れるように集落を形成していた。

実際隠れているのだろうけど。


忍者の里なの?なんか皆、黒尽くめなんだけど?



ノアちゃんの案内で、里(仮)の奥にある建物へ向かっていく。

道中立ちふさがる者達は容赦なく始末していった。


ダンジョンコアに手を出してしまった以上、

しかもそれを町を滅ぼす為に行った以上、

少なくともこの国ではこの対応は当然の事だ。


流石に首謀者以外の戦う意思の無い者まで始末して回るつもりはないが、

戦う意思のある者は今回の件に関係無かろうが気にしている場合ではない。


ここで仕留めきれなければ私達の町が滅ぼされるのだから。



「どんどん来いやぁ!」


この戦闘狂もう嫌!何あのハイテンション!

こっちとの温度差考えてよ!

さっきはああ言ったけど、こっちはノアちゃんの手前気まずいのよ!


私の心の叫びなどつゆ知らず、クレアはどんどん切り捨てていく。


私だってこの世界に転移して長い。

今更殺し殺されにとやかく言うつもりは無い。

それでも心の中では複雑な気持ちを抱えたまま

敵を風の魔法で切り刻んで進んでいく。


流石に、ノアちゃんが戦う事は認めなかった。

連れて行く代わりの条件としてこれだけは飲ませた。


それでも、私達を先導するノアちゃんを見た相手は、

「裏切り者!」と叫んで突っ込んでくる。


私はノアちゃんが少しでも傷つかない用に、

体も心も守る為に、極力相手に喋らせる間も与えず始末していく。



そうして、敵の大将の元に辿り着く。

どうやら逃げずに立ち向かう事を選んだようだ。

面倒がかからなくて良かった。


こんな仕事をしているのだから、最高ランクの冒険者とはいえ、

たった3人から逃げ出したなんて話はマズイのだろう。

まあ、ここまで来たのだから逃げようとしたところで逃がすつもりもないのだけど。


大将は明らかにこれまでの時間稼ぎ要因とは

別格の強者たちに囲まれて待ち構えていた。


「お前達は何者だ?何をしに来た?」



「クレア!あの真ん中のだけ残して!他は切り捨てて良い!」


「おうよ!」


私達は質問に答えず攻撃を加える。



次々に斬り掛かっていくクレア。

風の魔法を放ちながら自身にバフをかけて殴りかかる私。


次第に敵の数は減っていく。

強いとは言え、ノアちゃんの言った通り

大半が最初に出会った二人ほどではない。

せいぜい二人と同程度の者が数人いる程度だ。


全て片付いたところで、大将に向き直る。

この手の組織のトップなのだから、

実力も相応だろうと思っていたのだが、

そうではないらしい。


私達に敵わないと悟って逃げ出そうとしていたが、

クレアが取り押さえていた。


良かったあの狂犬にも指示に従う理性が残っていたらしい。

沢山切って満足したのかな?しないかクレアだし。



大将を拘束し、

ノアちゃんの案内で証拠も集めていく。



「これで全部?」


大将にも聞いて(脅して)一先ずその場を後にする。


帰路は、大将が捕まっているというのに

誰も近づいてくる者はいなかった。

こいつ人望無いのか?


「ここまでされては二人に立ち向かうのは無駄な事と判断したのでしょう。

ただでさえ今回多くの戦力を失いました。立て直すには相応の時間がかかります。

きっと私の元に刺客を放つ者ももういないでしょう。アルカのおかげです!」


ノアちゃんは気丈に振る舞っているが、

この光景に思う所が無いはずはない。

余計な事は考えずに早く離脱しよう。



私達はギルドに戻り、

大将と証拠を預けて後にする。


いつものように、尋問は任せよう。



なんとか無事に終わったと解散しようとしたところで、

そうは問屋が卸さなかった。




私に向き直るクレア。


「当然今回の借りは返してくれるんだよな?アルカ!」



やけに素直だと思ったらあんたまさか!


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