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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
39.白猫少女と王国騒動

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39-21.苦手分野

「そもそも仲直りじゃないよね。

 仲良かった事なんて一度も無いんだし」


「揚げ足取ってる暇があったら真面目に考えて下さい」


 ノアたん厳しい。



「無茶だよ~」


「む~た~よ~」


 セーレたん可愛い。



「ルーシィとセーレは席を外して下さい。

 今は真面目な会議の最中です」


「でもこういう話なら私役に立つんじゃない?」


 確かに。コミュ強のルーシィならチョチョイのちょいかもしれない。セーレも側にいてくれれば癒やされる事間違いなしだ。



「そういう事は一つでも案を出してから言って下さい」


「え~じゃあね~。

 変身させてみたらどう?

 幼い少女ならおかーさんすぐメロメロになるでしょ?」


 ならないよ? 何言ってるの?

ノアちゃんもなんでちょっと感心してるの?

その手があったかみたいな顔しないでくれる?



「ハル、アルカの認識を弄れますか?」


『よゆう』


「やだよ! やめてよ!?

 何おっかない相談してるの!?」


「やーよ!!! きゃっきゃ♪」


 セーレが突然全力で叫んだ。

フロルとステラが一瞬ビクリと肩を震わせる。



「ぷっ」


 そんなそっくりな二人の姿に思わず笑いが吹き出した。



「おい。アルカ。

 今わらわの事を笑ったな?」


 流石は皇帝陛下。目敏い。



「ごめんなさい。別に悪気があったわけじゃないの。

 フロルとステラって殆ど一緒に居たことなんて無いはずなのにそっくりだったから。それが可愛らしくてついね」


「ふん!」


 どうやらこれ以上問い詰めるつもりはないようだ。

ステラとそっくりと言われて嬉しかったのだろう。

ふふ♪ やっぱりフロルも可愛いわね♪



「う~! あーか!」


 おっと。こっちの姫君がご立腹だ。

私が他の女の子にばかり見とれていたのが気に入らないらしい。ふふ♪ なんて可愛いんでしょう♪



「は~い♪ セーレ♪」


「きゃっきゃ♪ きゃはっ♪」


 セーレを持ち上げて再び頬ずりをキメる。

ああ。良い匂い♪ 癒やされる~♪



「アルカ真剣にやって下さい」


「ノアちゃんが変なこと言い出したんじゃない」


「言い出したのはルーシィです」


「え~! ノア姉が案出せって言ったんじゃん!」


「ルーシィの提案は否決されました。

 潔くセーレを連れて退室して下さい」


「「ぶーぶー!」」


 仲良し。こよし。



 何だかんだ言いながら、結局ルーシィはセーレを抱き上げて行ってしまった。どうやら遊園地で遊ぶつもりらしい。流石にセーレにはまだ早くない? まあ良いけど。別に身長制限とかは設けてないし。



「ああ。私の癒やしが……」


「私達では不服だと?」


「かもん、ノアちゃん」


 素直に膝に座ってくれるノアちゃん。

やさしい。



「何処触ってるんですか。

 そういうのは後にして下さい。

 全部終わったら今晩もご褒美あげますから」


「ぶーぶー」


「怒りますよ」


「ごめんなさい」


 ちくせう。

ちょっと尻尾の付け根触っただけなのに。

次は耳咥えちゃろうかしら。



「フロルは何か良い案をお持ちですか?」


「無いぞ。そんなもの」


 バッサリいったわね。



「そもそも個人間の仲の良し悪しなんぞ関係あるまい。

 此度の件は両国の運営に関わる事柄だ。個人的な感情で大局を見誤るなど、愚か以外に表しようがないぞ」


 これは私だけでなく王妃にも言ってるのよね。要するに程度が低すぎて付き合いきれないと言いたいのだろう。


 ほんと容赦ない。流石は皇帝陛下。



「姉様。どうかそのような物言いはおやめ下さい。

 王妃様は我らの恩人です」


「うむ。だから最大限に気を遣っておるだろう」


 遣ってたっけ?



「とは言えそれが出来るのは私個人の話だ。

 ヴァガル皇帝として判断を誤るわけにはいかんのだ。

 私はそういう意味でアルカの側に付くぞ。

 例えムスペルと敵対してでもな」


 まあそうよね。

個人的に王妃より私を優先してくれるわけじゃないのよね。

わかってたけどさ……。ちょっと嬉しかったのになぁ……。



「だからと言って敵対を仄めかすのはやりすぎです」


「そうだな。確かに面と向かって告げるのは少々大人気なかった。だが許せ。私も面白くはないのだ。サンドラ王妃が恩人であるように、アルカもまた恩人だ。私の下へと妹を連れてきてくれたのだ。そのアルカをああもあからさまに疎んじられては腹も立つ」


「フロル!」


「一々嬉しそうにするでない。

 別にお主の為にああ言ったわけではないのだ」


 も~! わかってるってばぁ♪

フロルは素直じゃないんだからぁ♪



『ついさっきガッカリして……いえ。何でもないわ』


『イロハ』

『いいこ』


『遂に成長したのですね。

 感無量です』


『ヤチヨ~ちょうしにのる~ダメ~』


『何故私だけ?』


『イロハ~おかあさん~』


『まあ私とヒサメにとってはそう言えなくもないですが』


『ヒサメ~おねえちゃん~』


『呼びませんよ?

 ヒサメはヒサメですよ?』


『ぶ~ぶ~』


 なんか感染してる。

これも流行るのかしら?



「とにかく先ずはアルカが大人な対応を心がけて下さい。

 何れ王妃様も意地を張ることは無くなるはずです」


「そんな時間掛かる方法で良いの?」


「よくはないですが、他に名案も無いようですから」


「ノアちゃんちょっと人任せ過ぎない?

 自分から言いだしたんだから案の一つくらいは出すべきじゃない?」


「アルカがそれ言います?」


 それはそう。



「だが、今回ばかりはアルカの言う通りであろう。

 ルーシィだったか? あの者にも似たような事を言ったではないか」


「ならばルーシィの案でいきましょう。

 アルカにだけ王妃様の姿が幼子に見えるよう、ハルに認識を書き換えてもらいましょう」


「ダメだってば!

 なんでそんな恐ろしい発想出てきたの!?

 なんか変なアニメ観てない!?」


「まあそんな所です。

 これで私は意見を出しました。

 次はアルカの番ですよ。さっさと答えて下さい」


「話の投げ方が雑すぎよ!

 ノアちゃんも大してやる気ないんでしょ!」


「ありませんよ。そんなもの。

 必要だから済ませようとしているだけです。

 私だってフロルと同じ気持ちです。

 アルカが邪険にされて楽しいわけないじゃないですか」


 あうち……。そうだよね……。

あかん。自分の事でいっぱいになりすぎてたわ。

もっと皆の気持ちも考えるべきだった。

このままじゃ本当にマズいわね。

やっぱり真剣に話し合うべきかもしれない。


 私はどうやったらあの人と仲良くなれるのだろう。

仮にそれが不可能だとしても、表面上だけでも友好的な関係を築く必要があるのだ。それ自体は特段珍しい事でもない。人間、生きていればそんな時はいくらでもあるんだから。


 とは言えだ。

珍しくないからって慣れているわけでもない。

特にこんな多くの人達を巻き込みかねない状況だもの。

慎重に落とし所を探る必要がある。


 この際軟着陸でも構わない。

墜落だけはしないように頑張らねば。


 いや、そうは言ってもなんだけどさ。

ほんと、どうしたものだろうか……。

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