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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
39.白猫少女と王国騒動

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39-12.奔放な王様

「陛下。そろそろステラの下へ帰りましょう。

 もうじき夕食の時間です」


「むぅ……」


 フロルはすっかり遊園地が気に入ってしまったようだ。

名残惜しそうにコースターの座席にしがみついている。



「これで最後だからね」


「うむ!」


 可愛い。



 私がフロルの隣に座ると、コースターがひとりでに動き出した。以前はロボットの係員が付いていたのだけど、今日は居ないようだ。あのストライキ事件でシーちゃんの怒りを買って廃棄されてしまったのだろうか。ちょっと怖くて聞けない。



「きゃぁ~~~~~~!!!!」


 悲鳴まで可愛い。

今晩部屋に連れ帰っちゃダメかしら。



『ツムギのこと忘れてない?』


 あ……。

ちょっとゆっくりしすぎたわね……。



『問題ありません。マスター。

 状況に変化はありません』


 あ、やっぱり?

ならまあ良いよね。そのまま続けてもらいましょう。



「それじゃ行きましょう。フロル」


「うむ。わらわは満足じゃ」


「また連れてきてあげるからね」


「うむ!」


 ステラとノアちゃんと合流しよう。

今日の夕食はあのホテルで済ませるとしよう。




----------------------




「結局殆ど遊園地で過ごしていたのですか?」


「そうなの。街の案内はまた今度にするわ」


「程々にして下さいよ。

 ステラから取り上げてどうするんですか」


「ごめん……そうだよね……」


「いいえ。姉様が楽しそうで何よりです」


「うむ! 次はエステルも共をするのじゃ!」


「はい。姉様」


「なんなら二人で遊園地デートしてきたらどうです?

 ナイターも悪くないですよ」


「ダメよ、ノアちゃん。

 私まだフロルと一緒に居たいわ」


「アルカ」


「はい……ごめんなさい……」


「なんじゃ?

 皆で共に行けばよいのではないのか?」


「ノアは私達に気を遣っているのですよ。姉様」


「気にするでない!

 わらわが許す! お主も共をせよ!」


「フロル。一つ言っておきますが、ここの王はアルカです。

 アルカの態度は単なる悪ふざけです。そこだけは誤解の無いようお願いします」


「ノアちゃん、そんな言い方」


「アルカは黙っていて下さい」


 ノアちゃん……。



「そうか……そうだな。

 わらわは捕虜のようなものなのだな」


「そこまでは言いません。

 ただ、似たようなものではあるのでしょう。

 あなたの自由はアルカによって与えられたものですから」


「ならば何が望みだ?」


「最初に言ったでしょ。私達の家族になってください。関係性は何でも構いません。ステラの側に居てあげてください。

 アルカの求婚に対しては好きにして構いません。当然突っぱねても問題はありません。それで邪険にするような事はあり得ません。万が一アルカがそんな事をしたなら私達が叱ります。フロルの意向に反してしつこく付き纏ったなら、私達が止めてあげます。

 ただどんな関係を選ぶにせよ、自分で考えて答えを出してください。先ずはそれからです。かと言って難しく考える必要はありません。元より関係なんてものは時と共に変わっていくものなのですから」


「うむ。そうか……。

 ならば、アルカ、殿の意向に従うとしよう」


「呼び捨てで構いません。

 似たようなものというだけで、本当に捕虜としているわけではないのですから。必要以上に畏まってはアルカも嫌がります」


「うむ。承知した」


「結構です。

 改めて歓迎します。フロル」


「うっうむ」


 照れてる。可愛ゆい。



「それで私の意向に従うって事はお嫁さん入りって事で?」


「ダメですよ。アルカ。

 そこは要審議です。

 順番を間違えてはいけません」


「はい。セレネ達に相談します」


「よろしい」


「そもそも姉様は、アルカ様にどのような感情を抱いておられるのですか?」


「愉快」


「それ褒めてる?」


「うむ。今日は楽しませてもらった」


「伴侶入りはまだまだ先のようですね。

 流石に感情的になんの引っ掛かりも無さそうな相手を迎え入れるのは認められません」


「すまんな」


「がぁ~ん……振られた……ヨヨヨ……」


「姉様。アルカ様はですね」


「ステラ。その話、今は止めてください。

 せめて二人きりになってからにしてください」


「承知致しました」


「え? なに?

 どゆこと?」


「ステラはアルカの魅力を語ろうとしたのです。

 アルカの願いを叶えるために。フロルに売り込もうとしたのです」


「ステラ! ありがとう! 嬉しいわ!」


「ちょっと、アルカ。

 そこで喜ぶの変じゃないです?

 ステラだってアルカの伴侶なのです。

 もっと独占欲を抱いて欲しいとは思わないのです?」


「それはそうなんだけど、今更すぎない?」


「開き直らないでください」


 ノアちゃんはたまに面倒くさい。

いや、おかしいのは私の方なんだろうけども。



「この浮気者め。

 我が妹を大切にせんか」


「はい……ごめんなさい……」


「そこで謝らないでください。アルカ様。

 アルカ様は間違いなく私を大切にしてくださっています。

 どうか自信をお持ちになってください」


「うん! そうだよね!」


「ダメですよ。ステラ。

 アルカを甘やかさないでください」


「ノアは厳しすぎです。

 王は多少奔放なくらいで丁度良いのです」


「それはムスペルの影響ですか?

 あまりあの国の王族は参考にすべきではないのでは?」


「ダメよ、ノアちゃん。そういう事言ったら」


 気持ちはわかるけど。



「そうですね。言葉が過ぎました」


「やはり姫様はまだ?」


「ええ。変わらずのようです」


「そうですか……」


「何ぞ問題か?」


「ええ。そうなの。

 実はムスペルでね……」

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