40-6.一日目
「セレネはノアちゃんと組むことにしたのね」
「ルビィはエルヴィに取られたわ」
あらら。最近はあまり一緒に居られなかったものね。
新しく日中のお世話係になったエルヴィに懐いたのだろう。
「お世話を任せておいてそんな言い方はいけませんよ。
と言うか、単に自分がイチャイチャしたいから今回も任せただけでしょう?」
「ダメよ、ノアちゃん。
そう言うノアちゃんこそ、リヴィとマキナはどうしたのよ?」
「うぐっ……」
だから言っちゃダメだよ。わかってても指摘しないであげてよ。大丈夫だよ。セレネだって一時間もすればルビィの所に戻れるんだから。ノアちゃんもすぐにリヴィの下へ帰してあげるから。まあ、本人は子供達同士で集まるのを選ぶかもだけど。これも仕方ないね。皆あっちこっちに好きな相手がいるんだもの。常に自分とだけっていうのも難しいものだ。
ところでルチアとアウラはやっぱり二人で組むのかしら?
組分けは聞いてないのよね。あぶれる娘とか居ないよね?
まあ、そんなこんなで深層での修行がスタートした。
最初はノアちゃんとセレネだ。結局五日間をアイリスの中で過ごす事になった。初っ端から飛ばしてるなぁ。まあ、もっと長引く可能性も想定してたから、セレネにしては我慢した方だけども。
ところで私、いつ修行するの?
まあ、私の修行はハルカがやってくれるんだけどさ。
別に良いのか。ひたすら家族サービスしてても。
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「次はニクスね!」
順当ね!
伴侶位階トップスリーはノアちゃん、セレネ、ニクスだし!
ニクスの相方はアムルだ。
これまた想定通りでもある。
「お手柔らかにお願いします……」
早くもアムルの顔が赤くなっている。
いったい何を想像していたのかしら?
「ニクスと一緒に来たって事は良いのよね?」
「加減してあげてよ。
と言うか私に集中して」
「ダメです! ニクス!
それはズルいです!」
ふっふっふ♪
安心するがいい! 纏めて可愛がっちゃるぜ!
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三組目はアリアとルカだった。
「少し意外だわ。アリアはルイザと組むと思ってた」
「次はそうするわ!」
なるほど。やっぱ二巡目は組分け変えるんだ。
「させない。アリアはルカの」
シスコン妹がメラメラ燃えている。
逃がすつもりは無いようだ。
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四組目はレーネとセシル。
「セーレは良いの?」
「リヴィと意気投合したようです」
なるほど。次はその組み合わせなのか。
ルーシィとでもないのは想定外すぎるぜ。
あれかな?
流石に私がセーレに手を出すわけ無いからかな?
伴侶組とそれ以外で組まないと、イチャイチャに制限がかかるからね。まあ、セシルもまだ伴侶じゃないんだけど。一応既に経験はあるからね。問題あるまい。
逆にリヴィはどうするんだろう?
セーレの手前、少し我慢するのかな?
出来るかな? リヴィも割と旺盛な方だよ?
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五組目はリヴィとセーレ。
「あーか!!」
「アルカ!!」
赤ちゃんズが飛びついてきた。ぐへへ。かわええのう。
まあ、リヴィはもう赤ちゃんって感じはしないけど。
先日少し成長したからね。私と契約した時に。
セーレは逆に見た目四歳児だけど、実年齢四ヶ月だから見た目以上に喋り方も中身も幼い。
そんな二人との時間はなんか普通に全力で遊び倒しただけだった。リヴィからイチャイチャを迫ってくる事もなく。珍しい。
まあリヴィは気遣いさんだからね。
そこら辺は一緒にいる相手に応じてなのだろう。
二巡目はうんと可愛がってあげよう。
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六組目はカノンとスミレだ。
ここも順当って感じね。
「今何日目?」
「えっと……さあ?」
たぶん半月は過ぎてるかな?
本来なら、まだ六日目のはずなんだけども。
でもほら。あくまでゲームの中の時間だから。
大丈夫♪ 大丈夫♪
結局カノン達とも三日間を共にした。
カノンもいい加減我慢の限界だったらしい。
その為の抜け穴だったのだろう。
ふふ♪ 可愛い♪
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七組目はお姉ちゃんとミーちゃん。
ちょっと意外だけど、まあそれ以外無いかって感じもする。
「ぐっふっふ♪ ダブルお姉ちゃん♪」
「小春。顔がダラシないわよ」
「いったい何をされてしまうのかしら?」
さてどうやって楽しみましょうか。
ぐふふ♪ 経験豊富なお姉ちゃんと一緒に初なお姉ちゃんを可愛がるのも良いかもしれないネ♪
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八組目はサナとラピスだ。
ここもちょっと意外。サナはステラと組むと思ってたし。
ステラはフロルに取られたかな? でも、フロルにはコレットちゃんもいるのよね。なら普通にツムギ?
ラピスもここで出てきたって事は、ルイザはどうなっているのかしら? 他に組む相手居なくない?
まあ、たまには仲良し姉妹で遊びたかったのだろう。なんならナノハも呼んであげればよかったかな? 三巡目以降は、三人組も可にしてみたらどうか提案してみようかしら。
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九組目はナノハとチグサだ。
仲良し研究班の二人だね。
「アルカはん」
あれ? チグサちゃんお怒り?
「なんで最近会いに来てくれへんの?」
「…………ママ。ひどい」
え? 毎日分体は……ああ。そっか。
チグサの所に行ってるのはハルカに任せた分か。
ごめん。すっかり忘れてた。
「ごめんね! チグサ! ナノハ!」
ガバっと抱きしめると、二人共素直に受け止めてくれた。
意外にも、チグサとナノハが初の七日間到達者となった。
今度からもっと定期的に会いに行ってあげよう。絶対。
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十組目。深層生活一日目の最後の一組。
そこに現れたのは、ルチアとアウラの二人だった。
「「待ってたわ! この時を!」」
なんかすっごい燃えてる。
「「覚悟しなさい! 今一度思い出させてあげるわ!」」
ちょっと逃げたくなってきた。
「「さあ! 行くわよ! アルカ!」」
お手柔らかに~。
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「お疲れ様です。
ようやく一日目が終わりましたね」
「本当にね……何だかんだ、一月かかったよ……」
皆普通に延長してくるんだもん。
一組一日までとはなんだったのか。
「そのペースでは全部終わるまでに三十年かかりますね」
流石に勘弁して欲しい……。
大半はゲームの中の時間とはいえ……。
ほぼほぼイチャイチャしてるだけとはいえ……。
「まあ、一巡目だけでしょう。皆が暴走してしまうのも。
次からはもう少し加減してくれるはずです。たぶん」
どうかなぁ。一部暴走しそうな娘もいるんだよなぁ。
セレネとかセレネとかセレネとかノアちゃんとか。
「それはそうと、今晩は私と過ごしてください」
抜け駆けかい? 普通に嬉しいけども。
「リヴィはいいの?」
「どうやらセーレを気に入ったようです」
ノアちゃん寂しそう。なるほど。取られちゃったのか。それで私を誘いに来たのか。セレネはルビィの所に行っちゃっただろうし。ルチアとアウラもあの様子では二人で延長戦してるだろうし。ニクスもアムルと一緒かな? マキナはイオスと早速何やら忙しくしているみたいだし。
「じゃあ行こっか。ノアちゃん」
「はい!」
まさかノアちゃんがあぶれるとは思わなかった。
まあ、それだけ皆仲良しだという事でもあるもんね。
良い事だね。うんうん。




