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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
40.白猫少女と帝国動乱・前編

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40-21.重い想い

「ふふ♪ ノアちゃんって面白い子なのね♪」


 どうやらトニアは大人な対応で流す事にしたようだ。幼い少女が大好きな姉を取られそうになってムキになっているとでも思ったのかもしれない。



「良かったら今からお茶でもどうかしら? ノアちゃんの知ってるアルカの事を教えてほしいの。私もギルドで教えてもらえる事とか各地の噂とかは集めてたんだけど、ここ最近はパッタリ途絶えてたから。ずっと気になっていたの」


 えっと? ストーカーさんですか?

まさか私の情報を追って世界中を巡ってたの?



「ヴァガルは来てないみたいだったから望み薄だったけど、まさか本人と会えるなんて本当に驚いたわ♪」


 ほんと。不思議な偶然もあるものだ。

レリアはもう干渉してないはずなのに。

まさか偽神の差し金?



『ハルちゃんや』


『のーこめ』


 未来情報は教えてくれないようだ。

まあ気軽に聞くのは何か違うか。



「そんなに会いたかったのであればギルドに言付けを頼めば良かったのでは?」


「最初の頃は何度も迷ったわ。けれどアルカに会うのに相応しい力を付けてからじゃないとって思っていたから。それで私がSランクになった時には、今度はギルドとアルカがあんまり仲良くないって話だったんだもの。そこで迷惑はかけたくなかったの。既にピレウスにも居ないみたいだったし、こうして偶然出会えるのを願って旅を続けていたのよ」


 え? そんな事まで知ってるの?

この様子だとピレウスの自宅まで特定されてそう。

電話もネットも無い世界でよくやるわね。



「良いでしょう。お話しましょう。

 私とアルカの出会いからこれまでの事を」


 え? 全部?

なんでちょっと興味持ってるの?



「ありがとう♪ ノアちゃん♪

 早速行きましょう! 良い店を知ってるの♪」


 ノアちゃんの手を握って元気に歩き出すトニア。

どうやらトニアの方もノアちゃんの事が気に入ったようだ。



「お母様。置いていかれてしまうわよ」


「そうだね。行こっか。マキナ」


 ノアちゃんが人質に取られては仕方あるまい。

ここは大人しくついていこう。



「ノアお母様好みの方ね」


「そうかな? そうかも?」


 まあ私と対等になったら会いに来ようと決めて、本当にSランクにまで上り詰めた上で、自身の願いより私への気遣いを優先してくれたのだ。確かにノアちゃんが好きなタイプだろう。



「マキナはどう思う?」


「お誘いしてみたらどうかしら?

 心強い仲間になってくれるのではなくて?」


 家族に迎えたらどうかと提案するほど気に入ったと。

私以外も大概チョロいと思うなぁ。うちの家族は。



「お母様ったら。あまりピンときていないご様子ね。なら武闘大会に参加していただいたらどうかしら? そこで優勝したら家族に誘うの。元々フロルの部下になる予定ですもの。少しくらい距離が近くても良いんじゃないかしら?」


 まあそう考えると時間の問題な気もしてきた。なんだかまるで何か強い運命にで引き寄せられているかのようだ。



「ノアちゃん次第って事で」


「ふふ♪ 珍しく戸惑ってるのね」


「私はトニアに大した事なんてしていないもの。実際完全に忘れてたくらいだし。だって言うのに、トニアは私の事ばかり考えて生きてきたみたい」


 どうしてもその温度差が奇妙に映ってしまう。



「きっとこの世界にはそんな子達がまだ何人もいるの。

 お母様は何人も誑かして人生を狂わせてきたの」


「いやぁ~……あんまり考えたくないわねぇ~……」


 別に私だって無作為に伴侶を増やしたいわけじゃない。けど今の私は一度でも関わってしまえばきっと手放せない。


 既にルート分岐は終わっているのだろう。他に回収していないフラグも沢山残っているのだろう。過去の自分の行いが原因だと言われても実感など湧くはずもない。


 けど現実は迫ってくる。こうしてトニアと再会したように、また次も同じことがあるのかもしれない。


 ほんと、どうしたものかしら……。

開き直って全部囲い込んでもいいのかなぁ。


 来るもの拒まずで良いのかなぁ。

去る者は追っちゃうのに?

きりが無いんじゃない?



『今更何を悩んでるのよ。らしくないわね』


『ノアのこと』

『いえない』


 ちょっと衝撃が大きすぎたのよ。



『セレネだって同じじゃない。幼い頃に恋い焦がれたアルカに再会したいと願って動いてくれたんじゃない』


 まあ確かにそう言われると似てるけども。



「お母様ったら。また内緒話してるのね」


「あ! ごめん! マキナ!」


「シクシク。お母様は私よりイロハ達の方が大切なんだわ」


「いや! それは! その!

 誰の方がとかは無くてね!」



「ふふ♪ 冗談よ♪ お母様♪」


 マキナの泣き真似はあんまり見たくないんだよなぁ。

別に真に迫ってるとかってわけでもないんだけど……。



「あら。本当に困らせてしまったみたいね。

 ごめんなさい。お母様。少しいたずらが過ぎたわ。

 後でお仕置きしてくださるかしら?」


「え? まさかハルちゃん的な?」


「ふふ♪ それもとっても魅力的ね♪」


 ちょっとぉ!? ハルちゃぁん!?

マキナに何植え付けたのぉ!?



『しあわせ』


 他のにしてあげて!



「お母様」


「あっ! いや! ちがくて!」


「お仕置きが必要なのはお母様の方ではないかしら」


「ごめんなさぁい!」



『マキナもマキナで面倒くさいわね』


『これはイロハの要素では?』


『私かもしれませんよ?』


『ないよ~ヤチヨ~なかまはずれ~』


『うぐっ……ヒサメだって同じじゃないですか』


『ヤチヨもヒサメもマキナには何も混ぜていませんからね』


『しゃあない』

『きゃぱおーばー』

『かつかつだった』


『無理やり詰め込みすぎたものね。

 今思うと無茶したものだわ』


『まあだからこそ上位の神へと至れたのでしょう』


『けっかおーらい』


『今は内面の話をしているのよ』


『それこそ気にする必要はありません。マキナはまだまだこれからです。経験を積んでいけば、何れはより個性的な性質も獲得するはずです』


『それもそうね。

 そこは我らがアルカに任せましょう』


『なら私も口出しします。今からでも遅くありません』


『ヒサメも~』


『好きになさい。

 あの子は皆の娘なんだから』


『程々にしてください。

 悪影響を及ぼすようなら排除します』


『わかれた』

『きょういくほうしん』


『面倒なパパとママですね』


『どっちが~?』


『さあ?』

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