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7-7.足止め

私は魔物の群れにクレアを放りだして、

クレアとは町を挟んで反対側に転移する。


クレアなら一人でなんとかしてくれるだろう。


私は上空から魔物を爆撃していくが、

前回とは違いなかなか魔物が減っていかない。


前回は低難度ダンジョンを使って生み出された魔物達だった。

今回は高難度産だ。

魔物一体一体も別物くらいには強いし、

なにより数が段違いだ。

ダンジョン自体のリソースが多いのだろう。


倒しても倒しても際限無く魔物が迫ってくる。


段々と一人では処理しきれなくなり、

町に向かってしまう魔物が出てくる。



どうすれば!


一度町に戻るべきだろうか。

ここで足止めを続けても、意味はないかもしれない。

私やクレアが足止めしていない方向からも魔物は迫っているのだ。



セレネが守っている町は暫くなら持つだろう。

けれど、町の冒険者達ではこの魔物達は処理しきれないはずだ。

ならば耐えきれなくなるのも時間の問題だ。



あの町にSランクは他にいない。

高難度ダンジョンの魔物相手に無双できるような戦力はいないはずだ。


どう考えてもこっちの戦力が足りていない。



町に魔物が到達する頃には

足止めを切り上げて防衛に参加した方が良いだろう。


守る範囲が狭ければカバーできる割合も多くなる。


それでも二人だけでは足りないだろう。

他に戦力を確保する手段も考えなければ!



私も少しは強くなったと思っていたのに、

数の暴力の前には全然力が足りていない。


転移門も空間操作も強力な攻撃魔法も

それだけでは足りないのだ。

圧倒的に手数が足りていない。

私があと数人は欲しい。


そもそもこのままでは魔力も足りない。

杖の力も敵のバラけている現状では真価を発揮できない。


仮にドワーフの国を吹き飛ばした時のような魔力があっても、

あんな事をすれば町ごと消し飛ばしてしまう。

あの力は強力だが、その分加減が難しい。



もう魔物が町に到達するまでそう時間は残されていない。


このままではたいして敵の戦力を削れずに防衛戦が始まる事になってしまう。


まずは魔物の供給源を断つべきだ。

そのためにも敵の居場所を特定できる魔道具が必要だが、

お爺さんに頼んでいた物は間に合わない。


一か八か本部に貸出を要請するしかない。



「ノアちゃん!ギルド長さんは近くにいる?」


私はノアちゃんに向かって小さい転移門を開く。

ギルド長さんには直接繋げなかった。

まだ私が完全に心を開いていないのだろうか。


相変わらず融通の効かない能力だ!



「います!アルカの事を呼んでいます!」


「わかったわ!」


私は転移門を広げてノアちゃんの所に移動する。


「アルカ!今すぐに本部に行ってくれ!

増援を用意してくれている!」


「本当!行ってくるわ!」


私はギルド本部への転移門を開く。

以前に来た会議室だ。


そこには既に数人が待ち構えていた。


以前来た時に話していた職員が転移してきた私に気付いて話をはじめる。


「王都にいたSランクとAランク数名を援軍として用意した。

君の力であの町に運んでくれ。

それとこれが必要と聞いている。

持っていってくれ」


そう言って、ダンジョンコアの制御を奪う魔道具を差し出してくる。

随分と準備が良い。

以前相談した時にギルド長が申請していたのを知っているのだろう。


「ありがとう。助かるわ」


私は転移門を広げて、

その場に居た冒険者達と共に町に戻る。


「ギルド長さん!この人達と協力して町の防衛をお願い!

私は敵を見つけだしてこれ以上魔物が増えないように止めてくる!」



「わかった。こちらは任せろ!」

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