表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
44.白猫少女とお祭り騒ぎ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1391/1450

44-28.修行の成果

「お待たせしました」


「仕上がったみたいね」


「はい。新しい私をその目にしかと焼き付けてください」


「望むところよ。どれだけ成長したのか確かめてあげるわ」


 ノアちゃんの全身が真っ白な炎で包まれた。




----------------------




「まだ目がチカチカする……」


 これ物理的に焼き付いてない?



「♪」


 ノアちゃんは満足げだ。念願の勝利を掴み取ってホクホク顔だ。しかし困った。私は非情な宣告をせなばならない。



「残念だけどノアちゃん。"白炎猫モード"は使用禁止よ」


「え?」


「大会で使ったら観客が全員失明しちゃうわ」


「そんなぁ!?」


「せめてもう少し輝度を落とさないと」


 全身を真っ白な炎で包んだ全裸のノアちゃん(服が燃え尽きる)が縦横無尽に駆け回る最強フォームが爆誕したのだが、それを注視する者は必ず目にダメージを負うという大変に危険極まりない技となってしまった。私やハルカは平気でも一般人の前では使えまい。誰か気付かなかったのかしら。



『盲点だったわ……』


『失念していました』


『ふかく』


『ウッカリ』


 どうやらイロハ達も目を焼かれていたらしい。まったく揃いも揃って。



「目眩ましも込みなので輝度を落とすわけにはいきません」


 そうね。とっても見づらかったわ。これもノアちゃんらしさと言えなくもないわね。以前とは正反対の方向性だけど。



「なら会場の方に細工する?」


「アルカが結界を張ってください」


 やるしかないかぁ。



「それって不正を疑われるんじゃない? 結界が目の保護だけとは限らないじゃん」


 そりゃそうか。パトラ賢いわね。皆はもっと見習って。



「もしかして知っていたのですか?」


「え? ああ。ううん。知らないよ。未来のノア姉はそんな技使ってなかったもん」


 と言うより多分使えなかったのだろう。あの術は極めて高いコントロール精度が必要不可欠だ。ただの目眩ましだけではない。全身に纏った炎を絶えずエネルギーとして活用する事に重要な意味がある。炎の形をした神威みたいなものだ。


 しかも魔力や神力を問答無用で燃料として焼き尽くす性質まで持ち合わせている。外部からの魔術なんかは全てノアちゃんの推進力に変換されてしまうのだ。遠距離攻撃の類いは一切効かない。かと言って近づけば、私達が普段身に纏っている神力の衣も勝手に消費されてしまう。流石にまだ神威までは取り込めないようだが、それも今後の修行次第だろう。


 改めて恐ろしい技を作り上げたものだ。それにどうやら秘められた機能はまだまだあるっぽい。おそらく温度で敵の位置を探る機能もある筈だ。ノアちゃんのさらに成長した覚視と合わせて再び私の反応速度を越えてきた。私が気付けたのはそこまでだ。今回は完敗だった。融合組が一緒ならまた別なのだろうけど。



「いっそ黒い炎にしてみたらどうかしら?」


「扱いが難しいのです。あの白さはある意味偶然の産物なんです」


 そりゃそうか。そこが自由自在なら最初から黒くするだろうし。ノアちゃんだし。



「白い霧を出して周囲を囲うのはどうかな? そっちの制御はルチアに頼んでみたら?」


「悪くない案だけどハルカが霧を吹き飛ばしてしまったら意味が無いわ」


「そっかぁ~」


 まさかハルカに加減しろなんて言うわけにもいかないしなぁ。ただでさえ一方に助力しちゃってるのに。



「どうにかして使う方法は無いかしら」


 折角ノアちゃんが頑張ったんだもの。お披露目の機会はやっぱり大舞台こそが相応しいわよね。



「そんな気軽に手の内を晒してしまっていいのかしら?」


 まあジャンヌの疑問にも一理あるんだけどね。白炎猫モードは正真正銘ノアちゃんの切り札だ。もしもの時の為に隠しておくのも一つの手だ。普通ならその判断も間違いじゃない。



「私達は手の内を隠しているような場合じゃないの。敵は遥か格上よ。これも一つの通過点でしかない」


「敵?」


「偽神ってやつ? 私もその人の事は知らないんだよね」


 白炎猫モードがどんなに凄くたって偽神に通用するようなものじゃない。今のところ敵が強大すぎて小手先の工夫に意味があるとは思えないけど、それでも一つ一つ積み重ねていく事には意味がある。そうしていつか奴に届くだけの力を手に入れるのだ。私達にはその大前提が存在する。だからこんなところで出し惜しんでいる場合じゃない。



「なんとか方法を考えましょう」


「常時観客に回復でもかけてみる?」


「強引過ぎるでしょ……」


「ならサングラスを配るとか?」


「素直に掛けてくれる人がどれだけいるでしょうか」


「そもそも温度も問題よね。下手をすれば観客の何割かが蒸発しかねないわ」


「洒落になってないよ!?」


「物騒過ぎるわね……」


「雨でも降らせてみるのはどうでい? お師さんならお手のもんさね♪」


「風邪を引いてしまうじゃない」


「そういう問題かなぁ~」


「マグナは何か無いの? お得意の奇跡でさ」


「残念だけど私の力を遥かに越えてるよ」


「そうだ! それだ! 未来のマグ姉なら!」


「特別に許可するわ。話してみて」


「『Ilis』を使って……」


 ふむふむ。パトラの言う通りなら上手くいくかも。



「それって沢山修行しないとだよね?」


「協力するよ!」


「ノアちゃんの為よ。やりなさい」


「お願いします。マグナ」


「仕方ないわね。もう少しくらい付き合ってあげるわ」


「いいねぇ♪ 若者はやっぱこうでなくっちゃねぇ♪」


「あはは~…………はぁ……帰りたい……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