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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
40.白猫少女と帝国動乱・前編

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40-36.賑やか姉妹

「寝ちゃったのね」


「うん。悪いけど先に失礼するね」


「ええ。今日はありがとう。また明日」


「こちらこそ。おやすみ。トニア」


 爺さんは既に戻っているようだ。

明日また顔を出すとしよう。



 コレットちゃんを抱えて部屋に戻り、私のベットに寝かせてから自分の就寝準備を始めた。



「あるじさま」


「あら? 起こしちゃった?

 ごめんね。コレットちゃん」


「だいじょーぶです」


 半分寝ぼけているようだ。やはり疲れていたのだろう。


 ササッと自分の支度を済ませて、コレットちゃんの横に潜り込み、軽く抱きしめて背中を撫でる。



「……zzz」


 コレットちゃんは程なくして再び眠りについた。

少しだけ安心してくれたようだ。表情が和らいでいる。


 コレットちゃんが完全に眠ったのを見計らっていたのか、遅れて現れたマキナが私の横で丸くなった。



『レリアとへーちゃんは?』


 先程まで三人で集まっていた筈だ。


『二人で戻ったわ。

 あの子達も仲が良いわね』


 すっかり手がかからなくなってしまった。少し寂しい。


『今日は気を遣ってくれただけよ。

 忘れずに構ってあげて』


 そうね。二人の成長を素直に喜びましょう。


『マキナもありがとう』


『ふふ。どういたしまして』


 皆良い子たちで何よりだ。



 明日はどうしようかなぁ。


 トニアの事はノアちゃんに任せておけば問題ないだろう。トニアには悪いけど、またゆっくり話をするのは諸々落ち着いてからだ。


 爺さんとツムギの引き合わせは済んだし、研究所作りも任せてしまおうか。ニクスとグリアも一緒にやってくれるみたいだし。私が見ていなくても大丈夫だろう。


『コレットについていたいのね』


 まあそうなんだけどさ。流石にここで放り出すのは違うと思うし。


『デートの約束もしているものね』


 そうだった。そっちもあったんだった。

デートと称したお遣い任務が。


 私一人で行ってこなくちゃかな?


 いや、そんなわけにいかないか。コレットちゃんじゃないと現地の人達も納得しないだろうし。まさか勝手に解決して回るわけにもいかないし。これは皇帝陛下の名代である事にも意味があるのだから。ちゃんと宣伝してこなくちゃだ。皇帝フロルをよろしくって。


『私が代わりましょうか?

