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42-14.修行と調査

「私はどうしよっか」


『感化されたの? 良いことね。そろそろ本腰入れて鍛えないとね。マキナ達の力ももっともっと引き出さないといけないもの』


『そういうお話ならば私もお力になれます。なにはともあれ先ずは拳をぶつけ合いましょう♪』


『のうきん』

『ダメ』

『そういうの』

『ちがう』


『そうですね。ハルの言う通りです。神の力を次のステージに押し上げるのは単純な武術や精神論で片付く話ではありません。先ずは適切な修練方法を見つけ出すべきです』


「そうは言っても具体的な方法も見当がつかないのよね。イオスも自分で見つけろみたいな感じだし」


 力を押し込むだけ押し込んで後はなるようになるみたいなノリだった。何やら仕込みもしてくれていたそうだが、それが具体的になんだったのかすら教えてもらえてはいない。



「取り敢えず瞑想でもしてみる?」


『迷走してるわね』


『でも』

『いいかも』

『せいしん』

『とういつ』

『もじどおり』


『我らの精神を統一するのですね♪』


『ならば私がバランサーを務めましょう。シンクロ率を計測し、調整が必要な箇所を指摘します』


 あら。なんか本格的になってきた。



『早速始めるわよ!』


「『『『がってん!』』』」




----------------------




「『『『……』』』」


『マスター。遅れていますよ』


「『『『……』』』」


『ツクヨミ。先行しすぎです』


「『『『……』』』」


『イロハ。気遣いすぎです。合わせる事は考えないでください。皆の心を一つとして自然と一致させるのです』


「『『『……』』』」


『ハル。真面目にやってください。イタズラなんかしている暇は無い筈です』


「『『『……』』』」


『そこまでです。一旦やめてください』


「『『『むっず!』』』」


『息ぴったりですね。修行の成果が早速現れています』


 いやいやいや。無茶だって。なんでいきなり具体的な力の制御まで始めちゃったの? ただの瞑想じゃなかったの?


 シーちゃんが私達に課した課題は、私の体内に力の玉を生み出してそれを全員で動かすというものだった。私の体内を一定のペースで動かせ続けられるように全員の意識がピッタリ重なっていないといけない。だが私の意識に皆が合わせるのは無しだ。あくまでそれぞれのペースが自然と合う必要がある。らしい。



「一つの力を皆で一緒に動かすのは無茶じゃない?」


『無茶でもなんでも必要な事です。まだまだ続けますよ』


「先ずは二人一組ずつで試すとかさ」


『意図的に合わせるわけではありませんのでそれでは意味が無いかと。重要なのは皆の心を一つにする事です。決して一発芸を身につける為にやっているわけではありません』


 シーちゃんが鬼教官モードだ。これはダメそう。



『力の玉はあくまで目安です。それそのものが重要なわけではありません。意識を囚われすぎないでください』


 それもわかるけどさ。だから意図的に合わせるんじゃ意味がないのもそうなんだろうけども。



『アルカ様♪ とにかく繰り返しましょう♪ 成果はその先にこそです♪』


 ツクヨミはこういうの好きそうだもんね。



『非効率的よ。これこそ根性論ってやつじゃない』


『けどひつよう』

『アルカのちから』

『ひとりじゃむり』


『わかってるわよ。そんな事。ほら。続き始めるわよ』


『うん』


 イロハもハルちゃんも負けず嫌いだ。ふふ♪ 私ももっと集中しなくちゃね♪



「始めてください」


「『『『がってん!』』』」




----------------------




「なるほど。そのような修行を」


「ノアちゃんもノエルと試してみたら?」


「はい。やってみます」


 二人ならあっという間かしら?



「それで成果の方は?」


「新たに三つの拠点を制圧しました」


「流石ね」


「アンジュのお陰です。クレアさんはどうされました?」


「一人で調査に行っちゃったの。その様子だとノアちゃんの方とは合流していなかったようね」


「はい。特に声もかけられませんでした」


「クレアは自分の嗅覚で探し当てるタイプだから」


『素晴らしいお力です。見通す力が無くとも正解を引き当てられる。彼女こそまさに勇者や主人公と呼ぶべきお方なのかもしれません』


「どうかしら。主人公はガラじゃないと思うけど」


「ライバルキャラも得てして先回りしているものですから」


 そうよね。物語の諸々をぶった切っていきなりラスボスの直前に現れたりもするのよね。クレアが土壇場で敵にまわらないといいのだけど。



「ニクスはどう?」


『ダメだね。見つからない。と言うよりやっぱりドワーフはいない筈だよ。少なくともその魂は途絶えてる。全て輪廻の輪に加わってるの。直近のだと五十年程前にね』


「意外と最近なのね」


 きっとそのドワーフがプラナを作ったドワーフだろう。けれどあの町の人達から話を聞いた限りもっと前の世代の人物かと思っていたのだけど。


「最後に途絶えたのは"どこで"ですか?」


『……』


「ニクス? もしかしてまだノアちゃんの質問には答えられない?」


 あくまで私が所有者だからって話は継続なのかしら?



『あ、ううん。そうじゃなくて……ノア。ビンゴかも。今から言う座標に飛んでみて』


「わかりました」


「ノアちゃん一人で行くの? クレアが戻るのを待ってからでも良いんじゃない?」


「いえ、一先ず私一人で偵察してきます」


 まあそういう事ならかえってノアちゃん一人の方が都合も良いかもだけど。



「気をつけてね」


「はい。行ってきます」

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