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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
44.白猫少女とお祭り騒ぎ

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44-14.大それた野望

「ちょっと」


「あはは~」


「あははじゃありませんよ。なんですかあの爆発は。ゼーレ達は無事なんですよね?」


「まあそこは。うん。大丈夫」


 全然大丈夫じゃないけど。いやまあ、勿論ジャン姉達は無事だけども。ただ城とか諸々無事じゃないというか。向こうは向こうで大騒ぎだ。ほんとフロル姉は何考えてんだか。



「そうですか。……それで? 貴方は何故此方に?」


「ヘルガ姉を止めに来たの」


 あと諸々から逃げてきたの。見つかったら私まで牢屋に入れられる所だったし。



「キッシュです。私は」


「目的はそれなの? やり直したかったの?」


「そんな事に意味はありません。"ヘルガ"には何の得も無い事なのですから」


「だよね。じゃあなんで?」


「貴方を巻き込んだ事は申し訳なく思っています」


「答えになってないよ」


「その答えにも意味はありません」


「それは流石に勝手が過ぎるんじゃない? もう私の事は巻き込んじゃったんだからさ。私にだけは本当の事を言うべきだと思うんだけど?」


「……そうですね。貴方の仰る通りです」


「なら答えて」


「出来ません。どうか許してください。お願いします」


 やっぱりヘルガ姉は内心既に観念しているようだ。これもダメ元だろう。アイリスの言う通りになったね。つまり私が付け入る隙もある筈だ♪



「良いよ。許してあげる。別に私は怒ってるわけじゃないもん。ジャン姉と同じだよ。ただ知りたいだけ」


「……どうしてもですか?」


「キッシュ姉次第かな。これからは私の為に生きてくれるって言うなら見逃してあげるよ」


「アルカ様の真似ですか?」


「そうだよ。私も自分のハーレムを作ろうと思って。強くてニューゲームってやつ? 今の私なら色々有利だしね♪」


「……わかりました。それで償いとなるなら如何様にも」


「ちょっと違うんだけどまあいっか。どうせ私とヘルガ姉には大した接点も無かったし。言う程有利なわけでもないし。最初は弱みを握るくらいで丁度いいよね」


 そもそもヘルガ姉は私と同じ未来人だし。有利も何も無い。



「アルカ様はそのようなお考えを抱きません」


 そうかな? ちょっと美化してない?



「私の真似っ子は所詮出来損ないだもん。多少手段を選ばないくらい御愛嬌って事で♪」


「……程々になさってください」


「しっかり見張っててね♪ 頼りにしてるよ♪」


「申し訳ありませんが」


「挨拶だけしていって。その後どう動こうが止めないから。装備もしっかり整えていきなよ。今のままじゃ心もとないでしょ」


 せめてまともなメタモルステッキが必要だろう。私がアルカとシイナを説得して授けてもらおう。アルカならきっと頷いてくれる筈だ。この我儘は絶対に通ると私は知っている。私が責任を持つと言うならヘルガ姉の事も記憶を覗いたりせずに解放してくれる。その算段はある。アイリスからもお墨付きを貰ってある。だからなんの心配も要らない。



「貴方が逃がしてくれると言うのですか?」


「そう言ってるじゃん。私のものとなるなら見逃してあげるって。けど今のままじゃ心配だもん。アルカだってきっとそう言うよ。キッシュ姉が全てを隠したまま動くのは構わないからさ。せめて所属だけはハッキリさせておいてほしいな」


「……わかりました。貴方を信じます」


「ならパトラって呼んでね♪」


「はい。パトラ様」


「それは違うんじゃ……まあでもいっか。その気になってくれたみたいだし♪」


「全てを成し遂げた暁には必ず貴方様の側に戻ります」


「うん。信じてる。私のハーレム一号の席は空けておくよ」


「折角ですがゼーレに譲らせて頂きたく」


「ううん。キッシュ姉が一番だよ。ゼーレ姉は少しくらい妬かせておいた方が燃え上がるから」


 いつかアルカも私のハーレムに加えられないかな? そうなったらキッシュ姉も一番じゃなくなっちゃうね♪ まあ、そんな大それた野望は伏せておこう。私はアルカハーレムの一員だ。私の一番はいつだってアルカだ。自分のハーレムを持ったってそれは変わらない。だから本当は私だっていつジャン姉に諦められちゃうかもわからない。あんまり私のハーレムは増やさないでおこう。いっそ二人だけでいいかな。