 コレットに変身して折衝役を務めればいいのでしょう?』


 う~ん。


 ううん。やっぱりコレットちゃんに任せましょう。伯爵の方もすぐには動きもないでしょうし。


『そう。必要になったら遠慮なく言ってね』


 ええ。ありがとう。マキナ。




----------------------




「おはようございます。主様」


「おはよう。早起きね。コレットちゃん」


「すみません」


「ううん。気にしないで」


 マティ達の事が気になっているのだろう。

今朝はあの子達と朝食を食べるとしよう。



 早速身支度を整えて転移すると、長女のマティルダが三女カトリーヌちゃんのお世話をしている所だった。バンザイしてお姉ちゃんに着替えさせてもらっている。可愛い。



「ねっ姉さん!?」


「おはよう。マティ。ごめんね。ノックも無しに」


 大変失礼致しました。まだだいぶ早いから寝てるかと思って直接乗り込んじゃった。



 次女のブリジットちゃんはベットの中のようだ。あの子結構肝が座ってるっぽいのよね。何か昨晩もお城の豪華な部屋にワクワクソワソワしっぱなしだったし。


 かと言って状況を理解していないわけでもないらしい。一応消沈しているマティやコレットちゃんの手前、その燥ぎっぷりを言葉にしない程度には気遣いも出来る子だ。



「あ! すぐに!」


「いいえ。起こす必要はありません。

 まだ時間もあります。ゆっくり寝かせてあげてください」


 コレットちゃんも三人の姿を見れて安心したようだ。



「マティ。よろしければ少し話をしましょう。これはただの雑談です。一先ず気軽に答えてみてください」


 カトリーヌちゃんの身支度が終わったのを見計らってコレットちゃんが声をかけた。これは少しでもリラックスさせようという気遣いだろう。


 諸々よくわかっていない様子のカトリーヌちゃんはともかく、マティは流石にまだ吹っ切れているわけでもない。だからコレットちゃんは気を紛らわせてあげたいのだろう。



「えっと。うん。いいよ。コレット」


 マティもコレットちゃんの意図は理解したようだ。覚悟を決めたような、或いは意識的に何かを吹っ切ろうとしているかのような表情で答えた。



「マティは……」


 質問しようとしたところで固まるコレットちゃん。



「考えてみたらマティの事は何でも知っているんでした。今更好きな食べ物だとか聞いても仕方ないですよね」


 アハハと空元気みたいに笑うコレットちゃん。話題が思いつかなかったらしい。



「おかしいですね。何時もなら話したい事なんていくらでも思い浮かぶのに……」


「じゃあ私から質問させてもらうわね」


 ここは助け舟を出してあげよう。



「昨晩はよく眠れたかしら?

 おふとん変わると寝づらかったりするわよね。

 ここのベットはフカフカでしょ?

 お家のと比べてどう? 快適に過ごせた?」


「えっと。うん。とっても」


「そう。良かった♪

 カトリーヌちゃんはどうかしら?」


「ふかふかー!」


「うふふ♪ そうね♪ ふかふかね♪

 ご飯は美味しかった?」


「うん!」


 可愛い。年相応の幼さって感じだ。



「何が一番美味しかった?」


「あまーの!」


「デザートかな?

 何食べたの?」


「う~とね~えっとね~……さくさく!」


「なんだろ~な~? サクサクしたお菓子といえば~?

 クッキーかなぁ~?」


「ちがーの!」


「あらら♪ じゃ~あ~」


「アマレッティね」


「むぅ! マーティー!」


 あらら。お姉ちゃんに先に言われて怒っちゃった。

私に当ててほしかったのかな? それとも自分で思い出したかった?



「アマレッティってマカロンみたいなやつだっけ?」


『材料的には似てるわね。

 親戚みたいなものよ』


 イロハが食いついてきた。



「朝ご飯の前だから少しだけね」


 収納空間からマカロンを二つ取り出してマティとカトリーヌに差し出した。



「え!? 今どこから!?」


「あーがと!」


「どういたしまして♪」


「あっ! ありがとう! っございます!」


「ふふ♪ はい♪ どうぞ召し上がれ♪」


「あー! マティ! キティ! ズルい!」


 丁度そこに次女が起きてきた。

タイミングのいい子だ。



「おはよう。ブリジット。あなたの分もあるわよ。

 こっちにいらっしゃい」


「ありがと! アルカ!」


「こら! ちゃんと挨拶せんと!」


「おはよ! アルカ!」


「ふふ♪ おはよう♪ ブリジット♪」


 一気に賑やかになってきた。



「主様。私も欲しいです」


「もちろんあげるわ♪」


 コレットちゃんも釣られて食欲が湧いてきたみたいだ。良かった良かった。



「あ、ごめん。今ので最後だったみたい。

 クッキーでもいい?」


「……構いません」


 残念そう。皆が美味しそうに食べてるからね。

コレットちゃんも食べたかったよね。


 でもおかしいなぁ。もっとあったはずなんだけどなぁ。


 イロハ食べ過ぎじゃない?


『わるかったわよ』


 別に良いけどね。また買いに行きましょう。

他にも少ないのあったら教えてね。


『全部』


 ふふ。もう。イロハったら。



「ブリジットにも愛称ってあるの?」


「ふぁふよ~」


 なんて?



「ブリジットはリジィです。

 けど皆そのままブリジットと呼びますね」


 なるほど。そういう感じか。



「ブリジットとコレットちゃんも仲は良いの?」


 マティお姉ちゃんの方に懐いているのは間違いないけど、別に仲が悪いって事もなさそうだ。



「普通です」


「私はコレット大好き。可愛いし」


 なんだろう。この感じ。



「片思い?」


「う~ん。そんな感じ?」


 聞かれてもなぁ。



「勿論アルカも好き♪

 おかわりちょ~だい♪」


 少しブリジットの事がわかってきた。


 ところでいつの間にマキナ抱えてたの? え? 布団に潜り込んでた? あかん。気付かなかった。また怒られそう。



「もう朝食の時間だからまた今度ね」


「ぶ~」


「こら! ブリジット!」


 ふふ。お姉ちゃんは大変ね。

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