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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
37.白猫少女と異界の侵略者

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37-8.作戦会議・黒幕の正体

「イオスのヒントを元に、黒幕について考えてみましょう」


 イオスは言った。

イオスは数多存在する混沌ちゃんの一欠片でしかないと。

それも、細胞の一つ。そう例えたのだ。



「人類の細胞が数十兆個程です。

 つまりその規模で混沌ちゃんが治める世界は存在しているのかと」


 シーちゃんが補足してくれた。



「世界というか、いくつもの世界が纏まった領域だね。

 一つの時間の流れと思ってくれたらいいよ」


 ニクスが珍しく秘密を明かしてくれた。

今は隠している場合ではないと判断したのかしら。



「ダメよ、ニクス。

 あなたは喋らないで。

 それではヒントを与えすぎてしまうわ」


 イオスはニクスの言葉が不満なようだ。

普段ニクスが口を閉ざしているように、イオスもまた、私達を気遣って情報を絞っているのかも。



「時間って言ったの?

 それはつまり、時間遡行には混沌ちゃんレベルの力が必要ってこと?」


「うん。そういうこと。

 つまり元々いた方のミユキを送り込んできたのも」


「ニクス!いい加減にしなさい!」


「イタッ!なにするのさ!」


 ニクスの頭にぽかっと拳骨を落としたイオス。

なんか今のやり取りだけ見たらとっても母娘っぽかった。

混沌ちゃんは相変わらず小動物サイズだけど。

いや、ギリ成体の猫くらいはあるかな?


 というかあれ、本当に痛かったのかしら。

大した威力出てなさそうだけど。

まあイオスなら、何か不思議パワーを込めてた可能性もあるか。

何せ既に私の力の大半と、ニクスの力も半分ほど取り込んではいるんだし。


 今この場で最も力を持っているのはイオスだ。

しかしサイズ優先で中身スカスカのままだから、だいぶ脆そうにも見えてしまう。

実際はもう私やニクスでも太刀打ち出来そうにないというのに。


 早まって力与えすぎたかしら?

まあ、今更敵対するつもりもなさそうだし大丈夫よね。




 とにかく、ニクスのお陰で助かった。

イオス以上に大きすぎるヒントをくれた。

というか、もはや答えそのものなのだろう。


 他の時間軸に干渉した存在。

そんなの私達は一人しか知らない。



「つまり黒幕は、六百年前にお姉ちゃんを送り込んだ私。

 ニクスを殺して神となった後、自らの世界が存在する時間軸の混沌ちゃんをも始末して、その力を取り込んだ存在。

 そういう事なのね?イオス?」


「まったく!

 ニクス!後でお仕置きよ!」


「そんなぁ!」


 どうやら正解らしい。

あっさりと答えが出てしまった。

そうか。やっぱり私なのか。

何かそこだけは間違いないような気がしていたのよね。


 けどこれだと、未来ミーちゃんとの接点がわからない。

先程の私の推測では何かが足りていないのだろう。



「それでどうして認識できない存在になんてなるのかしら。

 元はアルカと同じ存在なのでしょう?

 力を得たと言っても、混沌ちゃんの一欠なら、前のイオスとも大差ないわけよね?

 もっと圧倒的な上位の存在なのかと思っていたわ。

 例えば、混沌ちゃん本体みたいなね」


 セレネの言う通りだ。

次元が一つ違うくらいの力の差はあるものと思っていた。


 けれど、それもまた逆なのかもしれない。

何らかの方法でそれだけの力を得たからこそ、自身の時間軸の混沌ちゃんを制圧出来たのかもしれない。


 ただそうすると、今度は何故時間稼ぎが必要だったのかって話になるけど。


 黒幕の時間軸の混沌ちゃんを倒す時には、何かその時にしか使えないドーピングみたいな力でも使っていたのかしら。



「"認識できない"というのは、我々の主観に過ぎません。

 それは"気付けなかった"とも同義なのです」


 ああ。

シーちゃんが偽お姉ちゃんに太刀打ちできなかったように、力の差が在りすぎれば気付けない、つまり認識できないという事も在り得るのか。



「イオスも気が付いていなかったじゃない。

 イオスがアルカを神化させようとするのを止めていたのも、黒幕アルカの仕業だったのでしょう?」


 なにそれ?何の話?


『エルフの国でイオスが言っていたでしょ。

 「これは誰が邪魔した結果なのかしら」って』


 ああ。あの時の話か。

そう言えばセレネ達にもそんな話を伝えたわね。

セレネはそれをキッカケに認識出来ない何かの存在に気が付いたわけね。



「ならば、それはまた別の問題なのでは?

 黒幕アルカが食い止めていたのではなく、第四の敵、もしくは影の協力者がいたのやもしれません」


「それはどうかしら。

 黒幕アルカになら動機があるじゃない。

 きっとこっちのアルカに力を付けてほしくないのよ。

 自分に匹敵しうる、唯一の存在なんだもの」


「いえ。多分それは違うわ、セレネ。

 黒幕は私を神化、もしかしたら更にその先に引き上げたいんじゃないかしら。

 なんとなくだけど、私はそう思うの。

 自分のところまで這い上がってこいって、上から目線で嘲笑っているんじゃないかって。

 本当になんとなくだけど、そう思うのよ」


「「「……」」」


 なんぞ?

この沈黙は。



「アルカはそんな事考えないわ」


「ええ。アルカらしくありません」


「まったく。

 本人が一番わかってないじゃないか」


 なんでさ。



「神化阻止の件は一旦忘れたまえ。

 先ずは黒幕アルカ君の真の目的を考えよう。

 当然、彼女に一番詳しいのはミユキ氏のはずだ。

 アルカ君。呼び出してくれるかね?」


「ええ。そうね。

 少し待ってて」

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