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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-50.七十八人目

 計画はこうだ。


 先ずはシーちゃんがナノマシン製の肉体を生み出す。

次にハルちゃんがダンジョンコアでフィリアスの一部、魂と存在の基幹部分だけを生み出し、シーちゃんが作ったナノマシンの肉体に融合させる。



 どうしてもこの行程は必要なようだ。

本来命を生み出すには様々な条件が絡んでくるのだ。



 シーちゃんの時は、元から肉体と人格があった。

足りないのは魂だけだった。


 考えてみると、イオスがシーちゃんの存在を一つの命として認識していないようなのは、私との繋がりが強すぎるからなのかもしれない。正確な定義としては、実は分体の一種に近いのかも。


 もちろん私は、シーちゃんを一個人として認識している。

この考えは誰がなんと言おうとも変えるつもりはない。

だからイオスにもわざわざ真意を問いただす必要はない。



 ハルカの時は、千年の時間を要した。

私の分体とイロハが生み出した意識は、長い時をかけて一つの命へと昇華した。これはイオスもお墨付きをくれている。

都合が良いかもしれないが、ハルカの件ではその言葉を素直に受け止めよう。


 それにシーちゃんも時間さえかければ同じなのかもしれない。もう千年待ってみれば答えが出るはずだ。重ね重ね都合が良いとは思うが、そういうポジティブな捉え方なら採用するのもやぶさかではない。




 何にせよ、ダンジョンコアはやっぱりインチキだ。

私達が苦労して成し遂げてきた事も一瞬で実現してくれる。

もはや神の領域の力だ。どうりで人間では持て余すはずだ。




 そして意識と知識はハルちゃんが植え付ける、ハルシード(仮称)が元になる。


 とはいえ、これだけではハルちゃんの分体になりかねない。だから意識にはシーちゃんも手を加える事になる。



「ねえ、意識の部分はイロハも手を加えたらどう?

 ハルカを生み出した実績もあるし、より確実じゃない?」


『めいあん』


『承認します。

 イロハ。力を貸して下さい』


『仕方ないわね。

 これよ。ハル、シイナ。確認なさい』


 イロハ、もしかして前から準備してたの?

声かけてもらうの待ってたの?

めんどくさ、げふん。可愛いわね。



「ちなみに私も何か混ぜられない?」


 折角なら四人の子供にしましょう。



『『『力』』』


 そういうんじゃなくて!



「もちろんそれも渡すけど、他にも何かあるでしょ?」


『ない』


『無いわよ。もう必要なものは揃ってるもの』


『マスターの力もまた重要な要素です。

 これ以上はマスターの割合が増えすぎてしまいます。

 どの道、マスターの記憶も全て見る事になるのですから。

 ご安心を。この子は間違いなく私達四人の娘となります』


 そうなの?

なら良いけど。



『だいじの』

『あった』


『そうよ。忘れちゃなんないのがあったじゃない』


『マスターには名付けをお願いします』


 ああ。そうだった。

ついつい機能的な部分で考えちゃったけど、名前も忘れちゃいけない大切なものだった。



「わかったわ。

 早速始めましょう」


「先ずは私が器を用意します」


 シーちゃんが同化を解いて出てきた。

シーちゃんの前にナノマシンが集まり、シーちゃんとハルちゃんの間の子みたいな雰囲気の少女が生み出された。



「肉体も少し修正しましょう」


 イロハも出てきた。

イロハからイメージを伝えられたシーちゃんが、その通りに素体を修正していく。


 こうして、ハルちゃん、イロハ、シーちゃんの要素をかね揃えた雰囲気に変化した。



「私の要素は?」


 胸部を指し示すイロハ。

そこには幼気な雰囲気に似つかわしくない大きな膨らみが見て取れる。ちなみに三人には存在しない要素だ。いや、大人ハルちゃんは立派なものをお持ちなんだけども。イロハも若干はあるから、存在しないは言い過ぎかもだけど。

とはいえ、当然ここまでじゃない。うちにここまでご立派な◯リ巨乳は未だかつていなかった。



「真面目にやって」


「バランスが難しいのよ。

 元々私とハルは似たようなものだし、シイナもそうかけ離れてはいないけど、アルカだけ違いすぎるんだもの」


 まあそうかもだけど。


 わかりやすいとしたら髪色かしら?

私は茶色がかった黒髪、ハルちゃんは真黒、イロハが真紅。

そしてシーちゃんは、透き通るような金色だ。角度によっては銀色にも見える綺麗な髪だ。



 この眼の前の少女はシーちゃんと同じ髪色だ。

変えちゃうの勿体無いかな?

私、シーちゃんの髪好きだし。


 むむむ。

目鼻立ちはハルちゃんとイロハっぽいのよね。

なんというか、ぶっちゃけフィリアス達に多いオーソドックスな感じにも見える。一周回って。


 そこに私の要素を加えてバランスよく纏めるのも難しい。

なら体の方をと考えるのも無理からぬ事かもしれない。



「耳と尻尾生やしませんか?」


 何故かノアちゃんまで口出ししてきた。

折角静かに待っててくれてたのに。

これ以上ややこしくしないでほしい。



「さいよう」


「却下です」


 ハルちゃんとシーちゃんの間で意見が割れた。



「この子は元々私とハルの娘として生み出そうとしていたのです。マスターとイロハまでは認めますが、ノアは今回だけは遠慮して下さい」


「はい。すみませんでした」


 まあそりゃ怒るよね。

ごめん、シーちゃん。

私も余計な事を言ったわね。



「良いわ、シーちゃん。

 このままいきましょう」


「イエス、マスター」


「つぎハルのばん」


 ハルちゃんがダンジョンコアから何かを流し込んだ。

それから自分自身も少女の中に同化した。


 ハルちゃん、いつの間にフィリアスにまで同化出来るようになったのかしら?

契約もしてないのに。もうなんでもありね。


 しかもこれ、私の力も流れ込んでる。

ハルちゃんがパスを結んだようだ。

それも結構な流入量だ。本当にイロハ以上のフィリアスがいきなり誕生してしまったのかもしれない。


 最後にシーちゃんとイロハも何かを流し込むと、少女がゆっくりと目を開いた。

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