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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-37.侵食感染

「ニクス達はまだ戻ってないのね」


 イオスが三女神とへーちゃんを拉致ってから、ニクス世界の時間ではまだそう経っていないのだ。無理もない。


 ツムギの研究所の準備もしたかったけど、それは明日にでも回すとしよう。


 コマチとイロちゃんズの方も明日以降かな。

今は一緒に行動してるみたいだ。ミヤコとコマチが中心になってイロちゃんズのメンバーに居住区の案内をしているらしい。あの子達には新しい生活に慣れる時間も必要だろう。



「レーネが呼んでいます。

 手が空いているなら会いに行ってはどうですか?」


「なんでノアちゃんの方に?」


「アルカが忙しい事は知っていますから。

 遠慮しているのでしょう。

 もし時間が空けば会いたいと言っていました」


 あ、そっか。

もしかして今も私の思考流れ込んでるのか。


 私はレーネを抱き寄せ魔法で召喚した。



「あ、ごめん。

 いきなり呼んじゃったけど大丈夫だった?」


 確かルビィ達の事も見てもらってたんだ。

うっかりしてた。



「問題ありません。アルカ様。

 エルヴィもいますし、セフィも合流してくれましたから」


 なるほど。

保護者チームも手が空いたのか。

今日はもう、あとは夕食を食べて寝るくらいだもんね。

とすると、サナとステラも家事を始めてるのかな?

分体を派遣しておくべきかもしれない。

家族も少し増えてるし。


 ひぃふぅみぃ……あれ?

今日の夕食は二十二人しかいないの?

家族は八十人くらいいるのに。


 女神達はまだ帰ってきていない。

ツムギとマノンはムスペルだ。

ナディとアニエスは体作りの為の特別食。

そもそも私世界組は食事の為にわざわざ出てこない。

シーちゃんの用意する食事で済ませているはずだ。

殆どのフィリアス達は食事自体食べないし。

今は精々サナとハルちゃんくらいだ。



「アルカ様?

 お話よろしいですか?」


「ああ、ごめん。

 なに?聞かせて」


「セーレの件でございます」


「え?」


 今?なんで?



「セーレにフィリアスをお与え頂けませんか?」


「なんで?」


「教育は早い方がよろしいかと。

 いずれ迎え入れるおつもりならば」


 なんか覚悟決まった顔で変なこと言い始めた。



「ルーシィの話は気にしなくていいわ。

 いずれなるようになるもの」


「だからこそでございます。

 我が祖国で混乱が起こるのは避けたいのです」


 なるほど。

先に明確に手を付けておけば、偽神も余計な干渉をしなくて済むのか。それが関係あるかどうかはともかく、違う未来には繋がるかもしれない。偽神の干渉しない世界に。



「ノアちゃんはどう思う?」


「面白い試みかと。

 もちろん、セーレにとってそれが良い事かどうかは脇に置いた話ですが」


「問題ありません。

 私が責任を持ちます」


「責任って?」


「あの娘の一生を見守ります。

 私の側において頂ければ幸いです」


「それは私が約束する事じゃないわね。

 当然、生後数ヶ月の赤子に決めさせる事でもないわ」


「両親の説得はお任せ下さい」


「レーネ、何をそんなに焦っているの?

 幾ら偽神の干渉があるって言っても、流石にまだセーレには手を出さないはずでしょ?」


「人魚族の成長はアルカ様が想定している以上に速いものなのです」


 だからって……。


 何だ?

レーネは何を考えてる?

私が忙しいからと気を遣っていた割には、この話を持ちかけるタイミングが性急すぎないか?

