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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-49.選定基準

「良いですよ」


「いや、そう言わず。

 今回ばかりは見逃し、て……ノアちゃん?

 あれ?今"良い"って言いました?」


「言いましたよ。

 ルネルさんのフィリアスですよね。

 構いませんよ。新しく生み出しても。

 そもそもイロハですらルネルさんには及ばないのです。

 つまり、イロハの子達では力不足なのでしょう?

 なら仕方ないじゃないですか。

 ルネルさんの力になれる子が生み出せるなら認めますよ」


「それは問題ないみたいなんだけど……まあ、うん。

 わかった。やってみる。

 ありがとう、ノアちゃん」


「当然私も立ち会います。

 早速始めましょう」


 ノリノリだ。珍しい。

まあでも、ノアちゃんの言う通りだ。

もっと早く相談してみればよかった。



『どうかしら?

 このタイミングじゃなければ突っぱねたんじゃない?

 ルネルにフィリアスは必要ないって』


 なるほど。

今日一日ルネルと一緒に過ごしたからか。

あの弱ったルネルを見て必要と判断したのか。

ノアちゃんならあり得る。



 さて、どうしよう。

取り敢えず深層行くしか無いか。

昨晩、もう暫くは使わないって決めたばかりなのに。

まあ仕方ない。イロハとの融合もあるしね。

でも必要最低限には留めよう。



 ルネルは今、訓練組に合流している。

一応そっちは続けてくれるつもりのようだ。


 まだ完全に復調したわけではないけど、それなりに機嫌は良さそうだった。一先ずの心配は要らないだろう。

けど、できるだけ早くフィリアスを届けてあげよう。

きっと色々燃え上がるに違いない。

私はお説教を受けることになるだろうなぁ。

まあ良いけど。



 私達は深層に場所を移した。

今日は側近組とノアちゃんだけだ。

アルカ組のメンバーだ。



「先ずはイロハとの融合を済ませるわ。

 ハルちゃんも先にこっちを手伝って」


『……』


「ハルちゃん?」


『やっぱだめ』


「なんでさ?」


『まだ』

『はやい』


「別に私達とイロハが融合しても、ハルちゃんの因子が流れ込むわけじゃないんでしょ?」


 私じゃあるまいし、ハルちゃんなら制御出来るはずだ。

あくまでこの融合は、イロハが私の部分を好きにできるようになるだけだ。



『むむ』


「アルカ、それは私聞いてませんよ?」


「ノアちゃんが止められると思って?

 自分がハルちゃんと何したか忘れたの?」


「それはそれです。

 それに止めるつもりはありません」


「許可を下さい」


「良いですよ」


 ノアちゃんはたまに面倒くさい。



『小春先輩』


「ヤチヨとは融合しないわよ。

 今考えたことをノアちゃんに伝えても構わないわよ」


『くっ!』


 まったく。

ヤチヨはワンパターンね。

そんな脅しが通用するわけないじゃない。



『じょうけんは~?』


「ヒサメちゃんも興味あるの?」


『きょうみだけ~』


 なるほど。

何が何でもって感じではないわけか。



「身も蓋もない事言っちゃえば、私の好感度次第ね。

 融合って、同化とは違って私の自由意志も何もかも差し出すものだから」


『~?』


「同化はあくまで私がフィリアス達を隷属させているという関係の上に成り立つものなの。私が上で皆は下。私が許可して皆を住まわせてあげてるだけなの。私が本気で抑えればフィリアス側は抵抗出来ないし、やろうと思えば追い出す事だって出来るわ」


 まあそもそも、大抵私が皆に好き勝手させてるから、上下関係とか有って無いようなものだけど。とは言え本気で命じれば、一方的に従わせる事も出来てしまうのだ。実際イロハには何度も命令してきたし。



「融合はその制約が無くなるのよ。

 ハルちゃんが本気で私を乗っ取ろうとすれば出来てしまうわ。私の心も体もハルちゃんの好きにして構わないと思ったから融合したの。イロハも同じよ。

 けどごめんね。ヒサメちゃんとヤチヨはまだそこまで認められないの」


 例え冗談めかして言う事はあったとしても、本当に実行する事はないだろう。これは感覚的な問題だ。言語化するのは難しい事だ。



『『……』』


 二人とも?



