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9-4.いじけ猫と仲直り

「ノア。そろそろ機嫌を直して。

ごめんね。私もやりすぎたわ。

久しぶりにノアと遊べて我慢できなかったの」



「・・・セレネに虐められました」


「ノ~ア~!

お願いだから許して~」



ノアちゃんは私の膝の上でいじけている。

オセロでセレネに手も足も出なかった事が想像以上に悔しかったのだろう。

ノアちゃんは負けず嫌いだからね。


ルネルとの模擬戦みたいに明確な実力差があればこうはならないのだけど、

ちょっと前まで自分と互角だったセレネにボコボコにされたのは耐えられなかったらしい。


まあ、あの盤面見たら心が折れるのも仕方ない。

最後はセレネの選んだ白に染まってた。



久々に子供みたいな姿に笑いを堪えるのが大変だ。

今私が笑ったら、ノアちゃんは本格的に機嫌を損ねてしまうだろう。

我慢だ我慢。

ノアちゃん可愛すぎる。



「ノアちゃん。セレネが悲しんでるよ?

そろそろ仲直りしてあげよう?」


「・・・わかってるけど」


ノアちゃん久々に口調が変わってる。

想像以上に深い傷を負ってしまった。オセロで。



「じゃあ、今度は私と模擬戦しましょう!

アルカがいなければ爆発も起きないわ!

模擬戦ならノアの得意分野よ!」



セレネ?

私を爆弾魔みたいに言わないでくれない?


というかそれはあかんじゃろ。

逆撫でする系のセリフよ!



セレネの言葉を聞いて、

ノアちゃんは更に私の胸に顔を押し付けて黙り込んでしまった。


あっちゃ~



いかん、そろそろ話題を変えよう。


「セレネ。落ち着くまでこのままにしてあげましょう。

その間、私とお話してくれる?」


「・・・そうね。

このままじゃ良くないものね。

ごめんねノア。

仲直り出来るの待ってるから」



私はノアちゃんを抱えたまま、

セレネと日々のくだらないことを話す。


少しでも空気が明るくなるような楽しい話。


ノアちゃんが思わず会話に入ってきたくなるような話。



しばらくすると、ノアちゃんから寝息が聞こえてきた。


私はセレネと顔を見合わせて笑い合う。

ノアちゃん可愛いね。




ノアちゃんを布団に寝かせて、

今度は私がセレネとボードゲームで遊んでいく。


私もオセロは惨敗だった。

なんだったら、ノアちゃんの事を気にしているのか、

多分手加減すらしていた。

それでも相手にはならなかった。

さすセレ。



あまりセレネが遊んだことが無さそうな物を選んでいくが、

次々に腕を上げていく。



今度、ルネルと将棋を指してもらおう。

お婆ちゃんが対戦相手募集してたよ?

私もノアちゃんもすぐに相手にならなくなったけど、

なんか一人で駒並べて遊んでるよ?


見た目は幼女だから微笑ましいけど、

お婆ちゃんがやってると思うとなんだか寂しそうに見えて複雑だ。


きっとセレネならいい相手になるね。


今度はセレネのところに居座るとか言わないかしら。





そんな事をしている内に、

ノアちゃんが起きてきた。

いつの間にか数時間経っていたようだ。


楽しい時間はあっという間だ。



「セレネ。ごめんなさい」


起きてきたノアちゃんは最初にセレネに謝った。

お昼寝してスッキリしたようだ。



「こっちこそ!

仲直りしてくれる?」


「はい!」


ノアちゃんもセレネも良かったね。



今度は三人で何をしようかと相談する。

それだけでも楽しくて仕方がない。



次は転移で隣国の王都に行く事になった。


ノアちゃんは案内すると張り切っている。

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