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7-8.vsダンジョンマスター

以前、ノアちゃんに言われた事から思いついた

物を媒介にして対象を探す魔法は開発済みだ。

持ち主の姿もイメージする必要はあるが、

幸い既に敵の姿は見ている。


この方法でイメージした場所にも転移門を開くことが出来るようになった。



私は町から離れた上空に転移して、魔道具を手に持ち、

同じ魔道具を使っている者をイメージして転移門を開く。



転移門の先には、以前見たヒョロヒョロの男がいた。

突然開いた空間の穴と私の姿に驚いている。


私は構わず、男に向かって転移門越しに攻撃魔法を放つ。


攻撃が男の胸を貫くと、以前の様に倒れた男の体は消えていく。


それを見て、もう一度転移門を開く。


そこには無傷の男が立っていた。

背後の光景がさっきと全然違う。

おそらく別のダンジョンに転移したのだろう。


再び現れた私にわけがわからないという顔をしている男に構わず、

再び攻撃魔法を放つ。


また胸に穴が空き、倒れて消えていく。

もう一度転移門を開いて攻撃する。


胸に穴が空き、倒れて消えていく。


男は私の顔を見るなり悲鳴を上げるようになった。



その後も何度も同じことを繰り返していく。





「お願いだ!もうやめてくれ!

これ以上死んだら本当に死んでしまう!!」


遂に男は地に伏して命乞いを始めた。


「なら、あんたが送り込んだ魔物を消しなさい」


「無理だ!ダンジョン外に出た魔物は制御できない!

最初に与えた命令に従うだけなんだ!」


私は男を消し飛ばす。


再び転移門を開く。


既に男はひれ伏している。



「お願いです!本当にやめてください!

コアのストックが無くなったら復活出来ないんです!」



つまり、復活にはダンジョンコアを代償にする必要があるのか。

無限じゃなくて良かった。



「随分勝手なことを言うのね。

あなたは町一つ平気で滅ぼそうとしているのに、

そんなに自分の命は大切なの?」



「当たり前だ!!」



私はまた男を消し飛ばす。


転移門を開く。



「あといくつストックがあるのかしら」


男は震えながらうずくまるだけだ。

もう返答すらできないらしい。



私は男を消し飛ばす。


転移門を開く。



今回の件はもうこいつにはどうにも出来ないのだろう。


私は質問を変える。


「あなたの仲間は何人?」


「・・・わかりません。僕は最近加わったばかりなんです。」


「あなたはドワーフの遺産を持っているの?」


「何のことかわかりません」


「ダンジョンを奪う魔道具はどうやって手に入れたの?」


「貰ったんです。組織に加わった時に貰いました」


「組織って?」


「名前はわかりません。規模も」


私は杖を向ける。


「本当なんです!ある日突然現れた男に勧誘されて、

魔道具を渡されて好きに動いて良いって!」


「それでなんでそいつ等が組織って知っているの?」


「向こうから度々連絡が来るんです。

でも毎回違う人が現れるのでそれで・・・」


「あなたから連絡は取れないの?」


「無理です。教えられていません。」


「ギルド本部の通信設備を使った方法は?」


「わかりません。あなたをおびき出す方法を相談したらやってくれるって言われただけなんです」



「それで?後いくつのコアを持っているの?

そもそもコアはどこにあるの?」



「コアは体内に取り込んでいます。

残りは・・・」



言い淀んだのを見て再び消し飛ばす


転移門を開く。



「三つです!今ので残りは三つです!」


「そう」


私はまた二回繰り返す。


「これで残り一つね。

取り出す方法は?」


「・・・わか」


「残念ね」


私は最後の一撃を放つ。


今度は男の体は消えず、

男の体からヒビの入ったダンジョンコアが転がり落ちる。


最後の一つは復活には使えないのか・・・

どういう理屈なのだろう。

まあ、たいした証言も出来ないようだし、

コアの力を持ったまま野放しにも出来ないので仕方がない。


そして、ダンジョンコアが砕け散り、

男の背後がぶれていく。


おそらくダンジョンが消滅するのだろう。


男の亡骸を回収して私はギルドに帰還した。

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