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9-6.言い訳

案の定、夜中に起きたノアちゃん。



起きると両腕を私とセレネに抱えられて身動きが取れなかったらしい。

お手洗いに行きたくなって、

仕方なく私を起こしたようだ。


セレネは忙しいから起こしたく無かったのだろう。


私はノアちゃんだけベット脇に転移させる。


ノアちゃんが戻ってきた時に入りやすいように、

代わりにノアちゃんのいた真ん中に移動する。


すぐにセレネが私の腕を掴んできた。

まだ寝ているようだ。

セレネ可愛い。


ノアちゃんが戻ってきて布団に入るが、

やっぱり眠れないようだ。


セレネが寝ているので

隣で話をするのも気が引ける。


我慢できなくなったノアちゃんは動きやすい服に着替え始めた。

外で体を動かしに行くようだ。


どうしよう。

セレネを一人にするのは気が引ける。

けれどノアちゃんについていきたい気持ちもある。


そんな事を悩んで悶々としている内に、

ノアちゃんは一人で部屋を出ていった。


ノアちゃんもセレネを一人にしたくなかったのかもしれない。

なら、私はこのまま眠ってしまおう。


せっかく久しぶりにこうして一緒に寝ているのに、

起きた時に一人だったら寂しいものね。


今度はセレネの寝顔を見ながら私はまた眠りについた。




「アルカ!アルカ!何時まで寝ているんですか?」


「セレネ?」


「アルカ!?怒りますよ!」


やっべ、ノアちゃんだった。

寝ぼけて間違えた。

相変わらず二人は声も似ている。


ノアちゃんはセレネ大好きなのに、

私に間違えられるとブチギレる。

怒りますよと言いつつもうプッツンしてるやつだ。



「ごめんね!

昨日あれからセレネと眠ったから、

最初に声かけてくるのはセレネかなって思ったの!

寝ぼけてただけだから!

ノアちゃんの声を聞き間違えたわけじゃないから!」


思わず必死に言い訳を並べていく。



「もういいです!

アルカはセレネに起こして欲しかったんですよね!」


「待って違うの!ノアちゃん!

ノアちゃんに起こしてもらって嬉しいの!本当よ!」


「はいはい。そうですか」


だめだ。

ノアちゃんが全然話聞いてくれてない。



「ノアちゃん朝ご飯食べた?

収納空間に良いものが!」


「もうすぐお昼です!!」


あかん・・・



「一緒に午前の訓練に行きましょう!

体を動かせば私の目もしっかり覚めるわ!」


「もう済ませました!」


そうか、今起きているという事は、

もしかしたら昨晩運動しに行ってから寝てないのか。

それはもう満足してるよね。


どないすんねん・・・



「今日はドラゴン狩りの下見に行かない?

せっかくなら、セレネに最高に美味しいのを作ってあげたいでしょ?」


「セレネの為ですもんね!」



これはもう何言ってもだめなやつだ!


おしまいだ・・・


かくなる上は!



「本当にすみませんでした!

どうか許して下さい!」


私はベットの上で土下座する。

こんな時は直球で謝るのが一番だ。



「・・・アルカは別に悪いことしたわけじゃないのでしょう?

寝ぼけて間違えただけなのですからそこまで謝る必要は無いはずです」



これはどっちだ!?

謝られても聞く気は無いという意味か?

それともちょっと怒りすぎたと思ってる?


この後の受け答えを間違えたらもう今日一日は機嫌を直さないだろう。


内心冷や汗をかきながら、何とか答える。



「でもノアちゃんを悲しませたのは私だから。

私は何時でもノアちゃんに笑顔でいてほしいから。

だから謝りたいの!」


「別に悲しいわけじゃ・・・」


お?ちょっと怒りが収まってるぞ!

いける!



「ごめんなさい。

ちゃんとノアちゃんの事見てるから。

ノアちゃんの事大切に思ってるから。

信じてくれる?」


「うっ・・・」



よし!いい感じだ!

これはいける!



「仕方ないですね。

私も言い過ぎました。

さあ、起きますよ!

何時までもそんな格好してないで、

早く着替えて下さい!」



なんとかノアちゃんに許してもらった。


その場しのぎで言ったことだけど、

その日は本当にドラゴン狩りに行く事になった。

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