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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
37.白猫少女と異界の侵略者

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37-18.やり直し

「みゃは♪

 ざ~こぉ♪ざ~こぉ♪」


 魔神第四形態を一方的にボコるルーシィ。


 今はルビィのアバターを引き継いでいるので、ウサ耳は生えていない。

普段とは違う人間の体、それもゲーム仕様の制限盛り盛りでもお構いなしだ。


 当然、フィリアスとなった皆も同化していない。

だと言うのに、あの時のルビィ以上の身のこなしでラスボスを手玉に取っている。


 とは言え、魔神も今は本来の正しい状態だ。

ルネルが中に入っているわけでもなく、イージーモード相応の強さだ。



「シーちゃん。

 ルーシィー物足りないみたいだから、インフェルノにしてみない?」


『よろしいのですか?

 インフェルノはルネルを参考にしています。

 いくらルーシィでも攻略は難しいのでは?』


 参考にしているとはいえ、ルネル本人と同じというわけではあるまい。

プレイヤー側の能力制限とか諸々加味して、ルネルと戦うくらいの難易度になるよって意味だろう。



「大丈夫よ。

 ルーシィはルネルより強いみたいだし。

 それに、危なくなっても難易度戻せるでしょ?」


『可能です。

 ゲームの楽しみ方としては如何なものかとは思いますが』


「まあね。

 けどどの道、ルイザちゃんがお母さんドラゴンと戦う時にはイージーに戻さなきゃだし」


『承知いたしました。

 難易度を変更します』


 魔神の動きが目に見えて変化した。

今まで一切ルーシィの動きに反応できていなかったのに、突然機敏な動作でルーシィの蹴りに自らも蹴りを合わせてきた。



「ありゃ?」


 異変に気付いて距離を取るルーシィ。



「もう♪

 おかーさんったら♪

 そんなに私の活躍が見たいのね♪」


 余裕綽々で私にウインクしつつ、背後から襲ってきた魔神の攻撃を見もせずに躱すルーシィ。


 そのまま暫く様子見でもするかのように、回避に専念しはじめた。



「う~ん。

 やっぱりまだまだこんなもんかぁ」


 まるで期待外れとでもいわんばかりだ。

もしかしたらこのゲームも未来では進歩していたのかも。

戦闘シミュレーター代わりにも使えそうだし。

その辺りだけルーシィの意見も参考にして作り込んでみるのも良いかも。

アリアも言った通りあまり未来の事を知りすぎるのは良くないと思うけど、皆が強くなる為に必要な事だから、多少のカンニングも許容するとしよう。


 回避を止めて攻撃に転じるルーシィ。

イージーモードの時と同じように、インフェルノモードの魔神も完全に手玉に取っている。


 結局そのまま一撃ももらう事なく、魔神第四形態の体力を削りきった。



『驚きました。

 ルネルより強いという自己申告も、あながち誇張ではないようです』


 ルネルに一度勝ったとは言え、あの時のルネルは私達を庇って禄に動けずにいたし、ルーシィ本人も偽神から何らかの力の供給を受けていた。


 正直あれを見ただけでルネル以上とまでは信じられずにいたけれど、純粋な体捌きだけでも近いところにいるのは間違い無いのだろう。


 これは本当に、もしかするともしかするのかもしれない。



「みゃは♪

 おかーさん驚いてる♪」


 嬉しそうに私に纏わりつくルーシィ。

取り敢えず、ルーシィの頭を撫でてみた。



「お疲れ様。

 凄かったわ。

 これから色々相談に乗ってくれるかしら?」


「もっちろん!

