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9-10.反応

「わ~!!これ何の卵なの!」



ノアちゃんが抱える卵を見て、

セレネが大興奮していた。



「ドラゴンの卵です。

触ってみますか?」


「良いの!」



ノアちゃんに許可されて

卵を撫でるセレネ。


まるで妊婦さんのお腹を撫でているようだ。




すっかり二人共卵に夢中だ。


ノアちゃんはまだ親ドラゴンを殺した罪悪感と

私から言われた事が気になっているようで、

表情は優れない。


けれど、セレネには気付かれないよう頑張っているようだ。

なんとか微笑みを浮かべようとしている。


セレネもノアちゃんの異変には気づいているようだけど、

何も言わずにはしゃいでいる。



昔のセレネなら本気で気付かないか、

気にせず質問するかしていたのに、

随分と成長したものだ。

教会という一組織をまとめるには必要だったのだろう。





「馬鹿な事をしおって。

わしの弟子どもはどいつもこいつも・・・

ノアはもう少し思慮深いと思っておったのじゃがな」


私は?



ルネルは不機嫌だ。

けれど止めたりはしないようだ。

愚痴をこぼすだけで部屋から出ていった。





グリアも興味が無いようだ。

こっちは意外かもしれない。

ドラゴンの卵なんて珍しいだろうに。


「問題は起こしてくれるなよ」


私に念押して部屋から出ていった。


私だけなの?





ノアちゃんとセレネを眺めていると、

セレネがどこからか用意した布を二人で卵に巻き付けていく。

温めるつもりのようだ。


爬虫類の卵の育て方ってそれであってるの?


私も育てた事なんて無いから知らない。

グリアにでも聞いておけばよかった。

知らなくても調べてくれるだろう。


まあ、ドラゴンの育て方なんて書物にも載ってないか。




「ノアちゃん。名前も考えておいたら?」


「そうですね!

名前は大事ですからしっかり考えます!」


「じゃあ、たまごちゃんね!」


セレネ?



「何言ってるんですか!

これから孵るんです!

卵のままなわけがないでしょう!」


「親は緑色のドラゴンでした。

きっとこの子もそうなるでしょう。

なので、フォレストはどうでしょう!

響きもかっこいいです!」


ノアちゃん?



「ええ~!

そんなの全然可愛くないよ!

みどりちゃんとか良いんじゃない!」


「嫌です!

この子は私の子です!

そんな可愛い名前つけません!

というか、またそのまんまじゃないですか!」


ノアちゃんも大概よ?



「可愛い名前の方が絶対良いわ!

その子も喜ぶはずよ!」


「そんなわけないです!

かっこいい名前が嬉しいはずです!」



なんか二人はワイワイやりはじめた。


私も一応考えておこう。

二人共あまりセンスがない・・・



別に私も言えたものではないけれど。


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