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43-12.配色問題

『ずりぃぞ! アルカ! 降りてこ~い!』


『降りてこーい! あはは♪』


 楽しそう。二人も新しい玩具が随分と気に入ったようだ。



「二人にも専用機を作ってあげてね」


「イエス、マスター」


「そろそろ切り上げましょうか」


「「え~!」」


 ハルちゃんとツクヨミは遊び足りないようだ。



「もう少しくらい良いじゃない。この機体を動かす事は私達の特訓にも繋がるわ」


 イロハもかぁ。


 まあイロハの言っている事も正しいんだけどね。何せこのロボットったら合体以外の操作もシンクロ率が重要なんだもの。実際最初はまともに動く事すら出来なかった。シーちゃんが意図的にそう設計したらしい。



「なら少し飛んでみましょう」


「「「「がってん!」」」」


 プロトちゃん達の仕事ぶりを見て回るとしましょう。それなら一石二鳥だし。そうだ。クレアとエリスはどうしましょうか。こっちに回収出来るかしら? それとも好きにさせておく? 取り敢えず聞いてみましょう。



「「乗る!」」


 即答ね。


 二人はすぐにこちらのコックピットへと乗り移ってきた。残念ながら操縦を任せる事は出来ないけれど、この機体にはゲスト用の席も用意されていたらしい。しかもドリンクバー付き。おやつも完備の徹底ぶりだ。至れり尽くせり。



「ちょっと。なんでそこでカレーなのよ」


 あるのはおやつだけじゃなかったらしい。クレアとエリスは揃って昼食をとり始めた。あっという間にコックピット中がカレーの匂いに包まれてしまった。



「美味しいよ! アルカ様!」


 あら可愛い笑顔♪ たんとお食べ♪



「こういう時はカレーじゃなかったか?」


 イエローの話してる? だからって戦隊ロボのコックピットでカレー食べた人はいないでしょ。いないよね?



「そう言えば担当色を決めてなかったわね」


 イロハも似たようなこと考えたのかしら。



「アルカ」

「レッド」


「レッドはイロハでしょ?」


 見た目的には。



「私の髪はどちかと言うなら黒じゃない。戦隊レッドみたいな赤はサナの事でしょ」


 まあそうなんだけども。イロハはダークレッドって感じなのよね。けど黒はハルちゃんだしなぁ。



「レッドはアルカよ。イメージカラー以上に立場も重要よ」


 なんなら赤以外が主役でも……いえ、なんでもないっす。



「取り敢えずシーちゃんは白よね」


「シルバーかイエローって手もあるわ」


 難しいところだ。羽とか含めた全体的な印象は白っぽいのだけど、髪色は薄い金とも銀ともとれる淡い色だ。頭の輪っかは綺麗な金色だし。



「取り敢えず赤と黒は決まりね。けどツクヨミも黒髪に白と赤の巫女服なのよね。配色被りまくってるわね」


「元はと言えばハルが元となって生まれた私達ですから」


 そうね。フィリアスってそういうものだもんね。ハルちゃんの要素を強く受け継いだ子達程ハルちゃんに似るのは当然よね。特に力を持つイロハとツクヨミなら尚の事ね。



「そもそもこの機体の色って」


「配色は暫定のものです。何時でも変えられます」


 ですよね~。



「なあ、いっそアルカは一人にしちまえばいいんじゃね? 全員でレッドやれよ。私ブルーやるから」


「じゃあ私! 緑!」


「操縦出来るの?」


「モード変更も可能です」


 ですよね~。



「あと二人どうしよっか」


「ノアとフロルでいいんじゃねえか?」


 確かにその二人ならノリノリで参加してくれそう。



「二人は白と黄色ってところかしら」


 これで赤、青、緑、白、黄色の戦隊が出来上がったわね。



「変身アイテムも欲しいな!」


「クレアは既に持ってるじゃない」


 あのライダーチックなやつ。私の竜装真似たやつ。



「あれはちげえだろ! ロボット乗らねえやつじゃんか!」


 詳しいわね。いつの間に履修したのかしら。さてはノアちゃんね?



「つくる」

「しんスーツ」


 むしろまだ作っていなかった事に驚きだ。



「全身タイツは嫌よ?」


「まかせろ」


 大丈夫かなぁ。



「いずれ子供達向けにヒーローショーでもやりましょう。それを撮影してアルカディアで放送しましょう」


「ダメ。絶対ダメ。やるなら私抜きでやって」


「付き合いわりーぞー」


「わりーぞー♪」


「ダメよクレア。エリスが真似するでしょ」


 今日は一段とテンション高いんだから。誘われたのがよっぽど嬉しかったらしい。今度からもっとこまめに誘ってあげよう。むしろ暫くは一緒に過ごすとしましょう。それならクレアが教官役を務めてくれる事だって出来るし。



「ともかくいい加減お仕事しましょう。何時までも遊んでいたら示しがつかないわ。今日のところは二人ともそこで座っていて。今から真面目にやるから」


「それこそヒーロー番組作ったらいいんじゃねえか? セレネだって喜ぶぜ?」


 うぐ……。確かにそうかもだけど……。


 けど初っ端からヒーロー番組はなぁ。国営放送くらいはあっても良さそうだけど、あんまり変なことすると周囲から洗脳しているなんて言われかねないし。その辺は後でセレネ達とも相談してからにしなきゃだ。また会議に参加させてもらいましょう。決定したらその時は改めて撮影用チームを選定しましょう。もちろん私は抜きで。監督役も必要だからね。



「一度相談してみるから許可が降りたらお願いね」


「おう♪ 任せとけ♪」


「任せとけぇ~♪」


 可愛い。エリスの可愛さを広めるための看板番組も別で用意しましょう。絶対。

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