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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
38.白猫少女と修行期間

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38-14.人事計画

 暫くラトナと話をしてから、ラトナを送り返して再びノアちゃん達と話を始めた。



「アルカネットの配信とやらは、一体何を流しているんですか?」


「さあ?

 あまりプライベート過ぎる事は流してないはずだけど」


 今はね。

前は何でもかんでも流してたっぽいけど。

それはそれとして、前から最低限の情報制限はおこなってたんだろうけど。


 確かアーカイブがあるはずだ。

私も確認してみよう。



「それで、ルーシィ。

 やっぱりルビィに譲るのではなく自分で契約したい?」


「うん。ラトナが欲しい。

 こっちの私には悪いと思うんだけどね」


 さてどうしたものか。

別に今すぐ結論を出す必要があるわけじゃない。最悪ルビィがもう少し大きくなってフィリアスを付ける事になった時に改めて話し合っても遅くはないのだ。それまでルーシィには我慢を強いる事になってしまうけど。


 いっそそれまでの間、期間限定でルーシィについてもらうという手もある。あの様子ならば、ラトナ本人も拒絶はしないのだろうし。多分。



「取り敢えずルーシィと契約させてみてはどうですか?

 ルビィに専属を付けるのは、まだ数年は先のはずです。その間はラトナをルーシィに育ててもらう期間なのだと思いましょう。

 ルーシィと共に経験を詰んだラトナは、きっとルビィをより強く育て上げてくれるはずです。

 ルビィにとっても悪い話ばかりとは限りません」


「ルーシィはそれを受け入れられる?

 今は期間限定。時が来ればルビィに譲り渡す。

 そう約束出来る?そうラトナを説得出来る?」


「……それでも。私はラトナが欲しい。

 例え一時的にしか一緒にいられなくても。

 お願い。おかーさん。いざとなったらゴネてしまうと思うけど、それでも約束は守るから」


 ルーシィは正直ね。

まあそう簡単に諦められるわけないわよね。

そうやってフィリアス達と共依存の関係を結ばせているのは私なのよね。



「シーちゃんはどう思う?」


『許して構わないかと。

 未来に拘る必要はありません。

 ルーシィから齎された情報に縛られてはいけません。

 それでは本末転倒です』


 そうね……。

ルビィの時間軸の私は偽神に勝てなかった。

その未来を参考にしても、私達の真に目指すべき未来には辿り着けない。その理屈は理解出来る。


 けれど私はあるべき未来を変える事に恐怖を感じている。

それが常識なのだと、私の意識に根付いている。


 これはダメだ。

私は映画を見ているわけじゃない。

フィクションと現実をごっちゃにしてはいけない。

私の持つ固定観念は一度捨て去らねばならない。


 確かに歴史の修正力と呼ぶべき何かは存在するのだろう。

それは先程の実験が証明している。

私はイロハの娘達にルーシィの時間軸で付けたものとまったく同じ名前を付けたのだ。


 そこから考えるなら私達のこの先の未来でも、ラトナも何れはルーシィの下を離れてルビィにつくのかもしれない。


 けれどそれが悲劇とは限らない。

ルーシィが約束を守って、自ら送り出すのかもしれない。

そんな未来があり得ないとは思えない。


 けれど、そもそも、ルビィとラトナが繋がる事もまた、絶対とは言い切れないのだろう。


 かつてノルンは未来を知った上で私を助けてくれた。

本来ミーシャ世界で力尽きるはずだった私に、新たな可能性を示してくれた。


 お姉ちゃんだってそうだ。

私は偽神にならず、こうして沢山の家族に囲まれている。

ノアちゃんも変わらず側にいてくれている。


 様々な過去改変の恩恵を受けてきた私が、今更何故ラトナの件だけこうも思い悩む必要があるのだろう。

むしろ未来なんて積極的に変えて良いのかもしれない。



『それによく考えて下さい。マスター。

 今からルビィとラトナを引き剥がせば、ルビィが将来こうなる事もなくなるかもしれないのですよ?』


「こうって何よ!

