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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-31.遊びの誘い方

「ノア」


「今度はハルですか。

 何の用です?」


 わざわざゲーム世界から出てまで追いかけてくるなんて。

アルカ以上にしつこい。



「あそぼ」

「いっしょに」


「気分じゃありません。

 他の子を誘って下さい」


「ダメ」

「ノアと」


「なんです?

 元気づけてるつもりですか?」


「そう」

「ストレス」

「はっさん」


「暴れろと?」


「うん」

「うけとめる」


「……止めておきます」


 別にそこまで腹が立ってるわけじゃない。

単に引っ込みがつかなくなっただけだ。

少し頭を冷やしたいだけだ。



「わかった」


 何故かハルは膝に乗っかってきた。



「なんでここに座るんです?

 今は遠慮してくれませんか?

 後でなら遊んであげますから」


「ダメ」


「ハルは意地悪です」


「ちがう」

「ノア」

「めんど」


「喧嘩売りに来たんです?」


「それでもいい」


「嫌ですよ。買いません」


「ざんねん」


「暇なんです?」


「ううん」

「いそがし」

「ノア」

「あいて」


「求めてません」


「ハル」

「したい」

「それだけ」


「好きにして下さい」


「うん」


「くっつきすぎです」


「キス?」


「しません」


「ぎゅ」


「しません」


「むむ」


「なんです?」


「ふへ」


「ちょ!?何を!?え!?ハル!?」


 同化した!?

どうやって!?ハルとは契約してないのに!?



『あらハル。どうやって入ってきたの?』


『ナイショ』


『ハルは秘密ばっかりね』


「ハル!出てきて下さい!

 それはズルいです!」


『ダメ』


「ルチア!追い出して下さい!」


『無茶言わないで。

 私がハルに勝てるわけ無いでしょ』


『むむ』

『こうじょうしん』

『たりない』


『よく言うわ。

 あなた最近、益々インチキじみてきたじゃない。

 もう私達に追いつかせるつもりなんて無いでしょ』


『むむむ』

『むずかし』


『ルチア』

『そだてたい』


『けど』

『ノアと』

『バランス』

『たいせつ』


「私が足手まといだと?」


『そう』

『すぐいじける』

『すぐおこる』

『ぜんぜん』

『せいちょう』

『しない』


「良いでしょう。その喧嘩買います」


『そういう所よ、ノア。

 結局こんな安い挑発に乗っちゃうんじゃない』


「どうせハルは引き下がりませんよ。

 私と喧嘩するまで諦めるつもりは無いのです」


『さすノア』

『よくわかってる』


『まったくもう。

 今のハルに勝てるわけ無いのに』


『むむむ』

『ルチアだめ』

『そういうの』


「そうですよ。

 勝てるまで戦い続ければ良いのです。

 諦めなければ何れ追いつけます」


『本当に。まったくもうだわ。

 ノアったら。何をあっさりハルの側に付いてるのよ』


『まあまあ』

『それよりこれ』

『おきみやげ』


『え?何してるの?

 ちょっと!?ハル!?』


「ハル?

 ルチアが大騒ぎしてますよ?」


「きにすんな」


「いったい何をしたんです?」


「ひみつ」


「私が勝ったら教えて下さい」


「おけ」


「いきますよ」


「ばっちこい」




----------------------




「ハルちゃん何処行ったの?」


「ノアに絡みに行ったわ。

 後で戻って来るとか言ってたけど、ログアウトしちゃったらそれも無理よね。ハルったら、本当に何を考えているのかしら」


「何か悪巧み?」


「ええ。間違いなく。

 それはそれとして、ノアの事もどうにかするつもりでしょ」


「ノアちゃん機嫌直してくれるかなぁ」


「ハルに任せておきなさいな」


「うん……」


 今は私とイロハの二人きりだ。

ツムギとマノンは修行疲れで少し離れたところにぶっ倒れてるし、シーちゃんは相変わらずヤチヨとハルカと別エリアだ。

ルーシィはいつの間にかどっか行っちゃった。



「イロハママぁ~」


 あ~。なんかめっちゃ甘やかしてくれる~。

これがバブミ……。



「はいはい。よちよ~ち。

 おっぱい飲みまちゅかぁ~?」


「飲む!」


「冗談よ。出るわけ無いでしょ」


 いきなり素に戻らないでほしい。

自分で振っといて。



「今度ハルちゃんに弄ってもらいましょう」


 きっと魔改造してくれるはずだ。

ノリノリで。



「やめなさい!

