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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-47.接待◯リカ

「こんな風に一緒にお風呂入るのって始めてかしら」


「何度も共に入っておろうが」


「ぴったりくっついて入るのは始めてでしょ?」


 今はルネルを後ろから抱きかかえて湯船に浸かっている。


 十年以上前、私がこの世界に来てからそう時間が経っていない頃、始めてルネルと出会った時には、一緒に水浴びをして、ルネルに洗ってもらった事もあったはずだ。あの頃のルネルは優しかったからね。ルネル、小さい子は好きだからね。結構甘やかしてくれるのだ。


 けど、こうやってくっついて浸かる事は無かったはずだ。

そもそも、この世界のエルフは年中水浴びで済ませてるし。

お風呂とか無かったはずだ。あの国には。


 魔術が盛んなエルフなら簡単に用意できるだろうに、何でお風呂無いのかしら?



「ねえ、ルネル。

 エルフの国ってなんで水浴びだけなの?」


「気付いておらんのか?

 エルフは魔術を日常使いはせんのじゃ」


「あれ?そうだっけ?」


「もちろん必要あらば使いもする。

 しかし、皆節度を守るのじゃ。

 エルフにとって魔力とは友とすら呼べる存在じゃからの」


「ノアちゃんが言ってたやつね。

 魔力の方からエルフ達に力を貸していたみたいだって」


「うむ。

 じゃからこそ、ある意味では崇拝もしておるのじゃよ」


 なるほど。

神様みたいなものなのか。

困った時に力を貸してくれる偉大な存在みたいな。

それはそれとして、良き隣人としても認識していると。

だから必要なら使う事を躊躇わないのだろう。


 それは、何も緊急事態だけじゃない。

魔術の修練にだって、魔力は消費されているのだし。


 ただ、必要もないのに浪費しないってだけの話だ。



「自分の中に魔力がある人間では有り得ない発想よね」


「じゃろうな」


「でもルネルはあまり頓着してないわよね?」


「わしはエルフではない」


「そうだったわね」


「おい、耳を触るでない。

 湯が入るじゃろうが」


「しゃぶっていい?」


「やめんか!」


「ふふ♪

 やっとツッコミくれたわね♪」


「あまりの気持ち悪さに怖気が走ったのじゃ」


「試してみたら案外気持ち良いかもよ?」


「やらんわ!」


「ざ~んねん♪」


「まったく……」


 あらら。

また元気無くなっちゃった。

やっぱり本当にしゃぶってみようかな?

それで元気になるかも?



「やめよ」


「は~い」


 隙を突くのは難しそうだ。

今のやる気のないルネルでも。



「ルネルって綺麗な髪よね。

 普段不摂生してるのに、まるで……」


「何を言葉に詰まっておるのじゃ。

 また気を遣ったのか?

 わしが子供のようだと言いたかったのじゃろ?」


「まあ、うん。そんなとこ」


 全部お見通しなのね。



「もはやお主らも他人事ではないじゃろうが」


「ふふ♪ルネルと一緒ね♪」


 なんなら不老魔法の正体は被術者をルネルに近づける魔法らしいし。寿命を無くすだけでなく、背格好も似たような感じになるのはそれが原因のようだ。



「もう叱らんぞ。今更」


「お墨付きが出たわね♪」


「出しとらんわ」


「やっぱり覇気がないわ。

 今日のルネル」


「寝起きだからじゃ」


「そういう事にしておきましょう」


 とっくに目は覚めてるでしょうに。

まあでも、朝食はまだだからね。きっとノアちゃんが片付けのついでにルネル用の朝食も準備してくれているはずだ。それを食べれば、ルネルだって一発で元気になるはずだ。何せノアちゃん特製だし。



「そろそろ上がりましょうか」


「……」


「もうちょっとね」


「……うむ」


 ルネルは私に背中を預け、全身の力を抜いてもたれかかってきた。ようやく。


 これはまだ少しかかりそうだ。

まあ心配は要るまい。ノアちゃんなら良い感じのタイミングを見計らってくれるだろう。




----------------------




「な!?誰じゃ!

 この青甲羅を放ったのは!!」


「ふっふっふ!

 油断しているから足元掬われるのよ!

 次のアイテムで砲弾が出れば!!」


「どの道アルカの勝ちはありません」


「おい!ノア!

 待て!先に行くでない!!」


「ダメですよ、ルネルさん。

 勝負事で手抜きは厳禁です!っな!?」


「ノアも油断しましたね。

 緑甲羅だって使いようです」


「ヤチヨの狙撃スキルがこんな所でも!?」


「アルカは余所見しないで自分の方に集中したらどうです?

 そんなだから、万年ビリなんですよ」


「万年じゃないし!最初は勝ってたし!」


「小春先輩が無双できるのは何時も最初だけですね」


「お主は成長せんなぁ」


「くっ!皆して!

 シーちゃん!手伝って!」


 秘技!体明け渡し!

後はシーちゃんに任せた!


『イエス!マスター!』


「ダメです!

 それはズルです!」


「手段は選んで下さい!小春先輩!」


「それではお主が勝ったとは言えんじゃろうが」


「ふっはは!勝てばよかろうなのだぁ!」


 いや、勝っちゃダメなんだけど。

これ、ルネルの接待だし。

いやでも、なんかとっくに元気になってない?

もう心配要らない?

容赦なく圧勝していい?

きっとルネルは勝つまで続けようと更に盛り上がるだろう。

もっともっと元気になってくれるはずだ。

やりすぎてヘソを曲げる直前ギリギリを見定めよう。

よし!取り敢えずシーちゃんに後は任せた!



『イエス!マスター!

 マスターの仇は必ず討ってみせます!』


 いや、加減は間違えないでね?

あんまり勝ちすぎてもダメだからね?

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