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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
40.白猫少女と帝国動乱・前編

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40-22.お調子者と策略家

「うんうん♪ それでそれで♪」


「え~♪ びっくり♪ その後は~?」


「本当に!? そんな事があったの!?」



 トニアとノアちゃんはそれはもう盛り上がった。すっかり意気投合したようだ。聞き上手なトニアに乗せられてノアちゃんのお口もだいぶ緩んでいる。あまり話すべきでも無い事まで口を滑らせはじめた。そろそろ止めるべきかもしれない。



「トニアさんも一度遊びに来ませんか?」


 ノアちゃん!?



「え! 良いの!? 行く行く! 絶対行く!」


 あうち……遅かったか……。



「良いですよね? アルカ?」


 順番が違うよぉ。ノアちゃぁん。



「良いけど、その前に確認する事があるでしょ」


「そうでしたね。大切な事でした。

 私とした事がうっかりしていましたね」


 うんうん。そうだね。ノアちゃん。



「トニアさんは恋人や伴侶などはいらっしゃいますか?」


 ノアちゃん?



「え? いないよ?

 私もアルカ一筋よん♪」


 冗談かガチかわからないやつだぁ……。


『『ガチでしょ』』


 そうかなぁ。そうかもなぁ。


『あわよくばと思っているのは間違いありませんね。

 中々強かですよ。この方』


『ヤチヨみた~い~』


 なるほど。ヤチヨ系。


『そこで納得されるのはあれですが。

 まあ参考になったのなら良しとしましょう』


 寛大だなぁ~。


『小春先輩が本調子じゃありませんから。

 今こそ好感度の稼ぎ時です』


 ほんと、いい性格してるよね。

わざわざそれを伝えてくるあたりとか。


『先輩も私の事を理解していてくれて何よりです』


 最初はこんな感じじゃなかったんだけど。猫かぶってた?


『猫はノアとマキナだけで十分です。

 単に興味が薄かっただけですよ』


 ハッキリと言うものだ。


『逆に今はゾッコンだという証になるじゃないですか』


 まあそうだよね。普通はそうだよね。

人って段階を踏んで誰かを好きになるものだよね。


『一目惚れだって決しておかしな事ではありません。

 先輩が一番それを理解しているはずでしょう?』


 まあそうなんだけどさ。


『かく言う私も先輩の血の味に心まで掴まれました』


 衝撃の新事実。でもないかぁ……。

確かにあの辺りだったなぁ。ヤチヨが好意を示してきたの。


『見えない所で育った想いだからと気後れするのですか? そんなの先輩らしくないです。据え膳は食べちゃえば良いじゃないですか。それとも彼女は歳が行き過ぎていますか? 単純に守備範囲じゃないんですか?』


 いや別にそういうわけじゃ……。


『小春先輩は根本的に小心者ですよね。散々好き勝手しておいて時たま常識に縛られるのです。振り回される者達の気持ちも考えてほしいものですね』


 なんかお説教が始まった……。

好感度稼ぐんじゃなかったの?


『あまりに見ていられなかったのでつい。

 まあでも、これは愛故のお説教ですから。

 きっと先輩なら良いように受け取ってくださるはずです』


 ほんと。調子の良いことで。


 まあでも、ありがとう。

確かに少し怖気付いていたわ。

こんなの私らしくないわよね。


 うん。良いでしょう。

私も話を聞いてみる事にしましょう。



「「アルカ?」」


「あ、えっと。ごめん。なんだっけ?」


「もう。お母様ったら。

 また脳内会議かんがえごとに集中してらしたねの」


「ごめんて。それで?」


「トニアさんをお誘いしましょう」


「うん。いいよ」


 少し家に招いてゆっくり話をしてみよう。出来れば帝都の案内もお願いしたいし、暫く身柄を確保しておけるならこちらとしても都合が良い。それ以上の事は追々だ。



「本当に!? まさかいきなり家族になれるなんて♪」


「え?」


 お客さんとして招くって話してたんじゃなかったっけ?


『私との会話に気を取られすぎですね。

 すっかり抜け落ちてるじゃないですか』


 あうち……。そう言えばそんな話だったぁ……。

ノアちゃんが急に恋人の有無とか聞き始めたのよね……。

やっぱそういう流れだよね……。


 いやいや。もう気後れするのはやめよう。

先ずは向き合おう。トニアのこれまでと想いに。

だから話を聞いてみなくちゃ。



「家族云々は追々ね。

 先ずはお客様として歓迎するわ」


「まあそうよね。そんな都合の良い話はないわよね」


 ノアちゃん何言ったの?



「トニアにお願いしたい事があるの。

 力を貸してくれないかしら?」


「ええ。勿論。喜んで。

 それ次第って事よね♪」


 別にそういうわけでもないけど。まあでも、話が早くてなによりだ。私と違って積極的に人と関わりながら旅をしてきたトニアの経験は役立つはずだ。


 それにどうやら帝都でも暫く暮らしていたみたいだ。こうして馴染の店があるくらいには詳しいらしい。私達には帝都の現状を少しでも多く知りたい事情がある。トニアの頑張り次第でカノンやセレネが認めてくれる可能性は高いだろう。結果的にトニアの希望も叶うはずだ。



「そういうの良くないと思います」


 もう。ノアちゃんのせいでしょ。



『話を聞いていなかった小春先輩のせいでは?』


 うぐっ……。ソウデスネー……。


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