別に今すぐこの話をしなくたって、数日後でも構わないはずだ。どれだけ成長が速くとも、その程度の猶予が無いわけでもあるまい。



「どうかお願い致します。アルカ様。

 可能な限り早急に派遣していただきたいのです」


「……無茶を言わないで、レーネ。

 外での活動がメインとなると、フィリアスの選定も難しいの。今すぐ派遣するというわけにはいかないわ」


 ヒオリとサクラは深層を使って十分に時間をかけて関係を構築してから、ツムギとマノンに付いて行ったのだ。それに今回はイリスのように宿主エリスが毎日ここへ通うのとも違う。ナディとアニエスのように、まだ暫くは私世界に籠もっているのとも違うのだ。

だからルイザにもフィリアスは付けてないんだし。


 また深層に潜って時間をかけて新しい娘を準備する手もあるけど……。



「レーネ、そのように考えた経緯を教えて下さい。

 そう一方的に要求ばかりされてもアルカが困ってしまいます。先ずは会話をして下さい」


 勿論レーネの頼みなら何でも聞いてあげたいとは思う。

けどこれが本当にレーネの望んでいる事なのだろうかと疑問に感じてしまう。何を焦っているのかわからない事には決断も難しい。



「そう……ですね。

 すみません。お話します。

 実はその……セーレが……」


 言い辛そうに少し言葉を止めるレーネ。



「セーレが先程脱走を企てたそうです」


 うん?



「毎日のように癇癪を起こし、アルカ様に会いたいと……」


「それは……嬉しいけど、もう数日待ったら落ち着くんじゃない?」


 まだ先日会いに行ってから数日しか経っていない。

焦るような事でもないと思うのだけど……。



「私は心配なのです!

 セーレまで行倒れてしまったらと!」


 なるほど。レーネ自身がシスコンぶりを発揮してるのか。

そういう話なら理解できない事もない。



「大丈夫よ、レーネ。

 私はもうセーレを抱き寄せ出来るわ。

 居なくなってしまったら私に言いなさい。

 すぐに呼び戻してあげるから」


「それでは間に合わないかもしれぬのです!

 国の外には敵も存在します!

 あの娘では丸呑みにされてしまうでしょう!」


 まあ、そうかもだけど。


 だからと言ってフィリアスを付けるのは時期尚早じゃないかなぁ……。そもそも子守の為にいるわけじゃないんだし……。



「兵士やご両親も見ているんでしょう?

 そうそう逃げ出す事なんて出来ないんじゃない?」


「万が一は在りえます」


 まあ、水中だからね。

地上よりは移動も容易いだろう。



「ならこうしましょう。

 護衛役にハルちゃんの分体を派遣してあげるわ」


 勿論落ち着くまでだけど。



「感謝致します!アルカ様!!」


「待って下さい」


 ノアちゃんは反対するか。

まあそうよね。セレネに調律されてすっかり元の調子に戻っちゃったものね。必要以上に干渉するのは避けるべきよね。



「どうせやるなら融合させるべきです」


 あれ?



「私が安全を保証します。

 ハルもそれで良いですよね?」


『もち』

『さいしょから』

『そのつもり』


「ハル!それは是非私にも!」


『おけ』


「すとーっぷ!!」


「なんです?

 邪魔しないで下さい、アルカ」


「待ってよ!

 ダメだって!

 ノアちゃん目が覚めたんじゃなかったの!?」


「別に寝ぼけてませんよ。

 変なことを言いますね、アルカは」


「ちょっとハルちゃん!

 やっぱノアちゃん変なんだけど!!」


「気の所為です。

 さあハル。早速始めましょう」


「セレネ!カモン!

 助けてセレネモン!」


「何よ、急に呼び出して」


「またノアちゃんおかしくなっちゃった!」


「……大丈夫よ。心配要らないわ」


「まさかセレネまで!?

 は!?そういえば二人は心が繋がってるんだった!?

 既にハルちゃんが侵食した後だったのね!?」


「まあそれは否定しないけど。

 だからって、私がそう簡単に染められるわけ無いでしょ」


「だったらなんで!?」


「秘密よ。ノアがすっとぼけてるんだから。

 私が言っちゃったらフェアじゃないわ。

 安心しなさい。ノアは正常よ。

 ちゃんと考えた上で喋ってるわ」


「セレネだって考えてる内容まで知らないでしょ!?」


「わかるわよ。それくらい」


 セレネは結局碌な説明もしてくれないまま転移で帰ってしまった。



「大丈夫です。

 ハルとの融合では人格への影響はありません」


「説得力無いって!

