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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-20.ターニングポイント

「偽神は滅茶苦茶にしたいのです

 ムスペルの政変は都合が良かったのです。

 私への影響が少なく、世界への影響は大きい。

 しかも事後処理は他の者達に任せられる。

 世界に混乱を招くだけなら理想的です。

 そうして新しい可能性を模索したかったのではないでしょうか」


 大きな分岐点を作りたかったのか。

そのイベントとしては影響力も十分にありそうだ。



「ならなんで記憶だけなの?

 王妃様を始末した方が手っ取り早かったんじゃない?」


「恐らく偽神が直接手を下す事は無いのでしょう」


 確かに。ニクスにすら手加減するくらいだ。

既にいくつもの領域を丸ごと滅ぼしているくせに、ノアちゃんに嫌われたくないからという理由だけで、半端に手心を加えているのだろう。身勝手に過ぎるが、あれはそういうものだ。今更とやかく言っても仕方がない。



「そもそも王妃が生きていた方が混乱は大きくなるわ。

 アルカに明確な敵意を持っている今の方が、やつにとっては都合も良いでしょうよ」


「そう?

 さっさと引き上げちゃえば済むでしょ?

 ツムギ達は悲しむだろうけど、そのツムギ達自身が早々に手を引くと思うのだけど」


 きっと国を巻き込んで争うくらいなら、早めに見切りを付けるはずだ。今更当初の計画を再起動する事も出来まい。


 結果的にあの決闘は王妃様にとって都合の良い時間稼ぎになってしまった。ツムギ達は混乱を抑え込むので精一杯になってしまったのだ。それに計画の離反者も多くいる。未だ王妃様の権力の方が遥かに強いのだ。体調までも完全に回復した今となっては、ツムギ達では立ち向かうのも難しいのではなかろうか。



「アルカがそれを良しとしないでしょう?」


「流石に私だってこの状況では動けないわ。

 偽神の策とわかっていて乗るわけ無いじゃない」


「それは今のアルカだからです」


 ああ、そっか。

元々この状況に遭遇した私は偽神の事を知らなかったのか。

なら絶対手を出してたわね。ツムギの望みを叶える為に。

例えツムギ本人がそれを否定したとしても。



「偽神が既にこの領域から手を引いてしまっているから、策は中途半端になるのかしら?」


 それとも、他の何らかの理由で動かない決断をした私を引きずり出す為の、次の策も用意されているのかしら?



「さあ、どうでしょう。

 そこまでは想像出来ませんね。

 興味を失って次の領域に移ったのかもしれませんし」


 それもあり得るわね。



「……早急にツムギ達を引かせましょう。

 無意味に争わせるよりはまだマシな結果になるかもしれないわ」


「争いが激しくなるよう、次の策も仕掛けられているかもしれませんしね」


 逃がしたところで意味は無いのかもしれない。

ムスペルが周辺国と戦争でも始めてしまえば、私達がどう動こうとも世界は大きく変化していくのかもしれない。


 例の運命力の話もある。けどあれは未来からの干渉で変えようとしない限り、同じ結果が必ず訪れるというものなのではなかろうか。あくまでも放っておけばそうなるというだけで、よくある強制力を伴うようなものでも無いはずだ。既に過去改変は幾度となく行われているのだから。



『小春先輩』


 ヤチヨ?もしかして?



『はい。ツムギにも今のやり取りは伝えていました。

 ツムギは撤退を決断しました。既に準備も済んでいます。

 こちらは一先ずアレクシアに委ねる予定です。

 全員合流次第即時帰還致します。

 許可を頂けますか?』


 ええ、もちろん。ありがとうヤチヨ。

最後まで気を抜かずによろしくね。


『がってんです』


「ツムギ達、帰って来るそうよ」


「そうですか。

 ……悪いことをしてしまったでしょうか」


「ノアちゃんが気にする事はないわ。

 ツムギ達だって、元々決めていた事なのよ。

 そうでなければ、こんなに早く動けるはずがないわ。

 王妃様が眠っている間、敵対した場合の計画も用意していたのよ」


「そうよ、ノア。

 大丈夫よ。完全に何もかも諦めるわけじゃないわ」


「お帰り、カノン。

 カノンもありがとう」


「ええ。全員集まったら諸々の説明をさせてもらうわね」


「うん。お願い」


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