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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
40.白猫少女と帝国動乱・前編

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40-38.下準備

「むぅ……」


「ハルちゃんまだ納得いかない?」


「もうちょい」

「がんば」


「そうは言ってもなぁ……。

 あと何が足りないの?」


「はなしかた」


 マティは少し方言混じりだからなぁ。

意外と難しいんだよ。真似するのは。


 ところでなんでマティだけ?

ブリジット達は普通に話してるよ?



『そもそも、そこまで完璧に真似る必要があるのかしら?』


「その心は?」


『マティのフリをするにしても、そのマティの事を相手が詳しく知らないのではないかしら?』


「まあそうかもだけど」


 会ったことは無いらしいし。とは言え向こうも見ていないとは限らない。真の黒幕はギヨルド王国の上層部だろうし、件の貴族が自らの目で確認している可能性だってある。


 言っちゃあなんだけど、こんな田舎のお嬢様を娶ろうとするくらいだ。実行役の貴族とやらは恐らく低位の者だろう。国や上位貴族からの命令に逆らえなかったか、伯爵家の乗っ取りを魅力的に感じたか。何にせよ、この件は確実にやり遂げようとするはずだ。


 その貴族は今すぐにこの家を乗っ取れるわけじゃない。あくまでこの家の当主は長男のローランだし。マティを娶った者がこの家を乗っ取れるのは、ギヨルド王国の下剋上が成功した後の話だ。


 ギヨルド王国的には皇帝の直轄領をスムーズに掌握する為の下準備なのだろう。皇帝寄りの貴族達を排除するつもりなのだ。そうして自分の手駒を置き直すはずだ。



「取り敢えず程々でいきましょう」


「むむむ」

「くおりてぃ」

「ぶそく」

「むねん」


 そんなガッカリしなくても。

ハルちゃんって妙な事だけ凝り性だよね。

それ以外は割とどうでもいいって投げ出すのに。



「なんだったらハルちゃんがやってみる?」


「やめとく」

「どうせつまんない」


 でしょうね。


『アルカの中から適当に眺めておくほうが楽しめるわよ』


 イロハが代わっても良いのよ?


『嫌よ。絶対』


 ヒサメちゃんはどう?

ちなみに断ったらヤチヨの役目になるわ。


『なんで!?』


『う~やめとく~』


 一応悩んでくれたらしい。ヒサメちゃん優しい。


『やりませんからね!?』


 まったく。ヤチヨは仕方のない子ね。


『ひどい! 最近虐めすぎですよ!』


 冗談よ。ちょっとからかっただけ。


『私がやりましょうか? マスター』


 ううん。シーちゃんは無しで。

シーちゃんは働き過ぎよ。イロハ達と眺めて楽しんでいて。


『イエス、マスター』


『この扱いの差ですよ……』


『そこは諦めなさい。

 シイナに貢献度で勝てる子なんていないわ』


『ハルとイロハ』

『ふくめても』

『あやし』


『流石にそれはありえません。

 ハルの多忙っぷりも中々です』


『イロハはお菓子の摘み食いしかしてませんけどね』


『今はもう他にやる事なんて無いじゃない』


 ありゃ? そうなの?


『アルカとハルの融合を外から制御する必要もなくなったもの。それで思い出したわ。昨日結局融合の件話し合わなかったじゃない。今から深層行きましょう。また忘れない内に済ませてしまいましょう』


『おけ』


 私が返事をする前にハルちゃんによって強制的に深層へと取り込まれてしまった。



「本当に良いのね? ハルちゃん」


「いい」

「すぐやる」

「かわらないうち」


 気が変わるかもって自分でも思ってるんじゃん。

まあいいか。どの道時間の問題だったし。


「じゃあ始めましょう」


 私に同化したイロハがハルちゃんの導きで更に深く潜り込んできた。


「そのまま」


 私の胸に触れたハルちゃんが精神体の外側からも干渉を始めた。なんか前回やったのとは違うやり方っぽい。あの時は結構な時間をかけて融合したものね。きっと今回のは未来知識も使った改良版なのだろう。


「む?」


 一瞬怪訝そうな顔をするハルちゃん。

この状況でそれされるとめっちゃ怖いんですけど……。


「おけ」


 え? もう終わり? 私はまだ何も……あれ?


「イロハ?」


 返事がない?


「ハルちゃん? イロハどこいったの?

 これ本当に大丈夫?」


「だいじょぶ」


 どういう……!?


 なに!? なにか膨れ上がった!?


『どうやら上手くいったみたいね』


「イロハ!? 大丈夫なの!?」


「ええ。問題ないわ。ふふふ♪

 凄い力ね♪ これが今のアルカなのね♪」


 分体を出力して小躍りするイロハ。

なんだか舞い上がっているようだ。


「いったい何が起こったの?」


「イロハ」

「ちっぽけ」

「だった」


「融合したら飲み込まれてしまったのよ。

 アルカが強大すぎてね」


「ちから」

「すった」


「三等分よ。私とハルとアルカで。

 別に分けたわけじゃないけどね。

 折角融合したのにそんな事したら意味ないし。

 一つで三つ。三つで一つ。

 ワン・フォー・オール。オール・フォー・ワン」


「なんとなくわかったかも?

 でもそんなこと、やる前に気付かなかったの?」


「難しいものよ。尺度が違いすぎるのだもの。

 そのくせ誰より側にいたんだもの。

 知ってはいても測りきれないものなのよ」


「これも」

「かく」

「おなじはなし」


 まあ、結果上手くいっているなら文句は無いけどさ。


「もんだいない」


「ええ♪ 完璧よ♪

 流石、ハルね♪」


「イロハはハル」

「ハルはイロハ」


「私はアルカ」

「アルカは私」


 遂には手を握りあってダンスまで踊り始めた。

最近似たようなの見たなぁ。あれはルーシィだったけど。



「最っ高の気分よ♪ ハル♪」


「ハルも」

「うれし」


「アルカも混ざりなさい♪」


 浮かれてるなぁ。


 気持ちはよくわかるけど。

と言うかこれ流し込まれてるわね。

私達には禁止していたくせに。

イロハったら。浮かれちゃって。ふふ♪

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