 シーちゃん酷い!」


 全然酷いと思ってなさそう。

ガッツリ演技してヨヨヨって感じになってるのに。

それがかえって胡散臭いせいかもしれない。



「シイナの言う通りです。

 ルビィには別のフィリアスをつけましょう。

 なんなら、新しく産み出したフィリアスにラトナと名付けてルビィの専属にしてもいいわけですし」


「ふふ。流石にそれは強引過ぎよ。

 でも試してみる価値はあるわね。

 それで強制力をやりすごせるのか気になるわ」


「しまった。私とした事が……。

 今のは冗談です。真に受けないで下さい。

 そんな理由で名付けては、その子が可愛そうです」


「もちろん私だって冗談よ。

 何れ他の手段で同じ実験をしてみましょう。

 誰かを軽んじるような方法じゃない別の何かでね」


「それなら結構です」


「ルーシィ。許可するわ。

 ラトナの勧誘は自分でしてみなさい」


「やっっっっっったぁあああああ!!!」


 元気よく飛び上がったルーシィの声に、隣の席から何事かと視線が集まった。


 ルーシィはそんな状況に気がつく様子もなく、すぐに転移してしまった。


 まあ今くらいは目を離しておいてあげよう。私は。

当然シーちゃん達の監視付きだ。

何かあれば、すぐに私が抱き寄せ召喚するからね。



「イロハも。

 私の側近に混ぜたい子がいるなら言ってみなさい。

 流石に全員は無理だけど、一人くらいなら増やしても良いわよ?」


「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」


 おっと。

全員興味があるようだ。

私の側ならイロハと共にいられるのだ。

それくらいの事情は既に説明済みのようだ。

流石ハルちゃん。仕事が速い。



「ダメです。何言ってるんですかアルカ。

 側近という事は、また嫁が増えるじゃないですか」


「大丈夫よ。

 ハルカは嫁じゃないんだし」


 まあ私もイロハの娘なら遠慮なく手を出すでしょうけど。



『マスター。その件に関してツクヨミから言伝です。

 面会の許可を頂きたいと』


 側近に混ざりたいって事?

でもほら、今ツクヨミにはクレアを頼んでるし。

その任務が終わったら、側近入りは確約するけど。



『いえ。嫁の方です』


 ああ。はい。

そうよね。ツクヨミは私大好き勢だもんね。

ヤチヨとコマリの同期組が私の伴侶になっているのに、放置されっぱなしだもんね。そりゃ物申したくなるわよね。



「良いわ。

 今なら少しくらい構わないでしょう。

 ツクヨミと、それにセシルとソフィアも呼んで頂戴。

 来てくれそうなら、ミヤコとコマチもね」


 取り敢えずこんなところかしら。

他のチハちゃんズとは決起会で話をするとしましょう。

ソフィアだけ、昨晩その意思を表明してたからね。

流石にあの場で認める流れにはならなかったけど。


 そしてミヤコは喜んでくれるだろう。

けれど、相変わらずコマチの好感度が足りていない。

この集まりの意図を知ったら、嫌がるかもしれない。



「私の眼の前で何をやろうとしているのです?

 いくらなんでも開き直り過ぎでは?」


「ノアちゃんの前だからこそよ。

 私が勢いで受け入れてしまわないように、ノアちゃんが冷静に判断してね」


 ノアちゃんは私の外付け良心回路だからね。

そしてやっぱり誰がなんと言おうと、ノアちゃんとセレネは特別なのだ。二人の許可なくして、嫁を増やすわけにはいかないのだ。



「まったく。

 説教しなきゃいけない事がまた増えてしまいました」


「お手柔らかにね。

 昨晩みたいなのは、流石にもう嫌よ」


「それより、イロハの方は何時まで放って置くつもりです?

 口にしてしまったのですから、もう少し条件等の詳細を伝えておくべきでは?」


 ノアちゃんがダメって言ったのに。

まあ、そう言ってくれるなら本当に一人側に置いちゃおう。

イロハとイロちゃんズの橋渡し役か、イロちゃんズの取り纏めを遠隔でやってもらうか、仕事の内容もハッキリさせなきゃ。


 場合によっては、チハヤ一択かもだし。

もしくはチハヤだけ参加不可って可能性もあるかも。

その辺、本人達の意見も聞きながら、採用条件を考えてみよう。

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