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9-12.繋がり

「なんで呼んでくれなかったんですか!」



私とセレネが寝る前に今日の模擬戦の事を話していると、

ノアちゃんが心底悔しがっていた。


自分もセレネと戦ってみたいし、

私達の戦いも見ておきたかったらしい。



「ノアが卵の事ばかりで、

アルカを放っておいたからでしょ?

それでアルカに怒るなんてあんまりよ」


「うっ・・・ごめんなさい」


セレネがそう言うとあっさり引き下がった。

私が言うと大概こじれるのに流石セレネだ。


ノアちゃんもセレネには弱い。


あれ?

私が一番弱いの?



「次は私の相手をして下さい!」


「良いけど、暫くは忙しいよ?

今日はたまたまだもの」


セレネとノアちゃんの模擬戦は是非とも見ておこう。

ノアちゃんがあの強固な結界をどう破るのかは気になるところだ。

挑む以上は方法も考えているのだろうし。




「ノアちゃん。卵はどれくらいで孵るの?」


「もうすぐみたいです!

たまに動いているんですよ!」


なんだかんだ、グリアがいろいろ調べてくれた。

ノアちゃんが熱心に聞いていたところを見ている。


流石にドラゴンの卵は情報が無かったが、

一般的な卵生生物の知識について調べて考察してくれたようだ。

さすグリ。



今日もノアちゃんは卵を抱えて寝るようだ。

幸いグリアが用意してくれたこのベットは三人で寝てもスペースが余るほどだ。

卵がでかいとは言え、これくらいなら問題は無い。



けれど、ノアちゃんが寝る時に抱きついてくれなくなったのがとっても辛い。

たまにはお姉ちゃんの事も構ってくれないと拗ねちゃうぞ!



「ノアは放っておいて、

私と仲良く寝ようねアルカ!」


「セレネ酷いです・・・」


セレネの言葉に焦ったのか、

ノアちゃんは私の袖を握りしめる。

二人共可愛い。



次の日からノアちゃんがまた

私の事も気にするようになった。


ノアちゃんは自分からは私を放置するくせに、

自分が放置されるのは耐えられないのだ。

ノアちゃん可愛い。


ちょっと甘やかしすぎかしら?

でも仕方がない。

可愛くてたまらないのだから。


こんな事ばかり考えていたら、

そのうちセレネに叱られてしまいそうだ。


セレネの事も目一杯甘やかそう。


既に私よりセレネの方が頼りがいがあるけど、

まだ素直に甘えてくれるのだから!





数日後、

遂にノアちゃんVSセレネの模擬戦を行うことになった。


特別ゲストとしてルネルも観戦だ。


そういえば普段ルネルは何をしているのだろう。

わざわざエルフの国を出てついてきた割に、

普段はあまり近くにいない。


久々に人間の国を楽しんでいるのだろうか。

私達に気を使っているとかじゃなければいいのだけど。

せっかくなら一緒に楽しめる事も考えてみよう。



ノアちゃんとセレネが向かい合う。


私の合図と共に、

二人が戦いを始めようとしたところで、

二人は突然動きを止めてしまった。


なにか様子がおかしい。

相手の出方を伺っているとかじゃない。

まるで時間が止まったかのように、

二人共固まっている。



「ノアちゃん!セレネ!大丈夫!」


私は慌てて二人の間に入るが、

二人共私になんの反応も示さない。



「ノアちゃん!ノアちゃん!どうしたの!」


ノアちゃんの肩を揺すって声をかけても反応しない!


セレネはルネルが見てくれている。


私はノアちゃんの状況を集中して視て驚く。


ノアちゃんとセレネの間に力の繋がりが出来ている。


なにこれ?



突然、ルネルがセレネを抱えてどこかに転移する。


その瞬間、ノアちゃんが意識を取り戻した。

まだ呆然としているが、

どうやら無事のようだ。


またすぐにセレネを抱えたルネルが戻ってきた。

セレネも意識があるようだ。



「模擬戦は中止じゃ。

部屋に戻るぞ!」


ルネルに従って私達は部屋に移動する。



「ノアとセレネは互いを力で視る事は禁止じゃ。

極度に集中しなければこうはならんじゃろうがな」



二人はまだ状況が良くわかっていない。

私はノアちゃんとセレネに何があったのかを説明する。



「今は力を使っていませんが、

まだセレネの存在を感じます。

何かが繋がっているような感覚があります」


「私もノアと繋がってるのがわかる」



「もう手遅れじゃったか。

正直わしも良くわからんが、

お主達は見た目以上に近い存在なのじゃろう。

容姿だけの問題ではなく、存在自体がのう」


「力で相手の奥底まで視通してしまった為に、

なにやらパスが繋がったようじゃ。

気をつけよ。繋がりが深くなれば何が起こるかわからんぞ。

最悪、一つに戻ろうとするかもしれんしの」



「それは・・・どうなるの?」



「わからん。

一人の人間に統合されるのか、

対消滅するのか。

いずれにせよ良いことがあるとは思えん」




はぁ!?


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