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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
43.白猫少女と国家運営

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43-46.認識のすり合わせ

「結局また謎が増えたわね」


『いつもの事じゃない。きっとまた忘れた頃に答えが出るわよ。もしかしたらこの時間軸のアルカやパトラだって同じ事をするかもしれないんだから』


「それは無いでしょ? 今のままならパトラちゃんのご両親は事故になんて合わないもの。あの子はきっと見過ごしたりなんてしないわ」


『それでもよ』


「他に理由があるかもって事?」


『ええ。必ずしも事故の回避が目的とは限らないわ』


「けどどっちにしても意味が無いんじゃない? 結局過去改変って自分の時間軸に影響を及ぼせるものじゃないんだし」


『単純に向こうのアルカがやらかしたのかもね。時を越えた記憶転写の技術を身に着けようとして暴発したとか。パトラはその時たまたま近くに居ただけなのかも』


 そっか。意図していない理由の可能性もあるんだもんね。


『或いは両親の生きている時間軸を生み出したかったとか。真の目的はその先にあるのかもしれないわね』


「改めて攫うって事? そんな偽神みたいな自分勝手するわけないじゃない」


『アルカが考えたとは限らないわ。お節介な神に目をつけられて、なんて可能性もあるじゃない』


 ああ。そういう感じか。けどそれ言い出すとキリが無いのよね。


『そうね。これ以上考えても意味は無いわね』


 なら切り替えましょうか。先ずはパトラちゃんの今後についてね。


『本人と両親次第ね。カーティア達と一緒に通うつもりがあるか聞いてみましょう』


 そうね。早速確認してみるわ。



『パトラちゃん、今大丈夫?』


『アルカ!』


 待ち望んでくれていたようだ。食い気味に名前を呼ぶ声が返ってきた。



『安心して。放っておくつもりは無いから。これから一緒に一つずつ問題を正していきましょう』


『ならパトラって呼んで!』


『わかったわ。パトラ』


『アルカぁ……』


 今度は打って変わって泣きそうな声だ。



『ごめんね。混乱してるよね。やっぱり直接会いましょう』


『うん!』


『今は一人?』


『そうだよ。だから抱き寄せて』


『えっと……ごめん。まだ無理なの。転移で来てもらえるかしら?』


『そんなぁ……』


 仕方ないのだ。こればかりは。私とパトラの間でも大きなズレはあるのだから。



 それから私の部屋に転移してきたパトラと一緒にすぐさま深層へ潜り込んだ。またご両親を心配させるわけにはいかない。アイリスだと深層より倍率が低いからね。


『最新版アイリスならば問題ありません。深層と同じように活用出来るかと』


 あらそうなの? と言うかそっか。メタモルステッキだけじゃなくてアイリスにも変化があったものね。擬人化に伴って諸々の性能も向上してるわけだ。


『メタモルステッキを介したオンライン通信にも対応しております』


 あら便利♪ 何時でも使えるプライベート空間ね♪ 家族全員に支給しちゃいましょう♪


『はい。それも問題無いかと。ある意味五年間の稼働実績を得たようなものですから』


『それよ。その可能性があったじゃない』


 もしかして今回の件が起こった原因の話?


『そうよ。メタモルステッキの更新が本来の目的だったのかもしれないわ。そして生み出した新たな時間軸から情報を抜き取るの。それを何度も繰り返せば……』


 その話はまた後でね。


『ええ。そうね。パトラの方はアルカに任せたわ。シイナは少し付き合いなさい』


『はい、イロハ』


 そっちもよろしくね。



「パトラ」


「アルカぁ~!」


 私に抱きついたパトラが弱った声を上げる。ソファに腰を下ろして横に座らせつつ、少しだけこちらからも抱きしめ返してみる。



「う~~~」


 パトラは遠慮する様子もなく私の胸に顔を埋めている。反して流石にこちらは少しばかり抵抗がある。やはり私からするとパトラはまだ出会ったばかりの子なのだ。



「キスして」


 え?



「いつもみたいに」


 いつもしてるの? 十三歳のパトラは?



「ごめんね。今のパトラには出来ないの」


「う~う~~~~!」


 困ったものだ。私はどう接するべきなのだろう。この子をあくまで八歳のパトラちゃんとして扱うべきなのか、十三歳のパトラとして扱うべきなのか。初対面云々は置いておいて、先ずはそこをハッキリさせるべきなのかもしれない。



「聞いて、パトラ」


「うん」


「パトラは誤解しているの」


「わかってる。説明は聞いた。この記憶は別の私のものなんだって。そっちに引っ張られたらダメなんだって。全部わかってる。アルカからしたら私は知らない子。あんなに愛し合ったのも全部違うアルカと私の記憶なの。だから求められたってアルカは困っちゃう。そんなのわかってるんだよぉ」


 あらら……。



「けど良いでしょ? アルカ小さい子好きじゃん。私なら合法でしょ? そういう事にしとこ。ね? 良いでしょ?」


「ダメだってば。あなたは八歳のパトラちゃんなの。十五歳までは手を出さないわ」


「嘘つき。私が十二の時には」


「ストップ」


「ルカ姉にだってこのくらいから」


「ストップ。ダメだってば。その話題禁止。せめて諸々話し合ってからにしましょう。他に大切な事だってあるでしょ」


「ない!」


 この子相当やってたみたいね。いきなりそんな手段で不安を解消しようとするなんて。



「シーちゃん。パトラのアイリスは年齢制限かけといて」


 イロハと話してるとこ悪いけど。


『イエス、マスター』


「そんなぁ!?」


 これこのまま放って置いたら他の子に手を出しそうよね。未来ではカティちゃんやラーラちゃんとも関係持ってそうだし。


『通報及び拘束機能も備えております』


「完璧よ、シーちゃん」


「酷すぎる!!」


 まあ、可愛そうだとは思うんだけどね。八歳のパトラちゃんは完全な被害者だからね。人生経験豊富な十三歳(推定精神年齢数十歳)の記憶を流し込まれたせいでこうなってるわけだし。



「そろそろ真面目な話をしましょう」


「私はずっと真剣だよ!?」


 だからこそ困っているのよね。いったいどうしたものかしら。

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