表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1334/1353

43-26.ご褒美デート

 私達は魔術や融合の研究に加えて、合流してきたクレア達と共に剣術の教本作りにも着手した。そうしてまた暫く忙しい日々を過ごしていると、遂にヴァガル帝国の武闘大会が始まった。



「本当に良いの?」


「ええ。今まで頑張ってくれたご褒美よ。ついでに何人か引っ掛けてきなさい。今は人手も必要よ。アルカの連れてくる娘なら心配も要らないわ。なんならダースで増やしても良いわよ」


 セレネはノリにノッてるなぁ。ご機嫌過ぎて変なこと言い出したぞい。



「勘弁してください。流石にそれはやり過ぎです」


 ノアちゃんは反対なのね。流石に十二人追加は多すぎだ。私も混乱しそうだから精々二、三人に抑えたいところだ。



「なんでもいいわ。とにかく練り歩きなさい。いっそアルカがいるってバレても構わないわ」


「え? あ、そっか。私がクレアを勇者に任命するんだもんね」


 え? という事は私もお芝居しなきゃいけないの? 何の練習もしてないよ? 他の誰かが代役を務めると思ってたから全然気にしてなかったよ?



「そちらは気にしないで。指示したタイミングで引き上げてくれればそれで十分よ。言ったでしょ。これはご褒美よ。仕事の事は考えず好きに楽しみなさい♪」


 至れり尽くせりだ。



「セレネもデートする時間はある?」


「勿論よ♪ 後で合流するわ♪」


 なるへそ。それで機嫌が良かったのね。



「先にお爺さんに挨拶に行きましょう」


「爺さんに? なんで?」


 爺さんはとっくに帰ってしまっている。私達が依頼したお仕事とハルカの修行が一段落した所で用事は済んだとあっさりここでの生活を打ち切ってしまったのだ。やはり少女ばかりの楽園は居心地が悪かったらしい。それにお店の方もそう長くは空けておけなかったのだろう。折角専属の指輪職人として誘ってあげたのに。ぷんすか。



「折角のお祭りですから♪」


 つまり誘いたいのね。あの爺さんが乗ってくるかしら? ノアちゃんの誘いなら少し覗いてみるかとはなるかも?



「ついでにギルド長もどうかしら? 二人のお守りはお姉ちゃんに任せましょう♪」


「なんでよぉ!? 折角帰ってきたのに! 小春の側に居させてよぉ!」


 凄い取り乱しようだ。イオスの修行はそんなにキツかったのかしら。



「わかったわかった♪ お姉ちゃんは私と回ろうね♪」


「小春~~! 愛してるわ~~!!」


 まるで人が変わったようだ。大丈夫? ストレス溜まってる? お~よちよち♪ いっぱい癒やしてあげるからね♪


『なんてみっともない……これが私の姿なんて……』


 お姉ちゃんCがダメージ受けてる。


『これはミユキAとBどちらなのかしら』


 そこは特定しないであげようか。



「仕方ありませんね。パパとお爺ちゃんは私に任せてください」


「え? ダメよ。ノアちゃんは私と一緒よ? 譲るわけ無いでしょ?」


「ですが護衛は必要です。アルカの関係者として拘束されかねません。それにヴァガルは二人にとって知らぬ地です。案内役は必要かと」


「なら皆で一緒に」


「ダメに決まってるでしょ。あなたその二人の前で行きずりの少女達を口説くつもりなの?」


 なんて人聞きの悪い。



「バレて構わないとは言ったけど目立てとは言ってないわ。あなたが干渉し過ぎて本来の計画プランが崩れたら台無しよ。その二人の事は諦めなさい。恩返しはまた落ち着いた時に考えなさいな」


「「は~い」」


 まあこればかりはね。今回は私達だけで楽しみましょう♪



「当然私達も」

「一緒に行って良いんだよね♪」

「アルルも!」


「勿論♪」

「ダメに決まってるでしょ。別行動よ。別行動」


「「「「え~~!!」」」」


「万が一クレアとアルカが一緒に居るってバレたらどうするのよ。変装してたってバレる時はバレるものなのよ。クレアはアンジュと一緒にいる筈なんだから。最初から危険は冒さないに越したことはないわ」


「ちぇ~。しゃ~ね~な~」


「叔母様だけ可愛そう」

「かわ~そ~」


「二人も付き合ってあげなさいな」


「「……」」


「へっ。どうせ私なんか」


 可愛そう。



「しょうがないな~♪」

「しょーがなーな~♪」


「エリス! アルル!」


 感涙までし始めちゃった。



「アルカはノアとミユキお姉ちゃんと。クレアはエリスとアルルと回るのね。他に誰か加わる時は逐一連絡を寄越しなさい。場合によってはすぐに引き上げてもらう事にもなるかもしれないわ。くれぐれも騒ぎを起こさないようにね」


「騒ぎの方からやってくるんだけどなぁ」


「ご褒美を取り消されたいのかしら?」


「ごめんなさい。大人しくしてます」


「程々になさい。致命的でさえなければ許容するわ」


「難しい事を仰る」


「上手く楽しみなさいな♪」


 セレネも楽しむ気満々ね♪ 今回はあくまでフロルやカノン達が主役だもんね。補助に徹するだけだから多少気楽でもあるのだろう。



『ほら。グズグズしてないで身支度を整えなさい』


 そう言えばイロハともデートの約束してたね。どこかで二人きりになりましょう♪


『ハルも』


『私もお願いします。アルカ様』


『私も望みます。マスター』


『なら私も。小春とデートしたいわ』


 もっちのロンさ♪ めいっぱい楽しみましょう♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