 カティ姉とラーラ姉はどうしよっか。二人も欲しいけどあんまり欲張るとジャン姉が離れちゃうかも。結構難しい。アルカはよく何百人も、あ、いやまだ百人ちょっとか。とにかくあれだけの家族を繋ぎ止めていられるものだ。まあそこはアルカだしね。私みたいな凡人とは何もかもが違うんだし。比べても意味なんて無いよね。



「……貴方は悪趣味です」


「キッシュ姉のお陰で生まれ変わったからね♪」


「……」


 そんな目で見ないで♪ ゾクゾクしちゃう♪



「はぁ……私は選択を間違えたのでしょうか……」


「選択肢があるだけマシじゃない?」


「選択肢ならあります。この私は全てを諦めて別の時間軸に託す方法が。さすればパトラ様にではなくアルカ様に仕える事も出来たでしょう」


「そんな方法アルカが認めるわけないじゃん」


「……そうでしょうね」


 なんかちょっと落ち込んでる? 負け惜しみまで口にしちゃうくらいだし、内心かなり複雑なのだろう。



「どうか落ち込まないで、キッシュ姉」


 取り敢えず抱きしめてみた。



「……」


 およ? 思ったより効果抜群?


 キッシュ姉の方からも身体を預けてきた。何か張り詰めていたものが切れてしまったようだ。



「大丈夫。私がキッシュ姉の事を考えてあげる。ジャン姉の事も預かっておいてあげるから。安心して。もうキッシュ姉は一人じゃないから。未来から来た者同士仲良くやろう。何時でも頼ってね。秘密は話せなくても他の事なら話せるでしょ。何時でも話を聞いてあげるからね。待ってるから。ううん。待つだけじゃなくて私からも話しかけちゃう。私はキッシュ姉の事を一番に考えながら毎日過ごすね。キッシュ姉も毎日私の事を考えていつか一緒に暮らせる日を心待ちにしていてね。そうやって私達はこれから家族になっていこうね」


「……はい。パトラ」


 ふふ♪ 良かった♪



「ラーラ。私なんだかムズムズするわ」


「カーちゃん。今は黙って見ているべきだよ」


「え、ええ。わかったわ。……大丈夫? 顔真っ赤よ?」


「黙って」


「はい」


 何そのやり取り。ちょっち可愛い。やっぱり二人もハーレムに加えちゃお♪ 先ずはラーラ姉からだね♪ 本人も興味津々だし♪ カティ姉はラーラ姉に落とさせてみよっかな♪


『まったく。いい趣味してるわ』


 ありがとう♪


『褒めてないわ。それよりそろそろ引き上げるわよ。貴方は諸々釈明しなきゃいけないんだから』


 え? やっぱり私のせいって事になってるの?


『当然でしょ。城の一部が吹き飛んでしまったんですもの。しかもフロルは行方を晦ましたわ。カノンが何の説明も受けてないって怒り心頭よ』


 うへぇ……カノン姉に叱られるのはやだなぁ……。フロル姉は本当になにやってるのさ……。


『さあね。案外お祭りでも楽しんでいるんじゃないかしら』


 そもそも変装して武闘大会に出てるんでしょ?


『そうね。明日の試合の時には捕まえられるでしょうね。それまで自由を満喫するつもりなのでしょうね』


 逆にそれまでは決して捕まえられないと。


『アルカが抱き寄せれば一発よ』


 そうしないって事はアルカもグルなんだね。


『カノンの怒りも推し量れるわね』


 そう? もう天元突破してて量れなくない?


『噴火が始まる前に出頭しなさい。でないとキッシュとの約束も守れなくなるわよ』


 そりゃマズい! すぐ行こう!

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