 ノアちゃん自身が暴走してたじゃん!」


「力に酔っていただけです」


「尚の事ダメじゃん!

 無駄にスーパーパワー持ちの赤ちゃんが出来上がるだけじゃん!絶対調子に乗っちゃうって!」


「重要なのは繋がりです。

 アルカと私は以前よりずっと深くで繋がっているのです。

 これはセレネも同様です。ですから融合を肯定しているのです。きっとセーレも同じです。アルカを近くに感じられれば落ち着くのではないでしょうか?」


「そんなのノアちゃんの考え方じゃない!

 本心はどこにあるの!?」


「これ以上は秘密です。

 いずれアルカにもわかる時がきます。

 ハルの種子が皆の下に行き渡った頃には必ず」


「それじゃあ遅いんだって……。

 何で皆して秘密にするのよ……。

 もう必要ないんじゃなかったの……」


「まあ良いじゃないですか。

 アルカだって、本当はやってみたいのでしょう?」


「それは……」


 その気持が無いとは言わない。

そもそも最初の被験者がノアちゃんでなければ、私は喜んで受け入れていたのかもしれない。


 だってハルちゃんは私自身なんだ。

ハルちゃんの一部が混ざるという事は、私自身が家族の心の中に混ざり込むって事だ。きっと結束力も今までの比ではないだろう。単純に出来ることも増えるはずだ。


 けど絶対カノンは反対する。

これはそういう話だ。


 それに私はノアちゃんを変えたくない。

ノアちゃんには何時までも変わらない信念を持ち続けて欲しい。私にとっての外付け良心回路であってほしいのだ。




 だと言うのに、まさかこんな事になろうとは。

ノアちゃんがハルちゃんと一緒になって悪巧みしている。

私だけをのけ者にして。


 おもしろくない。

だからこそ、反対しているのもあるのかも。

意固地になっているのもあるのかも。



『アルカが正常なのよ。

 ノアとセレネは既に侵食された後なの。

 そう考えるべきよ』


 イロハは私寄りか。心強い。



『そうかな?

 ハルは別に妙な事は企んでないと思うよ?』


 ハルカはハルちゃんに付くと。



『私は小春先輩に付きます。

 可愛そうなので可愛がってあげます』


 お調子者は置いておこう。



『マスター。

 私もハルとの融合を望みます。

 どうか許可を頂けないでしょうか?』


 おーまいがっ!

頼りのシーちゃんまでもが!?



『ヒサメは~

 アルカさまと~

 ゆうご~したいな~』


 新しい選択肢生やさないでヒサメちゃん!



『私がノアとレーネを止めてみせましょう。

 ですから、ご褒美に小春先輩との融合を認めて下さい』


 しないから!

融合はハルちゃんだけの特別なの!

もし許すとしてもイロハだけ!



『私って融合したらどうなるんだろう?

 元のアルカに戻っちゃわない?

 怖いから止めとくね』


『懸命よ、ハルカ。

 あとハルカとハルの融合も認めないわ。

 するなら私とにしておきなさい』


 こらそこ!

抜け駆けしない!



「アルカ様!」


『マスター!』


「『ハルとの融合を認めて下さい!』」


 レーネ!?シーちゃん!?

目的変わってない!?

今はセーレの話だったでしょ!?



『そんなに』

『しんじられない?』

『ハルのこと』


 そんなわけないでしょ!



『なら』

『きょかだして』


 それとこれとは!!



『しくしく』


 ああもう!わかったわよ!

ハルちゃんの好きになさい!



『ありがと』


 けど少しずつよ!

一気に広めちゃダメよ!



『おけ』

『まかせろ』


 不安だなぁ……。

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