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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
39.白猫少女と王国騒動

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39-14.仲良し母娘

「何で私まで……」


 王妃の横に立つツムギがボヤいた。



「親孝行だとでも思って付き合いなさい」


「小春は意地が悪いわ」


「はいはい。文句は後でいくらでも聞いてあげるから」


 王妃&ツムギ vs 私の決闘が始まった。

今回も何故か玉座の間が舞台だ。観客は王族達だけだけど。


 私は魔力で生み出した棍を使い、二人の振るう剣を捌いていく。文字通りの真剣勝負だ。私だけ剣じゃないけど。


 まああれだ。ダース◯ールみたいなものだ。

ク◯イガンとオビ◯ンもア◯キンの事で喧嘩してたしね。きっと二人もこの戦いが終わったら仲直り出来るだろう。


 いやダメかそれじゃ。最後あれだし。



「ほら、ツムギ。脇が甘いわよ」


「この!」


 稽古をつけるように指摘を加えると、既にだいぶ頭に血が上っていたツムギもすぐに怒りを爆発させた。



「母様! 遅いわ! 足引っ張らないでよ!」


「あなたこそ! なんですかその剣は!

 雑念が混じりすぎです! 少しは成長したかと思いましたが買いかぶりだったようですね!」


 目論見通り二人の喧嘩が始まった。

まあ、攻撃対象は変わらず私なんだけども。


 当然そっちも目論見通りだ。

直接の決闘だと後を引くだろうからね。

二人の気が済むまで私が相手をしてあげよう。



「よく言うわ! 私に負けたくせに!」


「今のあなたにならば負ける気はしません!」


「はいはい。二人とも。相手は私よ。

 そこだけは間違えないでね」


「「うるさい!」」


 あらら。



「大体小春は手を出さないって言っていたじゃない!

 なんで結局出てきちゃうのよ!」


「これがただの親子喧嘩に成り下がったからよ。

 とっくに国の問題でもなんでもないもの」


「知ったような事を!

 あなたは何様のつもりですか!」


「お義母様の娘嫁よ」


「その呼び方はおやめなさい!

 私は認めていません!!」


「母様の許可なんて要らないわ!

 国王とうさまが認めてるんだもの!

 小春はこの国の英雄よ!

 母様がどんな難癖つけたって変わらないわ!」


「ダメよ、ツムギ。そんな言い方したら。

 お義母様と仲良くしたいんでしょ。

 だから私達も協力したのよ」


「だいたいさっきから何ですか!

 私の娘はベアトリスです! ツムギではありません!」


「はいはい。後で全部説明してあげるから。

 それより二人とももっと手を動かして。

 そんなんじゃ私には勝てないわよ」


「「このっ!!」」


 段々と二人の息が合ってきた。

実力が近いからね。それにツムギは王妃を超えるために鍛えたのだ。当然王妃の動きもよく知っている。今のツムギなら合わせる事も造作もないはずだ。



「はいはい。いっちに、いっちに。

 そうそう。良い調子」


「「黙れ!!」」


『流石に挑発しすぎよ。

 それじゃあ意味ないでしょ』


 そう?

もう徹底的に出し尽くしたら良いんじゃない?



『アルカと王妃が修復不可能になったら本末転倒じゃない』


 それはそう。


 けど加減が難しいなぁ。



『必要ないわ。もう後は黙って手を動かせば十分よ』


 がってん。



 イロハの言った通り、私が口を閉ざしてからもツムギと王妃の言い争いは続いた。私はそれを聞き流しながら、黙々と二人の剣を捌き続けた。



「母様のわからずや!!」


「何故わからぬのです!

 あなたの為を思えばこそだと!」


「そんな事わかってるわよ!!

 だからって私の言葉無視してたら意味ないじゃない!」


「必要ありません!

 あなたは私の言葉に従えば良いのです!

 私があなたを幸せにしてみせます!

 このような不届き者に託す必要はありません!」


「母様こそ何もわかってないじゃない!

 私が選んだ相手よ! 私が押しかけたのよ!

 八つ当たりはやめてよ!

 もっとハッキリ言えばいいじゃない!

 自分が寂しいから側にいろって!」


 なんかちょっとカップルみたいな会話内容ね。

この母娘、意外と仲良いのかしら。



 でもあれね。

流石にちょっと辛くなってきたわね。

なんか至近距離で痴話喧嘩聞かされてる気分だし。


 これ何時まで続くのかしら。

二人ともまだまだ元気いっぱいみたいだ。

大声上げながら剣を振り続けるのは結構体力使うだろうに。



『自分で決めたんでしょ。

 文句言わずに続けなさい』


 もちろんやるけどさ。


 そうだ!

イロハは中から愛を囁いて!

そうすれば相殺されるかも!


『嫌よ。結びついたらどうするのよ』


 今後イロハから愛を囁かれる度に二人の喧嘩が脳裏に過るかもってこと?


 まあ確かにそれは嫌ね。

仕方ない。余計なこと考えないで続けよう。

無心になるのだ。私は今からトレーニングマシーンだ。

ひたすら二人の剣を弾き続けるのだ。


 シーちゃんにそういうの出してもらえばよくない?



『アルカ』


 はい。すみません。黙って手を動かします。

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