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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-34.成長

 ノアちゃん暴走事件からまた暫く経って、ツムギとマノンの修行もそろそろ切り上げ時かと考え始めた頃、ノアちゃんの強さはついに私に迫るものとなっていた。



「ハルちゃん、本当に何を植え付けたの?」


「にくのめ」


 DI◯?ジョ◯ョなの?



「アルカ。血が飲みたいです」


「ノアちゃん、その冗談は笑えないわ」


 ねえ、なんかハルちゃんっぽくなってない?

ノアちゃんはそんな冗談言わないよ?

いや、言うか。偶に構ってちゃんな悪戯猫モードにもなるし。



「どうしよう。これでノアちゃんの目が赤くなってきたら」


「炎髪灼眼ごっこが捗りますね」


 ネットスラングまで使いおって……これは私のせいか。



「後でセレネとニクスに診察してもらわないと」


「注射は嫌です」


「シーちゃん」


「イエス、マスター」


「待って!ホントに嫌です!」


「最近のノアちゃんは燥ぎすぎよ。

 少しお灸をすえる必要があるわ」


「だからって注射じゃなくてもいいでしょ!?」


「ノアちゃんが言い出したんじゃない。

 セレネもニクスもそんなもの使わないから、わざわざシーちゃんに頼んであげたんじゃない」


「私は頼んでません!!」


「はいはい。

 取り敢えず精密検査は受けましょうね。

 シーちゃん、捕まえちゃって良いから。

 ノアちゃん、抵抗したら本当に注射してもらうからね」


「しません!従います!!」


 ノアちゃんはシーちゃんに連行されて屋敷内に戻っていった。



「大丈夫だよ、おかーさん。

 ハーちゃんが変なことするわけないじゃん」


「私達には早すぎるわ。

 今のノアちゃんみたいに振り回されてしまうのよ」


 急に強くなれて、浮かれポンチになってしまった。

あのノアちゃんですら、だ。



「そうかなぁ?そうかも?

 うん。ごめん。おかーさんの言いたい事、なんとなくわかったよ」


 今までわかってなかったんかい!



「それより、ツムギとマノンはどう?」


 最近ノアちゃんが自分の事ばかりに夢中だからね。

二人の事は殆どルーシィが見ていてくれたのだ。

私はそもそも教える事に向いてないし。



「もうそろそろかな。

 最後にもう一度アイリスを使って、卒業試験しよっか」


「また魔神?」


「う~ん。

 それでも良いんだけどね。

 どうせなら♪」


 何か思いついたようだ。

けれど、結局その場では教えてもらえなかった。




----------------------




「「なんでよ!?」」


 ツムギとマノンに課された最終試験。

その試験の相手は、サンドラ王妃だった。


 勿論本物ではない。

私とマノンの記憶を元に生み出されたNPCだ。

とは言え、そこは流石のシーちゃんだ。

技量も完全に再現されている。



「今までの相手と比べたらヌルいものでしょ。

 頑張って。二人とも」


 既に二人共、初期レベ縛りで魔神レベル五十には到達しているのだ。ヒオリとサクラの援護ありきとは言え、既に本人達の技量も必要十分だ。


 マノンは結局最強装備を貰うことなく自力でやり遂げた。

ノアちゃんがあのザマだからちょっと申し訳なかったけど。

まったく。自分は偉そうにマノンを諭してたくせに、直後にあれだったものね。マノンは特段気にしている様子も見せてはいなかったが、内心どう思っていたのかしら。



「アルカ!

 これ勝ったらまたご褒美ね!」


「良いわよ、マノン。

 また何でも聞いてあげるわ」


「私も!私も貰うかね!小春!」


「ええ。ツムギも頑張って。

 萎縮せず、何時も通りにね」


「うん!!」


 ツムギは躊躇なく切りかかっていった。

本当に成長したわね。あのドラゴンから逃げ回っていた頃とは大違いだわ。


 逆にマノンは、慎重に間合いを測っている。

その姿勢に一切の油断はない。

マノンもマノンで成長著しい。ムスペルの件が片付いたら、アリア達の訓練組に混ざってもらうとしよう。今の実力ならちょうど良いだろう。



『マノン』

『じっけん』


「ハルちゃん。

 もう何度も言ったことだけど」


『わかってる』

『しばらく』

『おとなしく』


「またやらかしたらお仕置き部屋だから」


『あれいや』

『ほかのがいい』


「お仕置き選べるわけ無いでしょ」


 シーちゃんの生み出したお仕置き部屋、もとい、お仕置きボックスとでも言うような箱型の装置は、あのハルちゃんにすら絶大な効果を及ぼした。


 何をされているのかわからないけど、箱から出てきたハルちゃんは極度に怯えた状態だった。泣きながら私に縋り付くハルちゃんを見て若干心配にはなったものの、色々あって見慣れてはいたので、結局聞いてみる事はしなかった。



『きょうゆう?』


「するわけ無いでしょ。

 何で私までお仕置き受けなきゃいけないのよ」


『ざんねん』


「私を苦しめたかったの?」


『ううん』

『ハルとアルカ』

『ぜんぜん』

『いっしょ』

『ちがう』

『だから』

『さみし』


「それで記憶共有してほしかったの?」


『うん』


「ならそう言えば良いじゃない。

 言ったって共有はしないけど、寂しがってるハルちゃんを慰める事くらいは出来るんだから」


『ちがう』


「違う?」


『ハルの』

『さみしさ』

『ちがう』


「……まさか未来の?」


『そう』

『さみし』

『むこうのハル』

『こっちのアルカ』

『ぜんぜんちがう』


「ハルちゃんは未来のハルちゃんを慰めてあげたいの?」


『そう』

『みらいの』

『みんな』

『はやく』

『あつめる』


「何でそれ今になって言い出したの?

 内緒じゃなかったの?」


『これだけ』

『ちがう』


『これも』

『ひとつ』


『それに』

『アルカ』

『いやがる』

『みらいの』

『さきどり』


「まあそうだけどさ」


『だいじょぶ』

『ハル』

『かわってない』

『しんじて』


「もちろん信じてるわ。

 だからハルちゃんももっと私を信じてよ。記憶の共有なんかしなくてもさ。先ずは話して。私が嫌がる事がわかってるからって、自分だけで抱え込まないで。そんなんじゃ融合までした意味がないでしょ」


『うん』

『はなす』

『おちついたら』


「そうね。

 まずは眼の前の事からね」


『うん』

『それでいい』

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