 洒落にならないわ!」


 ちぇ~。残念。



「セフィ姉なら付き合ってくれるかな?」


「また怒られるわよ。

 そんな事頼んだら」


「冗談よ。もちろん」


「あっそ」


 イロハが冷たくなってしまった。

甘やかしモードはお終いなのだろうか。



「ねえイロハ」


「なにかしら?」


「あの子達とは話できた?」


「早々に中断させられたわ」


 付いてきてくれたサクラ以外とは引き離してしまった。

イロハには悪いことをしたわね。



「ごめんね。

 落ち着いたら改めて紹介してね」


 サクラとはそれなりに話もしてきたけど、できれば一人ひとりと話して仲良くなりたい。イロハの昔の話も聞きたいし。



「そうね。

 私も悪かったわ。

 禄に紹介もしないで」


「ううん。あれは仕方ないわ」


「そう……ありがとう」


 イロハ、顔真っ赤。

これは思い出し照れってやつかしら?



「ツムギ達拾って、シーちゃんの方に合流してみる?」


「なによ。

 私と二人きりは不満なの?」


「そんなわけないじゃん。

 イロハに気遣って空気を変えようとしただけよ」


「なら他の方法考えて」


「ふっふっふ」


「何よ、急に」


「良い事を思いついたわ」


「でしょうね。

 それで?」


 私はシーちゃんから教えてもらった、宙に浮かぶ半透明なコンソールを呼び出して、幾つかの設定を弄ってから決定ボタンに勢いよく指を突き立てた。



「フィールドチェ~ンジ!」


 何もなかった空間が書き換わっていく。

足元は砂浜に。視界の先は大海原に。空は一面の晴天に。



「からの~!全員集合!」


 更に砂浜を埋め尽くさんばかりの、水着の子供達が何処からともなく出現した。


 正確には数人だけ大人も混じっている。

まあ、私が呼び出したのはうちの家族だからね。

その写し身だけど。


 ルイザやアムル、それにイロちゃんズまで含む、総勢七十五人がこの砂浜に立っている。水着姿で。


 今は特に命令も出していないので、全員普通に立っているだけだ。一応、NPCモードもあるらしいけど、今回の目的はそこじゃないので止めておこう。なんか収拾付かなくなりそうだし。



「ねえ、これの何処が二人きりなの?」


「動いてるのは私とイロハだけよ?」


「マノンとツムギはどうしたのよ?」


「あ……」


 えっと?

二人が寝てたところは……海じゃん!!


 慌てて抱き寄せ魔法で召喚すると、ゼーゼーと荒い息を吐く二人が腕の中に出現した。どうやら溺れかけていたらしい。



「ごめん……」


「はぁはぁ……戻して」


 ツムギが荒い息を吐きながら、怯えるように呟いた。



「いや、でも……」


「何よこの状況!普通に怖いんだけど!!」


 確かに冷静に考えるとちょっと不気味かもしれない。

直立不動の家族が数十人も集まって同じ方向を向いている光景は。


 私は再びコンソールを操作して近くに木々を産み出し、更にハンモックも追加した。



「悪いけど少しここで休んでて」


「何をする気なの?」


「思い出話をするだけよ」


「人じゃなくて場所を出したらよかったんじゃないの?」


「それはこれからよ。場合によってはね」


「あの子達を見ながら誰の過去の話をするか選ぶわけね」


「そうそう!そんな感じ!

 さっすがツムギん!よくわかったわね!」


「あんなサンプルみたいに並べてたらそりゃあね。

 正直やる意味はわからないけど」


「イロハは私の記憶全部見た事あるからね。

 今更普通に思い出話しても、全部知ってるわって返されちゃうから」


「あっそ」


 ツムギは興味を無くしてしまったようだ。

背中を向けられてしまった。



「ツムギん冷たい……」


「海に放り込まれたもの」


「ごめんて。後で埋め合わせするから」


「約束よ」


「そういう話なら私もよ、アルカ」


「もちろん♪

 マノンもやりたい事考えておいてね。

 ご褒美の分も込めて、サービスしてあげるから♪」


 結局あの件も有耶無耶になってたからね。丁度良いね。




 私は二人をその場に残してイロハの下へと戻った。

イロハはチハヤの前に立って興味深そうに?観察している。



「チハヤの事教えてくれる?」


「……後で本人と話しなさい。

 それよりこれ、さっさと片付けて。

 流石にこの光景は悪趣味だと思うわ」


 イロハからも反対されてしまった……。

そんなにダメだったのか……。



「代わりにお菓子でも出してよ。

 ゲームの中なら食べ放題でしょ?」


 現実世界でも食べ放題してるじゃん。



「イロちゃんズの事も聞きたかったのに……」


「ちゃんと紹介するわ。本人達の眼の前でね」


「は~い」

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