44-27.チョロインズ
「ジャンヌ。これなんてどう?」
「う~ん。私はこっちの色が好きね」
「あ~。それも良いね~♪ さっすがジャンヌ♪ いいセンスしてるわ♪」
「あなたもね、アルカ。デザインは完璧よ♪」
「むぅ~~~!!」
「どうどう。こうなる事はわかってた筈でしょ」
「早すぎだよ! チョロすぎだよぉ!!」
「そこはほら。アルカだからさ。ジャンヌが特別チョロかったってわけでもないと思うよ」
「そんな事ないし! ジャン姉なんてチョロインだし!」
「ちょっと。さっきから大声で何言ってるのよ。全部聞こえてるわよ?」
「聞かせてるの! アルカと仲良くしてないでもっと私に構ってよ! ジャン姉は私のでしょ!」
「はいはい。そうよね。ほら、首輪もしてるじゃない」
「首輪なら私もしてるし! アルカに貰ったやつだし!」
「あなたは何を張り合ってるのよ……」
パトラが暴走中だ。相変わらず。
「もうこっちはいいからノア姉の方に戻ってあげなよ!」
「向こうは向こうで楽しくやってるわ」
おチョウさんも何時の間にか混ざってたわね。
「そんな邪険にしなくてもいいじゃない。皆で仲良くやりましょう?」
「ならキッズモード!」
「だからそれはダメだって。普通に仲良くしましょう」
「普通ってなにさ! 何が普通じゃないって言うのさ!」
ダメだ。止まりそうにない。仕方ない。一旦下がるか。
「悪いけど、ジャンヌ」
「任せておいて」
「ありがとう、お願いね。マグナ、行きましょう」
「やった♪ 私の番だね♪」
ウッキウキなマグナと二人で転移した。
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「あなた本当に子供ね」
「子供でいいし……」
「感情に振り回されるのはよくないわよ。パトラの場合は尚の事ね」
「仕方ないんだもん……」
「制御できるようになるまで訓練しましょうか。私も付き合うわ」
「生意気……私が先生なのに……」
「パトラ先生の授業も毎回楽しみにしているわ」
「丸くなりすぎだよぉ……」
私があんなに頑張っても全然だったのに。アルカがちょっと甘やかしただけですぐこれだ。
「あなたのお陰よ」
「嘘つき」
「嘘じゃないわ」
「信じないもん」
「それも仕方ないわね。私だって散々パトラを困らせてしまったものね」
「やっぱり変だよ。洗脳でもされちゃったの?」
「アルカがそんな事しないのはよく知ってるでしょ」
「急に信頼しすぎだよ。もっと粘ってよ」
「我儘ね。パトラが求めていたのもこういう私だった筈じゃない」
「私の為に変わってくれたの?」
「そう言ってるでしょ」
「リップサービスじゃなくて?」
「無くはないわね」
「むぅ~」
「一々膨れないの」
「ふふいへいいほ」
「何言ってるかわからないわ」
「むぅ! ふー!!!」
「ちょっ!? やめなさいよ。きったないわね」
「汚くないもん!」
「やっ!? ちょっ!? こら! 舐めるな!」
「こうしてやる! こうしてやる!」
「アイリスさん!」
『ごゆっくり~』
「うそぉ!?」
「ふっふっふ♪ お墨付きが出たって事だね♪」
「待ちなさい! ちょっ! やめ! 脱がすな! こら!」
「……虚しい」
「はぁ!?」
「半裸のジャン姉を見ても何にも湧いてこない」
「こんの! ……はぁ……まったくこの子は」
「……怒らないの?」
「怒ってほしかったのね。悪かったわね。気付かなくて」
「別にそんなんじゃないし」
「意味がわからないわ」
「どうせ私なんて……」
「もう。どうしろってのよ」
ジャン姉が抱きしめてくれた。律儀に大人モードで。やわやわ。
「ふへ♪」
「単純ね」
「良いんだもん」
「そうね。楽で助かるわ」
「チョロいのはジャン姉だけだし」
「そんな事言ってないじゃない」
「思ってた」
「はいはい。そうかもね」
「てきとー」
「あなたこそ真面目に考えてないでしょうに」
「いいんだも~ん」
「はいはい」
「……えへへ♪ あったかい♪」
「そうしていれば普通に可愛わね」
「メロメロになった?」
「まだまだね」
「むぅ~」
「頑張りなさい。側には居てあげるから」
「でへへ~♪」
「やっぱチョロいわね」
「むぅ~ぅ~!」
「ちゃんと喋りなさいよ」
「愛してるぜ♪」
「いっちょ前に照れてるの?」
「むぅ~~~!!」
「ふふ♪」