『面白くありません』


『どうい~』


「こればかりは仕方ないのよ。

 積み重ねたものが違うのだから」


 量とは言うまい。

その濃さも重要だもの。


 何ならヤチヨとだって十分な期間を一緒に過ごしてるんだし。一年近く一緒に訓練漬けの日々を送ったんだから。ツムギのだけど。



『わかっています』


『でも~』


『負けてはいられません』


『がんばる~』


「勿論、それは歓迎よ。

 今よりもっとずっと私の事を夢中にさせてみて。

 そうしたら側近の方も固定枠に昇格よ。

 融合するって事はそういう事だから。

 シーちゃんもそれで良いわよね?」


『異論はありません。

 マスターも選定基準を厳しくされているようですし』


「ちなみにシーちゃんは融合しても良いわよ?

 と言うかして欲しい。方法は考えなきゃだけど」


 フィリアスじゃないから難しいかも。

でもまあ、シーちゃんなら何れ方法を見つけ出してくれるわよね。



『……お忘れですか?

 私もマスターの一部を頂いているのです。

 ハルカと同じ懸念が想定されます』


 ああ、そっか。その問題もあったか。

私に融合しちゃうとシーちゃんの部分が消えちゃうかもしれないのか。シーちゃんをこの世界の生命にする時に私の魂の一部を切り分けたんだから。



「まあでも。

 シーちゃんならなんとかしてみせるでしょ。

 頑張って。期待してるわ」


『……イエス、マスター』


 どうしたのかしら?

なんか言葉に詰まってたけど。

あまり乗り気じゃないのかな?

側近固定枠の話も嫌がってたし。


 まあ、シーちゃんは気遣い屋さんだからね。

今この場で喜ぶのは難しいのだろう。

ヤチヨとヒサメちゃんにお断りしたばかりだし。



「ちなみに興味本位で聞くのですが、もしフィリアス以外とも融合できるとしたら、後は誰が該当するのですか?」


「ノアちゃん、セレネ、ニクス」


「カノンやレーネは?」


「難しいわね」


「そうですか……」


 ノアちゃんまで変な顔し始めちゃった。

ハッキリ言い過ぎたかな?



「さっきはああ言ったけど、勿論好感度だけが問題じゃないからね?

 これは相性とかも重要なの。そういう意味では、アムルなら条件を満たせるかもね」


「何故アムルが?」


「きっとノアちゃんとセレネが繋がっていたからよ」


「きっと?」


「感覚的な部分が大きいのよ。

 私もハッキリと理解しているわけじゃないわ」


「ハルは誰とでも融合出来るようですよ?」


「そこはハルちゃんだもん」


「雑すぎません?

 なんとなく言いたいことはわかりますが」


「まあ良いじゃない。

 お陰で私達は間接的に繋がれるんだから」


「ああ。そういう手段もあるのですね。

 ネットワークが広がれば結果的に全員が繋がれると」


「流石に直ぐにはやらないけどね。

 少しずつよ。ハルちゃんをバラ撒くのは」


「イロハの種子も何れ広まるのでしょうか」


「あるかもね。

 イロちゃんズやハルカはイロハに任せた方が良いでしょうし」


「寝◯り……種◯け……托◯……」


「やめなさい」


 まったく。

ノアちゃんがまさかそんな事言い出すとは。

例のサブカルに染まりすぎた?

何処か私の知らない所で薄い本とか出回ってない?



「それで、ハルちゃん。そろそろ教えて。

 何でイロハの融合は認められないの?

 まだ早いって、何が問題でそう思ったの?」


『……』

『さみし』

『なった』


 まあ、気持ちはわかるけども。

でも毎回毎回、手のひら返しすぎでしょ。

ハルちゃんだって散々イロハに融合を迫ってたのに。

ハルちゃんは気まぐれというか、なんというか。

いつも手のひらクルックルだからなぁ。

もはやドリルだよね。


 人には強引に押し通すくせに、自分は土壇場で躊躇う事が多いのもいただけない。ハルちゃんらしいけども。

正直、ハルちゃんのその気持は嬉しくもあるんだけども。

つまり、可愛いなぁもう!って事で。



「イロハ、延期」


『仕方ないわね』


「ハルを甘やかし過ぎでは?

 しかも二人揃って」


「仕方ないのよ」


『惚れた弱みだもの』


「イロハまでデレデレじゃないですか」


『それより例のフィリアス計画を始めましょう。

 実行する前に全員で最終確認よ。

 ハル、シイナ、説明しなさい』


『『がってん』』


「イロハがそれで良いなら別に良いですけど……」

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