42-10.慌ただしい一日の終わり
「ノエルとルチアは大丈夫そう?」
『なによその質問? まさか私達が喧嘩するとでも?』
「まあぶっちゃけ」
『失敬ね。心配なんて要らないわ。ノエルもノアとして扱うだけだもの』
「それが難しいかなって」
『まだ言っているのですか? 単にアルカが私とノアを区別しているだけでは?』
「まあそうなんだけどさ。逆になんでルチアは受け入れられるの?」
『私はノアの為に存在しているからよ。ノアが望むなら叶えてあげるだけよ』
なるへそ。覚悟が決まってらっしゃる。
「クレアさん。少し体を動かしに行きましょう」
「よしきた。行こうぜ!」
さっそく慣らしを始めるようだ。
「じゃあセレネは私と……あれ?」
「セレネはプロト達を連れてショッピングに向かいました」
ああ。服でも買いに行ったのか。人として暮らさせる為に一通り揃えるつもりなのかも。
「じゃあミヤコの件を話し合いましょう」
「ミヤコは今暫く残してください」
「ダメ?」
「プロト達を配備し終えた後、改めて話し合うと致しましょう」
「は~い」
仕方ない。それも間違いなく大仕事になるものね。ミヤコはそれまで貸してあげるとしましょう。
「もしかしてやる事無くなっちゃった?」
「お手空きなら委員会の皆とお会いして頂けますか?」
「喜んで♪」
なんなら今日はあの子達にもお休みしてもらって私達も買い物デートでも行っちゃいましょう♪
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一日が終わり、帰宅したチームコレットのメンバー、コレットちゃん、マキナ、リジィ、マティ、ベーダを私の部屋に集めてみた。
ふっふっふ♪ 今から皆でパジャマパーティーだ♪
「クレアはノアちゃんに貸してあげましょう♪」
「追い出そうとしてます? させませんよ?」
あらら。
「ノア姉様。改めてお疲れさまでした。これまでお力添え頂きありがとうございます」
「はい。コレットも頑張ってください。それからまた何かあればすぐに声をかけてください。私も何時でも力を貸しますから」
「はい♪ ノア姉様♪」
ふふ♪ 良きかな良きかな。
「マスター!」
「ベーダもお疲れ様♪ こちらにいらっしゃい♪」
「はい!」
ガチガチに固まりつつも大人しく私のハグを受け入れるベーダ。まだこういう接触は慣れないみたいだ。けど焦る事はない。チームコレットの一員として同年代の子達と一緒に過ごせばすぐに追いつける筈だ。きっとベーダは私の側で甘やかすよりそっちの方が良い筈だ。どうかこの子が心穏やかに日々を過ごせますように。
「次はリジィとマティよ♪」
同じようにハグしていく。この子達はお母さんから引き離してしまったばかりだ。あまり目を離しすぎないようにしよう。コレットちゃんだけにそこまで任せるのは酷だから。本当は誰か大人も付けてあげれられると良いのだけど。
「最後はマキナ♪」
「♪♪♪」
待ってましたと飛びついてきたマキナを抱きしめる。皆にしたような優しいハグじゃなくて、思いっきり潰しちゃうくらい力を込めて頬ずりする。
特別大サービスだ。マキナはこれくらいの方が喜ぶもの♪
「ふふ♪ どうしたのお母様♪ そんなに寂しかったのかしら♪」
「寂しかったよ~♪ マキナ全然帰ってきてくれないんだもん♪ ずっと側に居てくれると思ってたのに~♪」
「あらあら。どうしましょう。困ってしまったわ」
「大丈夫♪ 本気だけど本気じゃないから♪ 皆の事お願いね♪ マキナが付いていてくれるなら安心よ♪」
「お母様ったら。酷い人だわ。そんな風に言われてしまったら選べないじゃない」
「ごめんね~♪ ふふ♪」
「ふふふ♪ もう♪ 仕方ないわね♪」
マキナとたっぷりイチャついてから二周目に突入する。そうして馬鹿騒ぎしている内に見かねた学級委員長が全員をベットの中に放り込んだ。
「流石に狭いわね」
私のベットって結構大きいんだけど。それでも十三人+一匹で寝るには無理があった。
「何故ハル達まで出てきているのですか?」
そう。何故か私の側近達までもが全員出てきているのだ。流石にルチアとノエルやカルラとフェブリはそれぞれ大人しくしているみたいだけど。
「しかもハルちゃん達大人モードだし」
ただでさえ狭いと言うに。
「コレット」
「ねぎらう」
言葉通りコレットちゃんを抱きしめている。これは単に個人的な欲望を満たしているだけな気がする。
「私はハルに付き合わされたのよ」
イロハはマティを。
「たまにはこういうのも悪くはありませんね」
ツクヨミは猫になったマキナごとリジィを。
「ベーダの件は私にも落ち度がありますので」
シーちゃんはベーダを。
それぞれに子供達を抱きしめている。私のところには余ったノアちゃんとクレアだ。解せぬ。
「不服ですか?」
「失礼なやつだぜ」
「私達は除け者みたいですよ。ヒサメ」
「ね~かなし~」
言うてもちゃっかり私の両脇固めてるじゃない。ノアちゃんとクレアは普通に上に乗ってきたけど。
「せめてヤチヨとヒサメちゃんだけでも戻らない?」
「「イヤ!」」
さようで。