表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1319/1355

43-11.新機動兵器

「わぁ~! かっこいい!!」


「えぇ……なぁにぃこれぇ……」


「ほ~♪ 良いじゃねえか♪ 私にも一つ貸してくれねえかな?」


「もちろん構いませんよ。既に十分な数が生産されていますから」


「やったぜ!」


「私も私も!!」


 二人はプロトちゃん(コピー)の一人に連れられて早速乗り込んでいった。人型ロボットに。



「ねえ、シーちゃん」


「はい。マスター」


「これ必要?」


「良いではないですか。プロト達のモチベーション維持に繋がるのであれば」


 つまり本来必要は無いと。だよね。ナノマシン技術の応用で直接地形だって作り変えられちゃうんだし。わざわざ重機を使う意味がない。むしろ非効率的だ。作業者達が楽しめる事だって重要だとは思うけども。



「だからってこんなに量産しなくても。ヘスティは許してくれたの?」


「ええ。むしろ喜んで知恵を貸してくださっています」


 そっちかぁ……。そっちだったかぁ……。



「これらは量産機です。性能も開拓用に特化されています」


「言っちゃあなんだけど人型である意味も無いじゃない」


 こういう事言うとお姉ちゃんとかは文句言いそうだけど。


『私は言わないわよ? 向こうの世界で成人近くまで生きたミユキにしか無い特徴だもの』


 そうかな? ミーちゃんも結構……ああそっか。ミーちゃんは早期にお姉ちゃんの記憶を貰ってたものね。その辺未来ミーちゃんとは経緯が違うのかも。



『アルカ』


 そうだった。ハルちゃんとも合流したんだった。


『ぷんすか』


「悪かったってば。もう言わない」


 ロマンが無いとは言わないわ。ただちょっと頭が痛くなっただけ。だってこれ私が外に放出したらそれだけで機械巨人の軍隊に早変わりですもの。



「その意図もあります。何時また邪神の脅威が訪れるとも限りませんから」


 なるほど。操作に慣れる為の訓練でもあるのか。宇宙戦争でも始まりそうね。あまり考えたくはないけれど確かに必要な事ではある。



「戦闘用の機体もあるの?」


「はい。兵装についても鋭意開発中です」


 余念がない。シーちゃんはシーちゃんなりに力を蓄えてくれているのだ。なら私がどうこう言うのは違うわよね。



「ところで融合は?」


『もうちょい』


「了解」


 ハルちゃんも準備を進めてくれている。なら私はただ信じて任せるだけだ。



「ハルちゃんも乗ってみたら?」


『もうのった』


 そりゃそうか。



「マスターはどうぞ指揮をお取りくださいませ」


 どうやら私専用に開発された司令官専用機もあるらしい。ふふ。専用機って言われると少しその気になっちゃうわね。近頃殺伐としすぎて忘れかけていた童心が蘇ってきたわ。




 なんだかんだと喜び勇んで専用機を呼び出してもらった。



「ねえ、これは違うわ」


 私専用機は何故か他の二倍以上の体躯を誇る巨大人型ロボットだった。量産型の人型ロボットが大体二十メートル程度なのに対し、私の専用機は四十~五十メートルくらいある。



「手足のカラーリングがバラバラなんだけど。これって出る作品違うんじゃない?」


 他がモビ◯スーツなのに、この機体だけ戦隊モノ仕様だ。



「マスターにはピッタリかと♪」


「はやく!」

「のる!」


 ハルちゃんはもう試乗済みじゃなかったの? 皆で乗るのも楽しみにしてたの?



 案の定操縦席は五つに分かれていた。当然これは私、ハルちゃん、イロハ、ツクヨミ、シーちゃんの分だろう。ヤチヨとヒサメちゃんが帰ってきたら怒るんじゃないかしら。



「二人の専用機も開発中です。合体も想定されています」


 追加戦士枠なのね。お姉ちゃんはどうしよっか。


『どうもしないわよ。興味は無いわ』


 いずれお姉ちゃん用の三機合体機体も用意しておいてもらおう。もうあるかな?



「そう言えばなんでこれ最初から合体してたの? 本当なら変形合体機構まで披露したかったのでしょう?」


「一つ問題がございます」


 シーちゃんにも解消出来ないなんて。それ物理的に不可能なやつでは?



「いえ、物理や機械的な問題ではなく操縦者の問題です」


「と言うと?」


「合体機構には特殊な制限が設けられています」


「制限って?」


「操縦者達の心が一つでなければ合体は成功しません」


 あるあるだなぁ。



「でも私達は一つ……ああ。シーちゃんがまだ融合してないからか」


「いえ、そういう意味ではなく。意識のシンクロ率を測定して基準を満たした場合にのみ合体機能が開放されるように設定されています」


「なんでまたそんな条件を? それにシーちゃんなら好きに撤回出来るでしょ?」


「ダメ」

「ぜったい」


 なるへそ。ハルちゃんの拘りか。厄介な。



「普段の特訓と同じです。先ずは練習あるのみです」


 あの力の玉を全員で動かすやつか。結構難しいのよね。まあでも今の私達ならやってやれない事はあるまい。あれからも練習は続けていたし。



「指揮を取る前に少し練習してみましょうか」


「やる!」


「イエス! マスター!」


「仕方ないわね。付き合ってあげるわ」


「ふふ♪ これもまた修行ですね♪」


 なんか普通に楽しくなってきたわね♪ ふふ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