 皆をうんと強くしちゃうよ♪」


 ルーシィは、撫でられている手と反対の手を握り、自らの頬に押し当てて、嬉しそうに目を瞑った。



「小春お姉ちゃんったら。

 本当にモテモテなのね。

 三十人もお嫁さんがいるって聞いて驚いてしまったわ」


「ミーちゃんもどう?」


「何言ってるの!私達姉妹よ!って、本当なら言う所なんでしょうけれど……」


「お姉ちゃんから色々聞いてるのよね」


「本当に驚いたのよ。

 まさか小春がそこまでするなんて。

 まあ、昔からシスコンではあったんだけどね」


「お姉ちゃんに言われるのは納得いかない」


「二人とも、呼び方が戻ってるわよ?」


 仕方ないのだ。

お姉ちゃんはお姉ちゃんなのだ。

例え自分より幼かろうと、十年ぶりの再会だろうと、そうそう認識は変わらないのだ。



「求婚されている時まで、小春お姉ちゃんなんて呼ぶのは変じゃないかしら」


 なるほど。

お姉ちゃんはちゃんと考えて使い分けてたのか。

というか、これ私プロポーズしちゃってたのよね。

なら、相応のやり方ってものがあるわよね。


 私はお姉ちゃんの前に跪いて手を取った。



「お姉ちゃん。

 私はお姉ちゃんを愛しています。

 これからずっと側にいてほしい。

 本当は元の世界に戻すべきなんだってわかってる。

 けど、その方法が見つけられない。

 いいえ。もう探す気すら無い。

 お姉ちゃんが帰れないと知って、本当は喜んでいたの。

 ううん。やっぱり知った瞬間はそうでもなかったけど。

 あの瞬間だけは怒りでいっぱいだったから。

 でも今は違う。

 お姉ちゃんが欲しくてたまらない。

 惜しくて愛しくて手放したくない。

 だからずっと側にいて。

 私のお嫁さんになって。

 どうか私のプロポーズを受け入れて下さい」


「はい。喜んで」


「……良いの?本当に?」


「ええ。もちろん。

 なんで驚くの?」


「もう一人のお姉ちゃんは、中々オッケーしてくれなかったの」


「ふふ。

 そうね。本当はそれが正しいのよね。

 でも私の場合はほら。

 もう小春と愛し合っている私を知ってしまっているから」


 もう一人のお姉ちゃんは本当にどんな話をしたんだろう。

後で確認しておかなきゃだ。



「えっと、おめでとうございます。

 アルカ様。ミーちゃん様」


 ルイザちゃんが戸惑いを隠しきれないまま、祝福の言葉を送ってくれた。



「ふふ。

 いきなりごめんね、ルイザちゃん」


「本当よ!

 もっと時と場所を考えて!

 そんな風に勢いでプロポーズするなんて、ミーお姉ちゃんにも悪いでしょ!

 そもそも今のミーお姉ちゃんは逃げ場なんてないんだよ!

 もうアルカしか頼る人がいないの!

 いくら大好きなお姉ちゃんだからって甘えすぎだよ!

 ちゃんとミーお姉ちゃんの事も考えてよ!」


「あぅ……ごめん……そうよね。

 アリアの言う通りよね……」


 色々落ち着いてからにするべきだった……。

ミーちゃんは今日こっちに来たばかりなのに……。

だいぶ感覚が麻痺してたわね……。



「ふふ。

 だからって取り消してはダメよ、小春♪」


「うん。取り消したりなんてしないわ。

 そもそもお姉ちゃんが嫌がったって逃がすつもりはないんだし」


「だから!そういうの!

 そういうのがダメなの!

 ミーお姉ちゃんまだ慣れてないんだから!」


「はい。ごめんなさい」


「……私も同じような事を言われましたわ。

 もう逃げられないと。とっくに目をつけていると。

 アルカ様はそう仰られていました」


「アルカ!!」


「いや!違うと思うんだけど!

 確かルイザちゃんには逃げるなら今の内的な事言った気がするんだけど!」


 ダイスを手放すならって!

今ならどこまでもは追っていかないって!



「その前ですわ!

 私とアリア様によろしくやってほしいと!

 女性同士の関係を眺めるのが好きと!

 そんな性癖を暴露した際ですわ!

 聞かれたからには逃がすつもりはないと仰ったのですわ!」


「あ~うん。言ったかも」


「逃げるつもりなんてないのですわ!

 この際ですから私も加えてほしいのですわ!

 アリア様!どうか将来を共にして下さいませ!

 アルカ様も!どうかお二人の婚約者として下さいませ!」


「「ルイザ(ちゃん)!?」」


「ひゅ~♪

 やっるぅ~♪

 私の知ってるルイザ姉とはやっぱだいぶ違うのかも。

 ふふ。良いね♪良いね♪

 私も見るの大好き♪

 もちろん参加するのもね♪

 という事でおかーさん!

 私にも気合の入ったプロポーズよろ~♪」


「ルーシィは後でね。

 今はこれ以上状況を混乱させないで……」


「え~いけずぅ~」


 笑いながら私に絡んだり、アリア達を囃すルーシィ。

驚き半分、微笑ましさ半部でアリア達を眺めるミーちゃん。

混乱しながらルイザちゃんを落ち着かせようとするアリア。

アリアを何としても頷かせようと真っ赤な顔のまま捲し立てるルイザちゃん。


 魔神ラスボス戦の余韻など一切感じられないまま、そんな風に私達は暫く騒ぎ続けていた。

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